アキラの「上京物語」第20話

今から23年前の夏。
地元でのロックロールパーティに向けての衣装制作をした。
相当昔のことなのに本当に鮮明に覚えている。
右半身を赤色の天竺で、左半身を同じく赤色のナイロンワッシャーを
使いテッズ風のセットアップを作った。パンツは更に左右で素材を反転し
全体感としてチェッカーフラッグ(市松模様)をイメージした。
ロングJKTにくるぶし丈の細身のPT、そしてインナーまでもが左右で切替
したTシャツだった。まだまだ粗削りなパターンメイキングだったけど、
カッコイイものを作りたいって勢いと渇きみたいなものがほとばしっていたんだと思う。
それにスタイリングしたのは勿論ジョージコックスのラバーソールと
ループタイだ。ラバーソールは白、ループタイは8ボールモチーフにした。
COOLだったと思う。本当にカッコ良かった。

今思うのはファッションってのはまず渇き、そして勢いとエナジー、
それらを後押しする情熱。
これさえあればカッコイイものが作れるってコト。

20年以上ファッションやって来て、技術も知識も経験も人脈も背景も
全部手入れた今だからこそ、余計に強く感じる。

オレはブランドがやりたい!みんなが熱狂する洋服が作りたい!!

次回に続く…


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