「クワイエット・プレイス:DAY1」観た。

原題:A QUIET PLACE: DAY ONE
監督:マイケル・サルノスキ
出演:ルピタ・ニョンゴ、ジョセフ・クイン、ジャイモン・フンスー 他
上映時間:110分

音に反応して襲ってくるモンスターに難儀しているシリーズの第3弾。
2作目の続編ではなくモンスター襲来のDAY1(初日)を描いた前日譚。

といってもアボット家が主役ではなく、新キャラがメイン。

恐怖体験に直面するホスピス患者のサミラ(ルピタ・ニョンゴ)。はたして彼女は無事に逃げ切れるのか。


シリーズの魅力である音を立ててはいけない緊張感はもちろん健在。
突然の驚天動地により人々は大パニック。悲鳴→死→悲鳴→死の連鎖。阿鼻叫喚。

一息ついたと思ったら何かを踏んでパキッと音が。すぐ来るよ。

ジャンプスケアでビクッとするシーンが3箇所ぐらい。

そんなスリリングが全編に敷き詰められてはいるが、本作はドラマ性も高い。

病にたいしてクソッ!とやるせない思いを抱えてホスピスに入っているサミラは愛猫のフロドと街へ出て、バケットリスト的な行動を。ところが緊急事態に見舞われる。混乱の中でエリック(ジョセフ・クイン)に出会いいっしょに逃走。

サイレンスの中で断片的に意思を伝え、交流を通わすサミラ、エリック、フロド。
次第に人間味が形成されてゆく様子はまるでサイレント映画。

マジックで和むシーンはチャップリン「街の灯」のように感動的。
まさか「クワイエットプレイス」シリーズで泣けるとは!

エリックがめっちゃ良いやつ。
エリックの中のエリック。
ベスト・ザ・エリック。

気ままに見えて主人のサミラを気遣い、ときにエリックの恐怖心を鍛えて、道の先を歩いて2人を誘導するフロドがめっちゃ可愛い。

思い出が詰まった場所で充足の表情を見せるサミラ。
「Feeling Good」が流れるタイミングが絶妙。

過酷と輝きが交錯する人生の味わいを伝えて胸に染み渡らせる余韻深いエンドロール。

命の輝きは恐怖に打ち克つのニャ!


2作目「破られた沈黙」に登場した島の長(ジャイモン・フンスー)が短い出番ながらすでにリーダー格を漂わしているのも見逃せない。


モンスターは水に弱いなら、堀を作って水を張って安全地帯を作ったり対策できそうやん。とも思った。


喧騒のニューヨークが静寂に包まれた襲来。その初日に起きた出来事の1つを切り取った本作はシリーズの前日譚というよりスピンオフの色合いが濃い。
ゆえにこの単体だけで十分。シリーズ未見でも大丈夫。





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