居場所のないアスペルガーに猫のすゝめ

どうも、発達障害( ASD + ADHD )を抱えながら障害者福祉に従事している甲斐です。
ASDが猫を飼うことで共感性の向上や分離不安の減少見られる研究というものは少し調べると結構出てくるんですよね。

  • https://www.pediatricnursing.org/article/S0882-5963(20)30663-1/fulltext

    • 研究の内容: この研究は、ASDの子供のための猫の採用が子供の社会的スキルや不安に与える影響を探るもので、猫の採用がASDの子供の共感の増加、分離不安の減少、およびいくつかの問題行動(外部化、いじめ、過活動/注意散漫)の減少と関連していることを示しています。

研究は子供の例ですが、私自身、猫を飼っていて、体感としても良い変化を感じています。今回の記事ではASDの視点から見た猫の良さを紹介します。

集団に馴染めなくて、なんのために生きているのか分からない。趣味や遊びにも興味がないから仕事にもやる気が出ない。そんなあなたが何か人生の虚無感に風穴を開けたいのであれば、取り敢えず猫を飼うことを一つの目標にしてみてはいかがでしょうか。

DISCLAIMER

  • 生き物を飼う場合は責任を持って飼うようにしましょう。また、この記事に影響を受けて猫を飼う場合であっても、筆者はその責任を負いかねます。

  • タイトルの「アスペルガー」は記事の趣旨から考えると「ASD」とすべきですが、単語の認知度の高さを鑑みてこのタイトルとしました。

猫から貰えるもの

規則正しい生活をおくること

猫は時間が分かっているようで、飼い始めると、同じ時間に起き、同じ時間の給餌を余儀なくされます。遅れると大きな鳴き声や噛みつきで猛烈に抗議されます。これはADHDを併発するあなたにとっては苦痛ながら良きタガとなってあなたの生活リズムを守ってくれるでしょう。また、ASDが強いあなたにとっては、その繰り返されるリズムがあなたの心に寛げる止まり木をもたらしてくれると思います。

理屈ベースの共感力

猫は言葉が喋れません。しかし、飼い主に対して要求があるときは大きな鳴き声でアピールしてきます。このことは猫の不満や要求を察する力を鍛えます。お腹が空いたのか、体調が悪いのか、トイレを片付けてほしいのか、窓を閉めてほしいのか。正解に当たるまで猫は鳴き止みません。
そして、そんな生活をするうちに、何を要求されているのかを考える癖が身につくかも知れません。いつしかあなたは周囲の人間があなたに対して求めていることが、以前よりも分かるようになっているでしょう。

深夜の孤独が薄れること

猫は夕方と明け方に活動が活発になる薄明薄暮性の動物ですが、深夜、あなたがトイレに立ったり、昼間の嫌なことを思い出して叫んでしまうとき、すぐに目覚めて駆けつけるでしょう。猫にとっては夜に眠れなくても昼に寝ているので何も問題はありません。それどころか、退屈な夜の時間、遊び相手が起きていることは猫にとって嬉しいことです。気が済むまで撫でてあげるといいでしょう。
そのうちに、あなたの心は少し穏やかになり、まどろみさえ訪れるかも知れません。

理不尽に怒られ理不尽に愛されること

猫は気まぐれな動物です。人間には理解できない感情システムで動いている場合もあるように見えます。猫は至って真剣なようですが……。
このことは、理不尽に猫に怒られる場合があることを意味しています。噛みつかれ、引っ掻かれ、威嚇されたりもします。しかし、そんなことばかりではありません。同様に、猫はあなたを理不尽に愛します。理不尽に頬を擦り寄せ、理不尽にあなたの口元を舐め、理不尽に喉を鳴らし、理不尽に一緒に寝ようとします。
理由の分からない怒りの存在は、あなたを人間の社会でこれまで絶望に追いやってきたものかも知れませんが、それは理由のない愛と表裏一体のものであるということに気付けるかも知れません。

あるがままに生きる幸せがあること

猫は気ままに寝て起きて遊んでご飯を食べて暮らしています。猫は単独行動をする動物で、孤独の感情はないようです。自分の本能に忠実で、マイペースで幸せそうにしている猫を見ているとき、あなたは「何者かである必要」から抜け出せていることでしょう。ただ暮らしていくだけの生活にも幸福は存在するのです。

猫が好きであるというコモンセンス、あるいはアイデンティティの獲得

あなたは猫と暮らすうちに、猫が好きになると思います(ここだけの話、好きだから猫を飼うのではなく、猫を飼うから好きになるのです)。そして、猫が好きな人間が自分の他にもたくさんいることに気がつくでしょう。そう、猫が好きであるというのは、コモンセンスなのです。
その時、あなたは言いようのない所属感を味わうかも知れません。あなたは今や自分のことを「居場所のないASD」ではなく、「猫が好きな人」と意味づけるようになるでしょう。

終わりに

この記事ではASD当事者である甲斐が猫のいる生活に感じた良さをまとめました。あなたの感じる猫の良さをコメントで教えていただけると甲斐が和みます。
今後も猫に関すること、発達障害に関すること、心理ハックに関する記事を投稿していく予定ですので、気に入りましたらフォローしていただけますと幸いです。

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