2024/5/16

「才能と努力、どちらが大事か?」という問に即答は可能なのか。ここで僕はどちらか一つを選ぶことができない。どちらも必要、といえばそれまでだが(いや、今から書くことはそういう意味に捉えられるが…)、この二つを二極化して考えることに疑問を抱くのだ。これは僕が大学受験を終了させて思ったことである。

この考え方では、才能が「その人が生まれつき持っているもの」、努力が「その人が今から積み上げていくもの」として扱われるだろう。結局は「才能は過去のもので不変的である一方で、努力は現在・未来のもので可変的なである」ということであって、より大事なのは努力である、と世間一般では信じられているような気がする。『努力に勝る才能なし』というような言葉があるくらいだ。
ここで、僕はいつも思うことがある。才能は開花させるものであって、生まれつき持っているものに終始するようなものではなく、才能と努力は対比できるようなものとはならない気がするからだ。

最近読んだとあるウェブサイトで、このようなことが書いてあった。
才能がある人にとって努力した結果は才能と努力の掛け算として表れ、才能がない人にとって努力した結果は努力の足し算にしかならない。
なるほど、と思った。僕の考えに合致しているのだ。
実際、『一を聞いて十を知る』ということわざは、本当の意味だけでなく、このことを指しているような気もする。才能がない人にとって、ただ単に努力しただけでこのような状況になることはかなり難しいだろうし、このような聡明さを持つのは才能があるからこそ、なのかもしれない。
『才能の差は小さい、努力の差は大きい』と現役生の時に主任に言われたが、本当だろうか。

ここからは完全な僕の意見や所感である。
才能は開花させるもの。元々持っている才能は何度でも磨き、才能がないように見えても努力を積み上げると才能が生まれることもある。才能を磨くと、上で述べた考えを基にすると、小さな努力だけでもそれを大きな才能でカバーすることができ、その結果が掛け算的に表されるのだから肝心の結果は大きなものになり得る。一方で、努力する過程で才能が生まれると努力の足し算だけでなく、才能との掛け算を可能にし、大きな結果を作り出すスタートとなる。

そうすると、最終的に努力が大事という結論になる…とは完全に言い切れないような気もする。確かに、前述した内容を踏まえると、才能を磨くためにも、才能を生むためにも、努力は欠かせない。けれど、努力が大事だと囚われてしまうと一つ懸念しなくてはならないことがある。それは、努力の方法・内容を間違えてしまうと何にもなりえないからだ。
努力をむやみやたらに行ってしまうと、何に対して頑張ろう、努力しようという最終目標を見失い、才能が磨かれる・生まれることが不可能になるどころか、足し算されるべき努力にもならず、何の結果も生まれない。結局、努力をしようと思うとそのために何が必要か、自分がするべきことが何かという選別を行わなくてはならない。これが中々に難しいような気がするし、この過程をスキップして努力したところで何も生まれない、そして自分を責める…という負の循環がスタートする。その循環から抜け出すのは難しく、結局才能の差が大きいと思うようになる。この話は僕の実体験に近い。

では、才能の差は小さく、努力の差は大きいのか。僕がここで展開する理論でいうと、YesともNoともいえないような気もする(というよりも、冒頭で語ったようにこの二つを二極化している時点で間違っているとすると、この差を考えること自体がやはり間違っているような感じもするが)。
才能がない人にとっては、まず才能を生むための努力をしなくてはならない。その才能が生まれるまでは、才能を埋め合わせるための努力を行っており、これはほぼ苦行に近い行為だ。掛け算で表される結果に足し算だけで追いつこうとしているのだ、並大抵の努力では到底成し遂げられない。
才能がある人にとっては、努力を積むためにも、才能を磨くためにも努力をする。そして結果は磨かれた才能と努力量で表されるのだから、予想通り大きな結果を生み出す。

序盤で語った内容に戻る。『努力に勝る才能なし』と言われたところで、才能に追いつくために積み上げるのはただ単なる努力だけではない。才能を生むために、磨くために努力を積み重ねるのだから、積み上げているのは努力と才能なのだ。ならば、どちらが大事と決めつけるのは何か違うのではないだろうか。すごく幼稚な、捻くれた意見かもしれないが、間違っていないような気がしている。

僕はこの文章で散々述べた通り、才能も努力も現在・未来のものだと考えている。やはり完全な対比として二極化はできないだろう。

つらつらと書いていれば、色々と考えてしまい日をまたいでしまった。今度からはもう少し簡単な内容を書くことにしよう。

『iしてiされたいだけ カタチないものだけど 才能をいいわけになんて…したくない』
Mr.AFFECTiON/IDOLiSH7

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