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正直サラリーマンがバカを見る世の中を変えられるかなぁ

内部通報者の保護を厚くするらしいですが、本当に保護なんてできるものなのでしょうか?

最近では、日清食品HD、神戸製鋼所などで内部通報による不正が発覚しました。元々は食品偽造などの問題を受け、消費者保護の観点から2004年に公益通報者保護法が制定されました。

しかしながら、現行では、通報者が会社から不利益な処分(解雇、配置転換等)を受けた際に、その処分を覆すには裁判をおこし、無効や損害賠償を争わなくてはいけないといったケースが目立ちます。

具体的には、オリンパスの従業員が2007年に上司の不正を告発し、会社から配置転換を命じられた際には、和解(結局は会社側が賠償金の支払い)するのに10年を費やしています。最終的には会社が賠償金を支払うから良いものの、賠償金が支払われるまでの10年間の訴訟費用は会社員が負担していたことになります。何のために通報したのか?ということになりかねません(法律に基づき正義のために通報したのに、一人で、しかも自己負担で戦っている)。通報者としては意図していなくても、「個人 VS 組織」の構図です。
今の制度では「真面目な人ほどバカを見る世の中ということなのでしょう」としか言いようがない現状です。

そこには勿論、制度自体にも問題があります。なにせ、通報先は社内のコンプライアンス窓口会社が指定した弁護士事務所なのですから。
特に前者の場合は、その担当者が聖人君子でない限り、上からの圧力があれば、誰が通報者であるか会社に白状してしまうと思うのですが・・・。担当者も会社から給料をもらっている会社員なのです。弁護士事務所も通報者がクライアントではなく、依頼された会社がクライアントです。職業柄、倫理規定が厳しいとはいいつつも(守秘義務があると言っても、守秘義務なんてどの程度なのかは個人の裁量と資質次第です)・・・。

政府は年内にも具体案を示して、2019年1月の通常国会に法律の改正案を提出するみたいですが、まずは通報先を完全なる社外政府の機関にしないと難しいと思いますし、また、実際に実効性に乏しいと思います。その新たな制度の費用をどうする?という意見もあろうかと思いますが、今まで社内にコンプラの窓口や弁護士に依頼しているということを鑑みれば、そのお金(人件費や顧問料)を新制度の機関に各企業が拠出すれば良いだけだと思います。

とはいいつつも、完全社外にしたとしても、会社内(組織、部内、同僚間、個人間は別として)で、なんとなく「あいつしかいない!、あいつだろう!」という詮索は絶対におこるはずです(それが人間の心理です)。そのことも考慮して社外の機関が、通報者が通報後も不利益を被っていないか監視していく制度としないとこの制度は骨抜きとなるでしょう。

しかしながら、この世で完璧なるものはないと思います。例えば、年月が経った後、意図しない配置転換があり、人事政策上、必要な配置だと会社から言われれば、本当にそうかもしれませんし、当時の報復人事を今にされているかもしれません。
また、実績をあげているのにずっと重要ポストにつけないということも、会社からすれば、成績は良いがそのポストにつく資質がないと判断していると言われれば、それも本当かどうかはわかりません。

いずれにせよ、厳しい事を言うかもしれませんが、制度が新しくなったとしても通報する方もそれだけの覚悟がないといけないということかもしれません。
皆が半沢直樹なみの覚悟があるのであれば無敵かもしれませんが。

結局は、男女平等、ダイバシティーの推進、残業削減等、いろいろ政府も掲げていて努力されているのは認めますが、本来の求める姿にはまだまだ追いついていないのが現状です。
でもこれは政府だけでなく、経済界、つまりはその経済界を支えている働いている個人それぞれの問題なのではないでしょうか。

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