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オーストラリアひとり旅と熱気球ツアー

2019年7月28日、オーストラリアのマリーバ高原で熱気球に乗った。
ヘッダー画像の右端の、黄色い上着が、私。
ツアーガイド感ハンパないけど、客。

ふだんから、サーフィンやスノボやフェスもひとりで行くし、ソロ活動は慣れているが、海外ひとり旅は、初めてだった。

気球ツアーは、ネットで見つけて予約した。
予約完了してから、注意事項に気がついた。

「リコンファームのお願い:オーストラリアに到着されましたら、予約確定のため、必ず下記にお電話ください。(英語)」

(英語)だ…と…?

英語で電話…ハードル高ぇ…

2019年の4月から、英会話教室、といってもサークルみたいな軽いノリのやつに参加していた。

講師のピーター(オーストラリア出身)に「電話かけなあかんねん」て相談したら、

「HAHAHA、ノープロブレム!
"ハロー!マイネームイズアキ.
アイム イン オウストレイリア"
コレデOK.」

随分ざっくりしたアドバイスと励ましを受けた。

オーストラリア到着日の朝。
とにかく、英語電話ミッションをクリアしないことには、何も手につかない。

登録しておいた番号に震えながら発信。

まず、何が緊張するって、呼び出し音がお馴染みのトゥルルルじゃなくて

ビー
ビー
ビー

映画とかで聞いたことのある呼び出し音だった。
うわ、ここマジで外国なんや。

「ハロー?×◯△※」

ハローしか、わからん…

「あ、ハロー、、アイム アキ ハシモト 」
「ハーイ、アキ 」優しそうなお姉さんの声。

これは向こうが色々言ってくれるか?

シーン。(無言)

やべえ。何か言わんと。
察してくれる文化ではない。ここはオーストラリア。

「アイム イン オウストレィリア」

「…ソーリー?」

ピーターのばかぁぁぁ!!通じへんやんけ!!

「あ、えーと、アイ ハブ アライブド アット オーストラリア着きました」

着きましたて。あと完了形使ってみた。

「OH!ウェルカムトゥオーストレイリア!
◯△※☆◯ナンバー?」

ナンバーしかわからんけど、予約番号やろと思い、

「OK、ワン オー オー オー スリー オー フォー トゥー」

「パチパチパチ(キーボードたたく音) リッジズ エスプラネイドホテール アット 4:20am?」

「イエスイエス!!」

全力のイエスイエス。

「アキ、トゥモロー 4:20AM ウィーウィル ピックユーアップ @ザ ホテール」(たぶん)

「オッケーセンキュー。

…シーユートゥモロー」

…は、何か気の利いたことを言わねばという迷いと焦りである。

「ミートゥ! シーユー!」

はぁぁぁなんとか通じたぁ。

力尽きて、しばらく海沿いのベンチに座り、野生のペリカンをみつめていた。

ホテルに行く途中、ケアンズの市民プールがあった。
地元のお年寄りたちが、楽しそうに、水着で無料アクアビクス教室に参加していた。
肌寒いのに、元気やなぁ。冬やで。

翌朝、4時にロビーに降りて待っていた。
気球ツアーは数社あるらしく、来た、と思ったら名前を呼ばれなかったり、ヤキモキした。

予定から遅れること20分。
4:40に、イカツいお兄さんに

「ハシモトー」

と呼ばれ、「呼び捨てかよ」と思いつつ。
お兄さんが笑顔で、「グッドモーニング」
&シェイクハンド。

「ハシモトーこっちで同意書にサインプリーズ」(たぶん)

