サバティカル日記(4:サバティカル延期から再開)

当初の計画では2020年4月からサバティカル研修の予定だったわけですが(その1その2その3)、ご存知の通り、2020年はじめあたりから、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行がはじまってそれどころではなくなったわけですが、幸い、とりあえず1年間の延期を認めていただけました(在職している金沢大学と受け入れ先の南方科技大学には、感謝してもしきれません)。とはいえ、1年経っても流行状況は大して変わらず、海外どころか国内の移動ですらままならない状況が続いていました。先は見えないものの、もう一年の延長を認めていただきました。それでも2021年末ごろになると、世界の人たちが、この感染症の流行にどう向き合うべきかを少しずつ理解してきて、国によっては制限はありますが国境を超えた往来が少しずつできるようになってきました。

ビザの申請

そこで、まずはビザの発給状況についていろいろ調べたり南方科技大の担当の方と情報交換をしていくうちに、2020年のときに発給してもらった就労ビザ(Zビザ)は無理そうだが、人材ビザ(Rビザ)ならいけるかもしれない、ということになりました。Rビザは、受け入れ先(南方科技大)がどうしてもこの人に来てもらうことが必要だと市政府に申請し、市政府が招聘状(PU)を発行し、それを受けてビザを申請する、というものです。いろいろな例をみるに、招聘状(PU)が出るかどうかは、正直やってみないとわからず、それさえ出れば、そこから先は問題ないだろう、ということのようでした。ちなみに招聘状(PU)の申請に必要な情報は、今回のケースでは博士課程の修了証明書(英語版)と、居住地域での新型コロナ感染症の流行状況を説明した文書、パスポートの写しと証明写真、ぐらいでした。

幸い、招聘状(PU)は2月初旬に無事発行されました。情報提供やご協力を頂いた方々に深く感謝します。
それを持ってビザの申請に移るわけですが、この人材ビザ(Rビザ)というのはかなりレアなもののようで、一般的なビザ(商用や観光、就労など)の発給業務を行う中国ビザセンターに問い合わせたところ、Rビザは大使館扱い、とのことでした。そこで大使館へ連絡をとってみると、居住地を管轄する総領事館(私の場合は石川県在住なので名古屋総領事館)で取り扱う、とのことでした。そこで名古屋総領事館へ連絡をとってみると、ビザは中国ビザセンターへ、と、きれいに(?)たらい回しが一巡したわけですが、事情を説明すると、名古屋総領事館で対応していただけることになりました。
必要書類は、パスポート、証明写真(当日撮影できる)、身分証明書(運転免許証)、申請書(中国ビザセンターのWebページから作成して申請せずに印刷)のみでした。総領事の承認手続きがあるので、そのスケジュールを考慮して日程調整をして、今回は2022年3月24日の午前に伺うことになりました。
名古屋の総領事館は、警察官が警備する物々しい雰囲気ですが、中にはいると、見慣れた(?)中国語の看板があったりと、普通のオフィスです。パスポートを預けて30分ほどで、あっさりとRビザを発行していただけました。

航空券の手配

ビザの申請と前後して、航空券の手配も進めました。国際線の運行状況は、このような状況ですからしょっちゅう変わるのですが、基本的にかなり便数は少ないです。2022年4月の予定では、日本と深センを結ぶ便は、ANAと深セン航空がそれぞれ成田空港との週1往復のみです。以前は香港経由のLCCが便利でしたが、現在は国境を超えるどころか中国国内の乗り継ぎもかなり制限があるので、成田から深センへの1択です。また中国入国後は最低2週間の検疫隔離があるため、あまり夜遅くに到着するのは避けたほうがよさそうだと判断し、午後の早い時間に着くANA便(月曜運行)を予約しました。ちなみに航空運賃は片道で16万円ほどです。到着後にいろいろと手続きがあり、その準備については、航空券予約時に詳しく説明されていましたので、準備をしていき、適宜追記をしたい思います。

