アキラの「上京物語」第7話

1995年の3月。
あるひとつのカルチャーに完璧にヤラレチャッタ…

藤原ヒロシ、JONIO、NIGOの三人によるASAYANという雑誌のページ。
「LAST ORGY 3」に出会う。ラストオージーとは最後の晩餐という意味だ。
それまでもASAYANは見ていた、このページは毎月一回の連載でもう何回も
掲載されていたはずなのに、何故かその月はオレの目に飛び込んで来た!
しかも強烈なインパクトと共に!!

高校三年生の少年はGREENDAYとNIRVANAに心酔し、ファッションと音楽の
中間地点で気持ちイイくらいの初期衝動と強い憧れそして自分も何かを表現したいとういう自我が芽生え始めていた。

自分にとって生まれて初めてのロックスター、カートコバーンは前年の
4月5日に亡くなってしまったけど、追悼の意を込めてバンド屋(当時はバンドT、CD、ビデオやグッズとかを売っているお店を通称バンド屋と呼んだ)で
今では超有名なカートの追悼Tシャツを友達と二人で通販した。
とにかくそのTシャツが好きで学ランの下にいっつも着てた。冬はこれまた
カートの真似してモヘアのカーディガンも着てた。

ただ…地元でそのTシャツを着てるのはオレとそいつだけ…

何かを表現したくても
ちっぽけ過ぎる自分の声は誰にも届かないんじゃないか?
どうすればカートやビリージョーみたいに世界中に自分の声が、
クリエイティブが届くのだろう…
そんなことばかりを考える思春期&THE青春。
このモヤモヤした気持ちを彼らが吹っ飛ばしてくれた!

前置きがだ~いぶ長くなったけど、、
そうつまりラストオージーのその回でJONIOさんとNIGOさんが
オレとおんなじ、オレが好き過ぎて毎日着てるTシャツを着てたの!!!
しかもさ、もうめっちゃオシャレ!今まで見たことないようなスタイリング
でさ!何この人達っ!!って。
世の中にはオレと同じものをイイって思ってる人達がいる。
しかもその人達はちゃんと自分を表現出来てる。

オレにも出来る。オレもそうなりたい!

少年の心に完璧に火が付いた瞬間だったのである。

次回に続く…




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