「こんにちは、母さん」観た。
監督:山田洋次
出演:吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、田中泯、寺尾聰 ほか
上映時間:110分
「母べえ」(2008年)、「母と暮せば」(2015年)と続いた「母」3部作のラスト。(作品はそれぞれ独立)
山田洋次監督の90本目は、現代の東京を舞台に母と息子を軸とした人間ドラマ。
ほぼ「人事部長はつらいよ」喜劇。
神崎昭夫(大泉洋)、昭夫の母 福江(吉永小百合)、昭夫の娘 舞(永野芽郁)の3世代それぞれの視点が自然に折り重なって、慈味豊かで大切な日常を形成していた。
ローアングルの視点で寄り添う人間模様から滲み出る人情が心地いい。
落ち着いて穏やかに観ていられる映画は貴重。
おばあちゃんと呼ばれたり、やけ酒を飲んだりと今までにない吉永さんの姿を見られて新鮮。
大泉洋とクドカンが軽妙で好印象。
山田洋次組に初参加とは思えない馴染み具合。
優しい余韻を残す永野芽郁もいい!
「キネマの神様」でも思ったが、監督は永野芽郁に若い頃の吉永さんを重ねている感じ。
”履き違える靴”、”足の計測”、”去ってゆく足”
といった印象的な足下ショットから、まちの足取りを感じた。
人に歴史があるように、ビル群と家々のある街並みにも歴史がある。
戦火を経て、今の日常がある。
荻生直文(寺尾聰)が橋の上で見かけたイノさん(田中泯)にかける別れの声かけが胸を打つ。
福江は足袋屋に嫁いで年月を重ね、数年前に主人を亡くし、店舗兼住宅から外へと意識が向かうようになり次第に生き生きとしてくる。
そんな福江の姿が昭夫や舞に好影響を与えた様子。
みんなから「お母さん」と呼ばれて慕われる存在で、福江のもとに仲間たちが集う光景が良い。
「こんにちは母さん!」と誰しもが集える場がまちの中にあると、きっと和みの発信地になっていく。
”母さんはずっと笑顔でいてほしい”
その願望を具現化したような良作の映画。
吉永小百合、大泉洋、永野芽郁の家族をもっと観たいな。
シリーズ化希望!
豊中市先行上映会にて鑑賞。@文化芸術センター大ホール
上映後に山田洋次監督、巡査役で出演の北山雅康さんによる舞台挨拶!
YOUさんの存在感については是枝監督からもお墨付き!
豊中に現存する監督の生家をロケ地として使いたいと。(以前もおっしゃっていた)
ぜひ実現してほしいなぁ!
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