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わたしの働き方11 理屈と感情

本当は【理論と感情】としたいところだが、生憎、学級経営にしても進路指導にしても理論らしいものを学んできていない。
そんな中でも私が活かせるのは、【理屈】だ。
データや根拠などを参照しつつ、生徒が納得いかなくても私の思考過程は理解できる、そんな指導を心掛けている。
【屁理屈】にならないように注意する必要はある。

でも理屈だけだと味気ない。
というか生徒はついてくる・従うのがせいぜいで、彼ら自身の学習活動や学校生活というレベルには至らない。
そこで私は【感情】を使う。厳密には彼らの感情を揺さぶったり、彼らの感情を勘定にいれようとする。

たとえば進路面談を想像してみます。
ここでの【理屈】は模試や定期考査の成績だったり、合格者の点数との差があります。あるいは当該生徒の得意不得意科目と志望校の配点なども考えられます。
理屈しか使わないと、「ちょっと厳しいよなー」という状況であれば、「ちょっと厳しいよなー」と伝えます。

感情を用いると、生徒によって声掛けは異なります。
どうしてもその大学で学びたいものがある生徒の場合、浪人や他大学での同等の研究や経験の可能性を十分提示したうえで「やるだけやってみるか」と声掛けします。
割とミーハーな気持ちというか、そこまで…という生徒の場合、浪人や他大学での同等の研究や経験の可能性を十分提示したうえで「○○大学もよさそうだよね」と声掛けします。

書いていて、自分でもなんだか差別っぽいな、と不安になってきましたが、たぶん大丈夫なはず。

実はここには生徒の声が省略されています。生徒との面談を通して、彼らの気持ちを聞き取ろうとしています。そして、面談では極力彼らの希望を後押しする、選択肢を提示しつつ自信を持たせるという形を作りたいと考えています。

「理屈でいうと他大学を目指した方が合格しそうだけど、こだわりたい」
→「こだわろうよ。そのために必要な学習は○○だよね」
感情に基づいて、理屈でやるべきことを提示しようとする。

「理屈でいうと他大学を目指した方が合格しそうだけど、ここまで頑張ってきたしな・・・」
→「こだわるポイントはどこだろう?過去?未来?志望校を変更したって過去の努力は無駄にならないよ。例えば○○大学だと、去年の合格者との差は少ないし、やりたい学部もあるよ。受験科目も変わらないし。ここ調べたことある?」
→感情に固執して選べない状態なので、まずはその感情を肯定する。そのうえで理屈で感情をサポートする。

理屈だけの指導より時間はかかるし、やはり生徒によって対応が異なるのは好ましくない、と感じる人もいるかもしれません。
私の表現力の拙さからうまいこと伝えられていない感じもあります。
でも、こういう指導で割と多くの生徒が自分から進路を選び(合否は別として)結果にもある程度満足して卒業していく姿を見ています。

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