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お気に入りのフルートCD②

前回の記事で中学~高校時代のフルートの思い出のCDについて紹介しましたが、この記事では大学時代によくお気に入りで聴いていたCDについて紹介したいと思います。

1枚目

巨匠 ランパル氏の
テレマン/無伴奏フルートのための12の幻想曲

高校~大学にかけて師事したフルートの先生たちは現役のオーケストラプレイヤーの方々で、その音といえば倍音豊かで深みのある密度の濃い音だった。自分もそんな音を出したくて、音作りに毎日励んでいた。

そんな時に出会ったのがこのCD。
おそらくテレマンの作品を勉強したときに、装飾音符をどう付け足すといいのか、アーティキュレーションをどう加えたらいいのかよく分からず、参考にいろんな奏者のCDを集めていたのだと思う。

このCDを聴いて、テレマンの1番の冒頭で衝撃を受けた。なんと軽やかで輝かしく、歯切れの良い音なんだろうと✨
一瞬でその音に惹き込まれて、これまで深みのある音を目指してきていたのに、それとはまた違った魅力的な音に出会い混乱した。
自分の目指すべき音ってどんな音なんだろうかと。

後に色々と調べていてわかったことがある。
ランパル氏が使っているヘインズの楽器の秘密が書かれた記事があった。


YAMAHAから出ていた記事で、その中の一文にこんなことが書かれていた。

「氏が愛用したもう1本のヘインズの14金は、そのロットを参考にしてヘインズに作らせたものです。通常のヘインズの金は440.450グラムですが、400グラムしかなく、非常に軽い。」

現代のフルートはおおよそ14金のフルートの重さは約500グラム、ちなみに総銀製は約440グラムと言われている。
それと比べると同じ14金にも関わらず、100グラムも軽いことになる。ましてや、総銀製の楽器よりも軽かったということに驚いた。

あの軽やかな音は単に足部管がC足だからというだけでなく、楽器そのものが非常に軽いことも関係しているのかなと思った。

現代では重い楽器が増えてきたイメージだったが、最近になってパウエル社からエレガントモデル、ルネサンスモデルと軽量化された楽器が発表され新しい流れが出てきたのを感じた。

ヴァイオリンやギターは名器と呼ばれるものほど軽いと。ではフルートは楽器が重いほど重厚な音が出るのかと、その固定観念に疑問を投げかける動きが出てきた。

このランパル氏の演奏を聴くことで、良い楽器とはどういうものか考える機会となった。


続いて2枚目

大学3、4年の時にオーケストラスタディの授業でお世話になった寺本義明先生のCD。

牧神から吹いた風
~ドビュッシーからブーレーズへ~

初めて先生の演奏を聴いたのは、高校3年生のとき。神戸国際フルートコンクールの本選を聴きに行った時に、オーケストラの中で演奏されていた。
課題曲はモーツァルトのフルート協奏曲G-durとD-durで、G-durの方にオーケストラのフルートパートがあった。

G-durの方を選択したのは、デニス・ブリアコフとメーガン・エミで、自分はそのときソロを演奏している2人よりも後ろから聴こえてくるフルートの音色に惹かれていた。

国際コンクールのファイナリストに残るフルート奏者よりも魅力的な音を出す日本人とは一体誰なんだろうと聴いている時はオーケストラの出演者は分からなかったので、後日雑誌だかコンクール風景の写真で知ることになる。

それからレナード・バーンスタインの「ハリル」や都響の公演にたびたび足を運ぶことになる。
CDの中でも感じる先生の役者のような圧倒的な表現力と豊かで深みのある音は何度も聴いてしまう。
演奏を聴いていると、オーケストラスタディのレッスンを思い出し、音楽を演奏する上で大切なことは何か、改めてやるべきこと取り組むべきことを思い出す。もっともっと勉強し続けて、高みを目指したい。

中学~高校~大学時代を振り返り、お気に入りのCDを紹介して、その当時のことを思い出し、モチベーションが上がったので、練習したいと思います (笑)

引用:https://jp.yamaha.com/products/contents/winds/artist_meets_yamaha_artisan/02/index.html

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