見出し画像

ごてんまりは不器用な人には無理?

こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。

「ごてんまりに興味はあるんだけど、わたしは不器用だからとてもできない」という人がいます。
不器用だと、まりができないですって?
そんなことない、大丈夫ですよ!
わたしだってものすごく不器用です!

よく誤解されるのですが、ごてんまりが作れる=器用というわけではないんです。
わたしも以前「ごてんまりが作れる人は器用だ。だからわたしは器用だ」と勘違いしていました。
しかし他のクラフト系のワークショップに行ったとき、あまりにも出来なさすぎて、自分は器用な人ではないと気づくことができたんです。


コロナ禍前の男鹿で、なまはげの体験ワークショップに行ったときのことです。
縄ないとなまはげのお面作りをするワークショップでした。
1時間ほどみっちり教えていただいたのですが、縄ないが全然出来ませんでした。
教えて下さる方も、わたしがごてんまり製作をしているのを知っているので、手作業は慣れているし、きっとすぐにできるだろうと思っていたらしいです。
しかし10分くらいして「…あれ? この人器用かと思ったけど、違うみたいだぞ」という視線を感じ始めました。
参加者は20人ほどいたのですが、10分も習うと半分以上の人がコツをつかんで、縄をなうことができていました。
そんな中、ちっとも縄ないができないわたしは、明らかに不器用でした。

縄ないは、藁をつかんで両手を合わせ、こすりあわせるようにひねります。
そうするとロープ状のひもができます。
そのひもを長くつなぎ合わせて神社の縄飾りにしたり、なまはげのケデ(藁でつくるマントみたいなもの)を作ったりします。
両手を合わせてひねるだけ…なのに、なぜか全然できないんです。
他の人たちは結構出来ているのに!
結局わたしは最後まで一つも作ることができませんでした。

フィンランドから来たという観光客の一人は、初めてなのにもかかわらず、一人でじゃんじゃんロープを作り、さっさとワークショップで作るリースを作り終えて、もはや神社に飾れるんじゃないかというレベルの極太のロープを完成させていました。
あまりにスムーズに作るので、
「本当にファーストタイム?」
と聞いたら、
「わたし、フローリストだからー。それで上手ゥ? なのかもしれないネ」
と答えてくれました。

お花屋さんだから縄ないが得意というのは、ちょっと納得できなかったですね。
ふだん自分の家の畑で、植物の取り扱いに慣れている人も多い中、彼女ほど素早く縄ないができる人は他にいませんでした。
縄ないを教えてくれる男鹿のおじちゃんたちも、あまりに上手で驚いていましたから。
最終的に彼女は、極太の長い長い藁のロープを身体に巻き付けて、ラプンツェルみたいにして遊んでいました。
(わたしもあの遊び、やってみたかったなぁ)

まさか彼女も、異国の地で初めてやる縄ないで、自分が一番才能を発揮するとは思ってもいなかったでしょう。
そしてわたしも、器用だと思っていた自分がまさかこれほどできないとは思っていませんでした。
結局、自分が本当にできるかどうかを事前に知る方法なんてないわけです。
やってみなければ、自分ができるかどうかなんて分からないし、器用か不器用かもそれほど関係ないんだと思います。

みんな自分で思うよりできなかったり、それよりもできたりします。
「本当にできるかな?」と不安に思うのではなく、「やってみたいな」と思ったら、まりでも何でもやってみるべきです。
「わたし、不器用だから」とごてんまりをためらっている方、一度体験教室にいらっしゃってみてはいかがでしょうか?
いつでもお待ちしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?