「怪物」観た。

監督:是枝裕和
出演:黒川想矢、柊木陽太、安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子 ほか
上映時間:125分

是枝裕和監督の最新作。
今回の脚本は監督自身ではなく坂元裕二が担当。音楽は坂本龍一。


子どもたちの様子がおかしい。
どうした、どうなる物語。


1つの物語を三者(子ども、親、教師&校長)の視点で追いかける構成。

たしかな演出と脚本で、エンドロールまでぐいぐいと引っ張ってゆく。
見応えがあった。


話者を変えて真相に迫っていくなかで、不協和音が鳴り始め、親目線に同化して心配が募ってゆく。

犯罪がらみじゃなくてホッとしたが、ラストシーンの清々しさが不安をかきたてる。
心配でたまらなくて泣きそうに・・・。

どうか白昼夢ではなく、台風後の将来に調律が合った2人の笑顔が多く生まれますように。

彼らの背中を押すようなリズミカルな音楽が素敵。

敏感で繊細な子どもの心の機微を映し出した子役の黒川想矢、柊木陽太が良い!!


クラスでイジメをしていた子どもたち、腹立つ!

星川依里の父親も最低!


視点を変えて物事を多面的に捉えると、側面は1つではないと分かる。
誰が悪いかではない。

同調圧力、固定観念はびこる空気感ってしんどい。
偏見ってしょうもない。

得体の知れないものが生まれがちな社会は生きにくいけれど、いつだって言いにくさを抱えている子どもが出す音、声をキャッチしていけばきっと未来は優しくなっていくんじゃないか。


是枝裕和×坂元裕二は相性が良いと思った。
今度は社会派ではなく「花よりもなほ」のような人情ものか、「大豆田とわ子と三人の元夫」のような楽しい映画を作ってほしいな!






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