「君たちはどう生きるか」観た。
監督:宮崎駿
声:山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ、木村拓哉 ほか
上映時間:124分
宮﨑駿監督10年ぶりの新作!
エンタメ要素は薄めで、分かりやすくないストーリーのカオスなファンタジー。
ちょっとなに言ってるか分からない、とツッコミ入れてしまいそうな。
観客そっちのけで監督の妄想を描ききったプライベートフィルム感ある。
一緒に観た母は1時間ほどで寝ていた。
7人の小人ならぬ、7人のおばあちゃんズ・・・。
鳥たち怖い・・・。
ホラー味があって好みな部分もあり、熟練の演出力が行き届いた主人公の少年、牧眞人(まき まひと)の一挙手一投足を見ていくうち不思議な世界に順応。
喪失感を抱えた眞人が心配で、展開の推移を見守る感覚。
疎開先のベッドで泣いてしまうシーンにもらい泣き。
吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」の映画化ではないが、眞人とアオサギの関係はコペル君と叔父さんのよう。
塔は、「2021年宇宙の旅」のキーアイテム「モノリス」からの着想かな。
塔の魔力で理想の世界を作ろうとするところは、アイデアと画力で何でも描けてしまうアニメーターの沼と、商業と自身の内面探究のバランス両立の難しさが透けて見えた。
命の儚さと同時に、奇跡的に繋がって今がある生命の神秘を感じる物語は、思索の冒険譚でもあり、宮崎駿監督のフィルモグラフィーでいちばん作家性を目の当たりにした印象。
稀有なアニメーターに引退はもったいない。
これからも作品を届けてほしいな。
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