到着後の検疫隔離やその後の生活

とはいえ到着後の検疫隔離がどこのホテルになるのか、や、その後、南方科技大での事務手続き、住むところをどうやって探すのか、など、不安はつきませんが、正直、いま心配してもしょうがない(2022年3月中旬に深セン市全体が1週間ロックアウトされたりと、状況はよく変わるので)ので、とりあえず今はあまり心配せず、その検疫隔離の期間中の情報収集などをすることにしました。ちなみに最低2週間の検疫隔離(外国人は3週間という説もあるようですが、これも心配してもしょうがない)はホテルの部屋から一歩も出られないので、かなりヒマなようです。普段から深センの情報収集でお世話になっているShenzhenFanで、隔離生活を快適に過ごすグッズや方法、という記事があったので、それを参考にいろいろと準備しました。とりあえずリングフィット・アドベンチャーは買いました。

現地での研究生活

そんな感じなので、現地での研究生活までは想像がつかないのですが、幸い、この2年間でリモート環境がかなり充実しましたし、経験もしました。学生の研究指導は、いまでも来日できない留学生と定期的にオンラインでディスカッションしてますし、今ならそんなに苦労はしないんじゃないかな、と思います。

渡航前のPCR検査

出入国に関する情報はよく変わるので、常に最新情報を追わないといけないわけですが、2022年3月28日時点での中国渡航に関する情報によれば、渡航前に以下の3回のPCR検査が必要となっています。

  • 予備検査(出国便搭乗の7日前)

  • 交差検査(出国便搭乗の3日以内に、同一管轄区内の別の検査機関で24時間以上あけて2回)

中国渡航で有効な証明書を発行できる検査機関は指定されていて、そこから選ぶ必要があります。それ以外にも、特に交差検査の2回めが搭乗の直前になるので、証明書の発行までの時間と発行形態(原本を取りに行くか、メールでPDFを送付してもらえるか)、検査をやっている曜日と時間帯、などを考慮して計画をたてる必要があります(それ以外にも検査費用も、2万円程度かかるのでばかになりません)。私の場合は、居住地と交差検査の期間の予定を考慮して、中国名古屋総領事館管轄区内のリストに載っている検査機関に順に電話して情報をあつめてから予約をしました。特に交差検査の2回目がどうしても土曜日の検査になるので、検査できる機関がさらに限られます。というわけで、かなり境界条件が多い最適化問題になりますね。今回は搭乗2週間前からはじめましたが、もっと早めの準備をしたほうがよかったと思いました。
以下は2022年3月28日に電話などで集めた情報です。(ちなみにリストに載っている石川県内の検査機関は3箇所)

  • 石川県予防医学協会予防医学クリニック(石川県):平日は午前(検査検査は3-4時間後)と午後(検査結果は翌日)。土曜は第2・第4は検査なし。検査結果は紙で取りに行く(当日発行は追加料金)。Webから予約できる。

  • コマツクリニック(石川県):平日のみ。今回は予備検査・交差検査(1回目)のいずれも予約がいっぱいでとれなかった。

  • 金澤なかでクリニック(石川県):電話がつながらず詳細不明(リストの情報では平日の午前と午後に検査ができるとのこと)

  • 名古屋ステーションクリニック(愛知県):平日・土曜の午後。Webから予約できる。検査費用が4.4万円だった。

  • ゆう内科クリニック(愛知県):平日・土曜の0900-1100。検査結果は翌日(紙では0900から、メールPDFは0830から)。Webから予約できる。

これらの情報と出国する成田空港までの移動などを考慮して、予備検査(4/4)と交差検査1回目(4/8)は石川県予防医学協会予防医学クリニック(いずれも午前)、交差検査2回目(4/9)はゆう内科クリニック、で検査を受けることにしました。その後、4/10に検査結果を受け取ってから成田へ移動、の予定です。

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