幸せへのセンサーを読んで。
引っ越してきた当初は全てが新鮮で楽しくて、同時に幸せを感じていた私ですが、人は慣れるもので半年も経つと「自分はこれで良かったんだろうか?」と悩むようになりました。
仕事は順調で職場の人間関係も良くて、休みは好きな読書や畑仕事を楽しみながら時々友人と遊ぶ。正直、とても恵まれたとても幸せな毎日を送っていると思います。
それでも時々ふと社会の唱える「普通の幸せ」とは逸れていることが、気になるときがあります。この本に出会ったのは、そんなときでした。
友人の付き添いで本屋さんに行き、なんとなく本を見ていましたが、いまいちピンとくるものはなかったんです。
本は一期一会だと思っていて、いつも本屋に行くと導かれるように面白い本に出会うのですが、この日はなんとなく気が乗らず、「ああ、今日はそんな日なんだな」と思っていました。
友人が本を買うというので、レジ近くで待っていたとき、ふと目に入ったのが吉本ばななさんの「幸せへのセンサー」。
目次を読んだ瞬間、これは私が「今」読むべき本だと確信して購入しました。
幸せへのセンサーという言葉選びがとても好きでした。
とても読みやすく、お話を聞いているような文章なので、さくっと読むことができました。読んでいて、何度「わかる〜」と共感したことか。
自分の気持ちに正直であれ、自己肯定感を高めるのではなく、自分のダメなところも良いところも理解して許容して、無理せずにいよう。
そんなメッセージが込められていて、それは私がしばらくの間忘れていた気持ちでした。
特に私がそうだよなあと思ったのは、自分の外側には大きな宇宙の力が働いているということ。それは人によっては、運命と呼ぶかもしれません。でもそれは決まったことではなく、自分の行いで変わっていくと思うので、私はあんまり運命とは呼ばずに宇宙が生命に働きかけるものだと思っています。
決してスピリチュアルな宗教的宇宙ではなくて、因果というか、誠心誠意生きているとチャンスやご縁が巡ってくることは、大きな力が働いている気がするんですよね。
自分の好き嫌い、やりたいやりたくない、ちょっとした好奇心や違和感、それらに素直に生きる。もちろん他人への思いやりは忘れません。そうして満たされた自分のハッピーが他人に影響して、流れが良い方向にどんどん向かっていく。そう実体験を通して感じています。
他にも私が日頃漠然と感じていたことが、ばななさんの言葉で具現化されていて、私のこの考えは間違っていないよと言ってもらえているようでした。とても安心したんです。
なかなかひとりで考えていると、だんだん分からなくなっていきますよね。だから私はこの本でばななさんの言葉を聞くことが出来て、自分の幸せセンサーの微調整ができました。
この本に出会えてよかった。私は啓発本はあまり好きじゃないのですが、ばななさんのこの本はあれをしたら幸せになれるとか、そういうメソッドではなくて、ばななさん自身の経験を通したひとつの幸せの感じ方の共有でした。
幸せを感じるには、自分のことをよく知り、受け入れていくことが大切。明日からも他人のことは思いやりながらも、自分の気持ちに嘘をつかず、うまくやって行きましょうかね。
素敵な言葉をたくさん届けてくださったばななさんに感謝です。
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