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ゲーム感想『Viewfinder』

概要

『Viewfinder』
ジャンル:3Dパズルゲーム

Steam版(PC)でプレイ
PS版もあり

総プレイ時間は7時間ほど(エンディングクレジットまで、実績解除含まず)

1行でまとめると
パズルはよかった。ストーリーはいらない(猫はいてもよい)

感想

ゲーム内容としてはカメラを使って空間を”コピー”して、別の空間に”上書き”することで道を切り開きゴールを目指す、ステージクリア型のパズル。なんのこっちゃとなるのでトレイラーを見るとわかる。

パズルのメカニクスとして斬新で「すげ~!」「どうやって作ってるんだ!?」と予告編が出た時点で大バズりしていた。いざ発売されてみると思ってたよりかは話題になっていなかった。SNSを使ったプロモはこういうとこ制御不能でむつかしいね。

ギミックは「写真」「カメラ」だけでなく、写真をコピー機で増やしたり、錯視や色を使ったその他のギミックも組み合わせながら多彩で自由度の高いパズルが楽しめる。1ステージはそれほど長くなく、1つの閃きで突破できたりする。全体的にレベルデザインは秀逸で、手応えと爽快感のバランスはいい感じだった(これは個人差あると思う)

パズルゲームの根幹をなす『メカニクス』の部分は本当によくできており、「写真で空間を上書きする」という優れたアイディアを破綻させることなく実装している。これだけでハワイにご招待ものの偉業である。褒め称えよう!

逆にパズル意外の要素『テーマ』に関してはよくわからない。パズル部分の邪魔にはなっていないものの、特にシナジーを生んでいるような感じはなかった。猫はかわいいが特にヒントを教えてはくれない(撫でるととてもかわいい)。所々にオーディオログが散りばめられていて世界の成り立ちについて語り、ゲームを進めるごとにプレイヤーの目的が次第に明らかになる……
これいる??

パズルを解きにきたのであって、世界を救いに来たわけじゃない

優れたパズルは存在しているだけでプレイヤーを先へ先へと進める駆動力になりうる。プレイヤーは世界の謎を解き明かしたり、世界を救うためにこのゲームに降り立ったわけじゃない、俺たちはパズルをやりに来たんだよ!!

本ゲームは『The Witness』の悪しき影響がそこかしこに見られる。とは言えThe Witnessほど邪悪な要素はない。オーディオログはレコードプレイヤーの形をしておりクソデカいので見落としようがないし、意図的に視界を歪めてプレイヤーの眼球を破壊したりはしない。

ゲームを構成する「メカニクス」と「テーマ」において、本作は「メカニクス」の部分で耳目を集め、実際に成功した。逆に「テーマ」においては凡庸で、パズルの面白さを増幅することはかなわなかった。制作におけるリソースが「テーマ」や「ストーリー」に多く割かれていたとしたらちょっと残念である。もっとステージやギミックを増やしてくれた方がよかった。

ラストステージで急に時間制限を導入してきたあたりはかなりの減点要素。じっくり自分のペースで遊んできたプレイヤーに対して急に氷水の入ったバケツをぶちまけるような裏切り行為だ。絶対に許さん。
あまつさえ何回か失敗すると「時間制限なしにするかい……??」と聞いてくる!だったら最初からやるなよ!!

いろいろ書いたけどパズルゲームとしての出来には満足。他では得難いゲーム体験は間違いなく得られます。


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