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秋田柴子の文フリへろへろ参戦記  ~準備編② どんな紙を使う?

さて今回は「紙と予算」のお話です。

先にお話ししておきたいのは
「たとえ同じ条件でも、印刷所によって全然値段が違う!」
ということです。
なので以下の点にご注意ください。

本の仕様(サイズやページ数など)が決まったら、いくつか印刷所のサイトを見て、だいたいの費用を見積もっておく(たいてい自動見積もりがある)

セルフ・業者問わず、印刷・製本には費用がかかります。
ボリュームたっぷりの長編小説を書いたはいいけれど、膨大な枚数でバカ高コストになっちゃったら大変です。ですので本格的に書き出す前に、ちょっとだけ費用を確認しておくことをお勧めします!

ちょっと話が脱線しますが、この予算を調べる時にもうひとつチェックしておくといいことがあります。

その印刷所で対応可能のアプリ・ファイルの種類

ちょっとだけ説明すると、たとえば私は日頃Wordで原稿を書いています。でもそのWordファイルのままで入稿(=印刷所にデータを送ること)できるところばかりではありません。

この入稿方法も事前に印刷所の情報を調べておくと、後から「ぎえええええ!」とならずにすみます。←これも経験アリ(笑)

ちなみに私は「Wordで作る → PDFファイルに変換する → 入稿」という形を取ります。PDFファイルなら、だいたいの印刷所は受け付けてくれます。
PDF? 何それ」と思われる方は、ご自分の使う作成ソフトでそのまま入稿できるところを探すか、この機会にちょこっとだけPDFファイルの扱いを勉強してみるのもいいかもしれません。


さて本題の「どんな紙を使うか」です。

コレねえ……。
頑張って原稿作って、さあ発注しようと思って印刷所のサイト見ると、たぶんボーゼンとする人、多いと思うんですよ。

ある印刷会社さんの表紙のリスト。初めて見た時はぎょっとした(笑)


そう、実は紙っていろんな種類があります。そして当然のごとく、それぞれお値段が違います。

できれば安く作りたい。でもせっかくなら、きれいな仕上がりにしたい。

この狭間で、我々書き手は悩むわけです。結論から言って、好みやこだわり、そして予算は人それぞれ。
でも「何がなんだか判らん!」という人のために、秋しばの例をご紹介してみますので、ぐいぐいと踏み台にしていただければ幸いです(笑)

秋しばは昨年の文フリで初めて印刷所に発注し、今年も同じところにお願いしました。

昨年の仕様は「仕上がりB6・本文46p15冊」で4,561円。
そして今年は「仕上がりB6・本文100p30冊」で11,688円。
(どちらも送料別)

ページ数・冊数ともにほぼ倍なんですが、実は使う用紙も変えています。
昨年は「表紙:コート紙110kg、本文:上質紙70kg
今年は「表紙:コート紙110kg、本文:書籍用紙72.5kg

さあ、もう判らない(笑)
もう紙の種類については、手っ取り早くこちらをご覧ください。

さあ実用編です。

1.本文

まず本の大部分を占める、本文の用紙からいってみましょう。
だいたいは「上質紙 or 書籍用紙」あたりでの選択になると思います。
上質紙は普通のコピー用紙みたいな感じ。要するに真っ白。
対する書籍用紙は文庫本みたいな感じです。ちょっとクリームがかった色合いですね。
実際にワタシの本で比較してみましょう(影が邪魔ですみません)。

上質紙(左)と書籍用紙(右)

一般的に「文字が多い場合は書籍用紙の方が見やすい」と言われています。手触りも書籍用紙の方が柔らかく、なめらかな感じがします。
まあこのあたりは好みによるかと(笑)
今年はページ数も多く、文字数もぐっと増えたので「書籍用紙」にしてみました。お値段もそこまで変わらないです(価格についてはのちほど)。

2.表紙

これは秋しば、失敗しました(涙)
昨年は「コート紙110kg」を使用。初めて自分で紙本を作った! という興奮で「おお、いいやん!」とか思っちゃったんですね。それで今年も同じ仕様にしたんです。
でも今年現物を手にして、最初に思ったこと。

「なんか薄い……」

そうなんです。「コート紙110kg」だと、ちょっと頼りない感じ。

昨年は本文46pのボリュームだったのであまり気にならなかったのですが、今年は100p。本の背幅はだいたい4㎜ぐらいかな? そのボリュームにしては、ちょっと表紙が薄く感じました。
うう、135kgにしとけばよかった……と思いましたが、後の祭りです。あるいはもっと厚い紙の方がいいかもしれない……。

さっきの遊文舎さんの記事によると、
『コート紙110kgは千円札、コート紙135kgはファッション誌の表紙ぐらいの厚さ』だとか。いや、千円札よりは厚い気がしますけどね
何にせよ、ちゃんと読んでから発注すればよかった……(涙)

実際に文フリなどで本を買った時「この仕様、素敵!!」と思ったら、著者さんに直接聞いてみるのもいいと思います。
(たまにびっくりするぐらい予算かけてる人もいらっしゃるので、そこはおサイフと相談しましょう笑)

3.価格

実のところ業者さんに頼む場合は、印刷所選びがいちばん大変かもしれません。だって本当にたくさんありますし、お値段もいろいろ。
秋しばの場合、以下の基準で選びました。

① 小ロットの印刷OK
② 安い
③ サイトの説明が判りやすい(特に入稿の仕方)
④ サイトで自動見積もりができる
⑤ Canva で作成したデータOK

①~④はまあいいとして、⑤はですね。
今年初めて無料配布チラシを作ったんですが、ある業者さんに「ウチ、Canvaのデータ受け入れてません」と言われちゃったんです。
もしCanvaをお使いの方は、その点にご注意くださいね。
(だいたいどの印刷所さんでも、サイトに「受付可能なファイルの種類」が記載されていると思います)


さて、実際に使う用紙が違うと、価格はどれだけ変わるのか。
ちょっと下の表を見てみましょう。
仕上がりB6・本文100p・30冊・表紙片面カラー/本文モノクロ
の条件で、用紙を変えた時の金額です。

緑色のオビ=秋しばの注文した内容です

「なーんだ、あんまり変わんないやん」と思いませんか?
くどいようですが、これならなおさら「コート紙135kg」に……。
くうう、無念……!

(注:実際には他にもいろいろな設定があり、それによって金額も大きく変わってきますので、その点はご承知おきください)

用紙の種類よりはむしろ「印刷会社による価格の違い」の方がはるかに大きいと思います! 今回10社近く比較してみましたが、表のいちばん下、つまり「コート紙135kg・書籍用紙72.5kg」の設定で、同じ冊数を印刷しても
A社:20,570円
B社:17,215円

ぐらいに違うんです!(なんか怪しい企業の宣伝みたいですみません)

「じゃあ、オマエはどこに頼んだんだよ」

という声が聞こえてきそうなので、最後にそれをご紹介しておきますね。
冊子の印刷をお願いしたのは、昨年も今年も 三景印刷株式会社 さん。

こちら、ちょっとサイトでは入稿データの作り方が判りにくいのですが、昨年電話して聞いたら、めっちゃ親切に教えてくれました!
(オペレーターの親切さで有名らしいw)
お値段も良心的です。ただし送料が別途かかるのでご注意ください。

さて準備編は次が最後になります!
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございました!!

秋田柴子の文フリへろへろ参戦記 ~準備編③ 多くの人に見てもらおう!


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