感謝しながら傷つく? 女芸人の壁を読んで感じたこと。
こんにちは、じゅくしんです。
今日は久しぶりにブックレビューでも。
最近読んでいてものすごく面白かったのがこちらの本です。
どういう内容かというと、女性芸人である山田邦子、清水ミチコ、中島知子、青木さやか、ホルスタイン・モリ夫、鳥居みゆき、日本エレキテル連合、Aマッソ・加納愛子、納言・薄幸さんらへのインタビューで構成されています。
社会の流れとともに、「ブスいじり」「独身いじり」「体型いじり」などの笑いに対して、世間は少しずつ拒否反応を示し始めているなか、そんな難しい時代において、女性芸人が今までどのような立ち位置で笑いに向き合ってきて、これからどのように自分の笑いを社会に合わせてシフトしていくかについて、ルッキズムやフェミニズムなども絡ませながらインタビューしていく内容でした。
ひと昔前のテレビの世界では、女性芸人に対するセクハラもパワハラも「お笑い」というかたちでテレビショーとして行われていて、私もそれをテレビで観てゲラゲラ笑っていた一人なので、そんなコンプラ無視のテレビ界で揉まれながら生きてきた女性芸人のインタビューはかなり興味深いです。
個人的に印象に残ったのは、女性芸人にわりと共通している要素がありまして、それこそベテランの山田邦子や清水ミチコも含めほぼ全員が、
「自己肯定感が低い人が多い」
という部分でした。
例えば、オセロの中島さんとか、青木さやかさんあたりは、元々芸人志望ではなくて、事務所に入ったら芸人ということになっていた…という流れが多いそうです。だから、ネタとかに自信があるわけでも、話芸に自信がある状態でもなく、長い下積みを経験するわけでもなく、デビューして2~3年くらいである日突然ポーンと売れてしまって、対して自分の実力に自信が持てないままテレビの世界に飛び込むので、忙しさや人気に対して、自分の実力がないことに苦しんでいたりするようでした。
あと、特に印象に残ったのが、容姿いじりについての部分。
青木さやかさんのインタビューでは、
また、エレキテル連合の中野さんも、
というような内容を語ってました。
「ブス」「デブ」「非モテ」をいじられることで強烈なインパクトを残すのはある意味簡単で、そこを武器にしていた女芸人の立場は社会の流れと共に難しくなっています。
その武器が使えなくなることが必ずしも女芸人の方たちにとって良いことだとは思いませんが、一人の視聴者として、やっぱり、そういうネガティブな要素をいじられて笑いを取るのは、個人的にはもう見なくていいかなーと思います。
今後の女芸人の在り方が変化していく時なのかもしれません。そんなことを感じました。
ぜひ読んでみてください!
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