サバティカル日記(2:申請からの手続き)

サバティカル研修の受け入れ先の内諾をもらって、研修を出したあとの手続き、流れを、備忘録的に書いていきます。
※あくまでも中国の南方科技大の今回の例で、滞在先の国や大学によって手続きが異なると思いますので、あくまでも参考として。

2019年9月に別件で深センに行く機会があったので、南方科技大も訪問し、学部長を訪問しました(ついでに1時間ぐらいのミニ講演会を企画してもらいました)。その直後ぐらいから、最初に相談していた先生から事務担当の方(おそらくSchool of MicroElectronics(SME)の長(学部長)の秘書の方)を紹介していただき、その方と、主にWeChatでやりとりしました(英語が大丈夫な方でした)。

まずは履歴書

まずは履歴書(CV)を送ってくれ、とのことでした。指定された書式はあるのか聞いたところ、特にない、とのことでしたので、一般的な項目(学歴、職歴、主な論文リストなど)を記載したもの(PDF)を送りました。その後しばらくして、サバティカル研修を受け入れます、という(正式な)連絡をもらいました。

滞在先の身分と招聘状と兼業届

まず南方科技大での滞在期間中の身分(position)について、相談しました。私としては、特にこだわりはなかったのですが、サバティカル研修で他の大学に滞在した方の話を聞くと、Visiting Scholar(客員研究員)の場合が多いようだったので、どんなもんでしょう?ぐらいの感じで相談していました。しばらくして先方から、Visiting Professor(客員教授)でどうでしょう?という打診がありました。

私としてはそれで構わないのですが、金沢大の事務担当の方(理工学域の人事部人事係の方)に相談したところ、「客員教授は(報酬をもらわないにしても)兼業になるので兼業届が必要」とのことでした。そのためには、南方科技大からの招聘状を添えて兼業届を出す、とのことでしたので、南方科技大に招聘状を出すよう依頼しました。

しばらくして、以下のような内容が記載された、押印のある正式な招聘状が(PDFで)届きました。

・2020年4月から9月に客員教授に就任してもらう
・allowance(手当)を支払う
・業務は、南方科技大の教員との研究とプロモーション

私からは「給与を支払わない」ことを明記してほしい、と依頼していたのですが、先方のご好意で、「手当」を支払う、というありがたいオファーをいただいたことになります。先に書いたように、サバティカル研修中の住居費が自分の持ち出しになるので、それをいただけるのは大変ありがたいことです。しかしこれを金沢大の人事係に持っていくと、これが(サバティカル研修で禁止されている)報酬にあたるのではないか、と指摘されました。これはめんどくさいことになりそうだ、と人事係に直接相談に行きました。こういう込み入った話は、メールだと埒が明かないので、直接相談するほうがよいです。実際に持ち出しとなる住居費の支払いを先方からオファーされるというありがたいお話を断らざるを得なくなると、サバティカル研修で、今後のこのようなありがたいオファーをいただいた方も断らざるを得なくなり、経済的な理由からサバティカル研修を断念せざるを得なくなることを懸念して、なんとかしてオファーをお受けしたい、という思いがありました。

その結果、兼業の「無報酬」には「(必要経費を除く)」という但し書きがあり、この「手当」は「必要経費」、つまり報酬にあたらない、という解釈で進めていただけることになりました。お金を受け取る=報酬、という杓子定規な解釈ではなく、実際に即した現実的な解釈をしていただけたことに感謝しています。ただし、招聘状の手当が「住居手当(allowance for housing)」であることを明記することを条件とされたので、南方科技大に事情を説明し、住居手当であることを明記した招聘状を作成してもらいました。この招聘状を添えて兼業届を申請し、許可されて、Visiting Professor問題は解決しました。(ちなみにこの兼業届の許可は学長決裁とのことです)

このあとは、ビザの手続きに進みます。中国のビザはいろいろと複雑で手続きが面倒ですが、それを次回の「サバティカル日記(3:ビザの申請)」で、書きたいと思います。


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