わたしの働き方3 補習より面談
単語テストや文法テストを経験したことのない人は稀有な存在ではないでしょうか?
かくいう私も、高1~2年生を担当すると、まず間違いなく小テストを実施します。ここ数年は、ほぼ毎週単語テストを実施していました。
生徒全員が前向きに取り組み、高得点をとってくれれば言うことなしですが、そんなことは夢物語。うまくやれない・やらない生徒は必ずいるでしょう。
毎週不合格の生徒がいたらどうしますか?
合格点の設定がない場合も、明らかに勉強していない生徒への対応は?
頑張っている(本人談)のに、結果に結びつかない生徒は?
手っ取り早いのは追試や補習の実施でしょう。
私も単語テストは毎週追試をしていました。
ただし、追試をしても不合格続きの生徒もいます。
最終的にカンニングをしたり、勘で答えて奇跡的に合格、みたいな突破策(?)を考え実行する生徒も出かねません。
それは生徒にとってもネガティブな経験だし、
教師としても有意義な時間とは言えません。
そこで私は、追試でも合格できない生徒や、明らかに点数が悪い生徒(平均9割のテストで5割の得点率など)には、その場で声を掛けます。
「今回どうだった?あちゃー、またダメだったかー。」
「うす」
「実際どうなん?勉強やってる?」
「まあ。でも覚えらんないんすよ」
「最初はなかなかね。ちなみにどうやって覚えてるの?」
「赤シートで隠して、って感じっす」
「ふむふむ。発音聞いたり、言ったりしてる?」
「いや、見てるだけっすね」
「そっかそっか。その勉強って、確認ではいいかもだけど、最初の暗記ってとこだとちょっと微妙なんだよね。」
「発音すればいいんすか?」
「うん。でも、リスニングとか速読とか考えると、正しい発音でね。そのためにほら、このQRコードで音声聞けるじゃん?」
「あー、そうなんすか?」
「そーなんすよ。ちょっと、今やってみ。1分くらいで終わるから」
「うす・・・こうっすか?」
「そうそう。どう?この音声、結構早くない?」
「うーん、でも聞こえますね。」
「お、いいね。このスピードで聞いて、発音できると、単語テストも時間内に終わるし、一回の勉強時間も短いんだよ。あ、ほら、もうこのページ終わり。」
「あ、そうっすね。」
「で、範囲はこれがあと4回じゃん?てことは、5分あれば、1周はできるんだよね。」
「でも1回じゃ覚えらんなくないすか?」
「そう!わかってんじゃん!だから繰り返すんだよね。前日やテスト直前に1回見てもそりゃ合格しないさ。でも、今日これで勉強方法わかったからさ、来週は今回よりはいい点数とれそうじゃない?」
「んー、まあ」
「ま、いきなり合格ってほど甘くはないけど、とりあえずやるだけやって、惜しい不合格を目指そうよ。」
ここまで思惑通りに話は進みませんが、この程度の話は5分もあればできます。
生徒は学習方法がわかります。
教師は次回への橋渡しができます。
やってこい!頑張れ!の声掛けや、
やらされ感たっぷりの補習より、
自学を促すことができそうです。
学力向上には自学が必要不可欠です。
形式ばった長時間の面談ではなく、カジュアルな短時間の面談で学習に問題を抱える生徒の負担を少し減らしてあげられるかもしれません。
NG:とりあえず追試&補習
Better:軽い面談で勉強方法のアドバイスを
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