スキを公言することは他者のためになるかもしれない。

わたしはこれといって趣味がない。のめり込むものも推しのキャラもいない。その興味関心の薄さが私のコミュニケーション能力の乏しさに結びついて惨憺たる結果を生み出した事例がこの記事だ。

自分の好きなものはなにか、と問うと、困ってしまうほどにない。
車は走ればいいと思っているし、文房具は用を足せればいいし、洋服は窮屈じゃなければいいし、食事は食べられれば別になんでも構わない。
わたしはこのやり方で30数年生きてきたし、別に不都合はない。つもりだった。

どうやら、周囲には若干迷惑をかけてきたようだ。迷惑というほどでもないが、悩ませる人物であったのはまず間違いない。
どこで悩ませているか。それは、旅先である。

おみやげ、何買えばいいですか？

ですよねー！悩みますよね！
これが好き！こういうのが趣味！っていってくれれば、それっぽいもの選べるじゃないですか。
同じ会社に在籍しているだけなら、バラマキようの適当なお菓子でいいですけど、同じ部署でそこそこしっかり一緒に働いていますくらいの距離感で、個包装のお菓子一個だと忍びない、という優しい方を悩ませていたようです。

たしかに、○○が好き、と公言している人へおみやげを買うのは困らないですよね。しかもお土産選びって、意外と時間かかりますからね。重たいし。ここを条件反射的に選べるのであれば、旅行の時間や体力も削ることがありませんので、結果的に相手への配慮になりますね。

たとえば、スタバのご当地マグカップが好き、という仲良し同僚には、ご当地マグ一択です。
あるいは、とにかく猫がすき、という先輩には、なんか適当にネコのお菓子でも買えば笑顔が溢れます。
カエルが好き、という同僚がいて、お土産コーナーでは必ずカエルグッズを探していた時期もありました。
ご当地キティちゃんなんかもその地に行かないと手に入らないですから、好きな人にはうれしいものですよね。

正直、現地のお菓子なんてAmazonや楽天で買えますからね。
なんだったら、出発前にあらかじめネット注文する人や、カタログ注文をあっせんする旅行業者もたくさんいますからね。
そう考えると、その場でないと手に入らないものはほとんどないのでしょうが、旅行先で一瞬わたしのことを考えてくださる稀有な存在の方にそれ以上の負担をかけるのは人でなしのすることです。そうです、わたしです。

そこで、これからは私はピンバッヂとポストカードを集めることにしました！半ば無理やり感がありますし、「集めることにしました！」と宣言するのがそもそもおかしな話ですが笑

これにはちょっと理由がありまして。
ピンバッジは学校内を持ち歩く無印のジュートバッグにつけるんです。他の先生もつけてますから、自分のだってわかる目印にピンバッジがちょうどいいかな、と思ったんです。

バッヂ？バッジ？どっち？

ポストカードは、いろいろなはがきがあれば、それをラミネートして、なんか教材に使えるものもあるかなーとゲスな下心があるんです。

・・・書いていて自分の心の矮小さや興味関心の感度の狭さが浮き出て涙しそうです。

ですが、この矮小さを乗り越えた先に、他者の旅行時間の有効活用が待っていると思えば、私のこころの傷なんてかすり傷にもなりません！
いいんです。形から入ればもしかしたら数年後には本当に好きになっているかもしれないんだから！

ということで、無趣味改め、ポストカードとピンバッジ収集を趣味とします！！（たぶん！！）