紙とボールペンを渡された。

ツアー参加にあたり、保険に入りますってのと、私は安全のために指示に従います、という内容だった。たぶん。

「オーッケイ!レツゴー」

ワゴンに乗り込んだ。

「ハシモトー、シートベルトプリーズ」

オーストラリアはシートベルト違反の罰金が高く、お客も運転手も罰金。
ホテルでお客をピックアップするたび、毎回、めっちゃ念を押してた。

途中、農場みたいなところでトイレ休憩。
空気がきれいで、風がひんやりと気持ちいい。
快晴だったら満天の星が見えそう。

雲の隙間からオリオン座がくっきり見えた。真ん中の3つの星の傾きが少し違う気がした。

あとでググったら、南半球で星座を見ると、上下逆さまに見えるらしい。マジか。47年生きてて知らんかった。

気球ツアーの出発地、マリーバ高原に到着。まだ、薄暗い。

最初は、ほぼ全員日本人グループのほうに案内された。

そしたら、ワゴンで迎えに来てくれた、イカツいお兄さんに

「ハシモトー、カモン」

と呼ばれて、こっちのグループへと手招きされた。

さっきからずっとハシモトーって呼び捨てなんだが。ワシは部活の後輩か。

見渡す限りこっちのグループは、全員外国の方々だね。

キョドっていたら、唯一の日本人スタッフが、にこやかに走ってきてくれて、

「ハシモトさん、英語大丈夫そうなので、こっちでお願いします。いけそうですか?」

いやいやいや、私そんなに英語大丈夫じゃないっすよ。
でもまあ面白いかなと思ったので、大丈夫です、と答えた。

私以外は、中国、台湾、韓国、インド、イギリス、オーストラリアの家族やカップルっぽかった。

気球は、コアラとカンガルーの絶妙にダサくて最高な柄。私はカンガルーのほうだった。

よじ登るように乗り込んだら、着陸時の姿勢について操縦士さんから、レクチャーがあった。
ハンドルを持って、背中をゴンドラに押し付けるようにと指示があった。イラストで表示してあるのでわかりやすかった。

ゆっくりと離陸。

中国人のお父さんと、オーストラリア人のカップルの男性のほう、異様にテンションが高かった。

わりとすぐに、上空の高いところまで上がった。
垂直に上がっていくのかと思っていた。実際は、上がりながら、横移動もしていた。
日にもよるが、1キロくらい移動するらしい。

だんだん、明るくなり日の出を迎えた。

赤っぽい土の大地が、地平線まで続いていた。

眼下に、白い鳥の群れが飛んでいくのが見えた。
牛かと思ったら、じっとしてるカンガルーだった。

なんと素晴らしい。

讃えよ、褒めよ、讃えよ土を。

大地讃頌(だいちさんしょう)していたら、私の後ろにいたアジア人カップル(英語でしゃべってたから香港?シンガポール?)の、女の子が叫び声をあげた。

驚いて振り向くと、男子がひざまづいて、指輪のケースをパカーっとあけていた。

ウィルユーメリーミー?

至近距離で、他人様のプロポーズを見るのは生まれて初めてである。思わず

「わー!」と口から洩れた。

私だけではなくて、周りの女の人全員、

キャー!
ワァオ!
オーマイガー!となっていた。

肝心の彼女は、目がうるうるして、感激のあまり声が出ない模様。

一同、固唾をのむ。

我慢できなくなった私と、別のカップルの女の人が
彼女を見て、ファイナルアンサー?のフロウで

「イエス?」

と返事を促した。

震える声で彼女は、はにかみ、

「イエス」

といって、彼の手をとった。

うぉぉぉぉぉ
コングラチュレイション
パチパチパチ!

ゴンドラに乗り合わせた全員が拍手で祝福をした。

プロポーズ成功した男の人が天を仰ぎ、ふぅーと大きく息をはいた。

イギリスからきたご夫婦が

「私たちは結婚して25年なのよ、懐かしいわ。」と話していた。たぶん。

隣にいたオーストラリアのカップルの女の人が

いーなーいーなー!!指輪いいなー!

ってたぶん言ってて、男の人が下を向いて聴こえないフリをしていた。あんた、離陸の時めっちゃテンション高かったやん。

気球の上でプロポーズすることを、スカイプロポーズというらしい。

答えがイエスでよかったし、彼女めっちゃ喜んでたし、国籍、人種関係なく全員で祝福したし、私の気球ツアーは、一生忘れられないステキな思い出になった。

とてもハッピーな気持ちで帰りのワゴンに乗り込んだ。それぞれのホテルに、イカツいお兄さんが送ってくれた。

誰かが降りるたびに、

元気でね!いい一日を!

とお互いに手をふった。

私は、グレートバリアリーフのグリーン島ツアーとセットだったので、船着き場まで送ってもらった。

乗船受付の場所と方法、まだだいぶ時間があるから、あそこのカフェで朝食食べたらいいよ、美味しいよ、と丁寧に教えてくれた。不思議と、英語が聞き取れていた。
お礼をいい、握手して別れた。

朝食は腹ペコだったこともあるけど、とても美味しかった。次の日も、ホテルから30分かけて、歩いて食べに行った。

オーストラリアのフラットホワイト。カプチーノでコーヒー多めみたいなやつ。デケェ。

グレートバリアリーフにあるグリーン島。
私が勝手にイメージしてたのと違い、たたずまいが瀬戸内海だった。

季節や天気によって、海の色は変わるらしい。

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