大学生M-1グランプリ2024を振り返る
2024年1月14日(日)、早稲田大学にて大学生のお笑い日本一を決める「大学生M-1グランプリ」が開催されました。20年目となる今年は過去最高の413組がエントリー。本家にも勝らぬ盛り上がりを見せております。
過去にはミルクボーイや令和ロマンが出場しており、現在活躍するお笑いコンビを輩出している大会でもあります。
決勝では、6組の中から、審査員の得点が高かった上位2組の中から、日本一を決めるという、M-1と同じシステムです。
ここでは、備忘録的に今年の大学生M-1グランプリを振り返っていきたいと思います。
審査員
前田政二氏(放送作家、本家M-1の放送作家も担当)
小谷野俊哉氏(日刊スポーツ記者)
ラリー遠田氏(お笑い評論家)
原木綿子氏(プロデューサー、本家M-1の審査員も担当)
の4人が本家同様に1人100点を持ち点とし、計400点を満点するシステム。
MC
野田心優さん(早稲田大放送研究会アナウンス部2年)
司会の回しが本家と同じぐらいにうまいなぁと思っていたら、既にセントフォースに所属されておりました(笑)。TBSの田村真子アナウンサーに似てるなぁと感じておりました。
決勝に出場したコンビ
①高速ぷりん
1組目は、敗者復活戦から視聴者投票で復活した「高速ぷりん」。
北海道落語研究会のれいたぴ。(ツッコミ/北海道大大学院1年)、つるまるゆうと(ボケ/北海学園大4年)の2人。
「洗濯物を干してから、洗濯機を回す」といった日常の行動を逆にした例えで、会場の笑いを誘う。あと、消費税など時事問題の取り入れ方も上手いと感じました。
このシステムは、いろいろ応用できそうなので、今後のコンビの活躍に期待したいです。
1組目からハイレベルな漫才で、審査員の得点(364点、原:94点、小谷野:94点、ラリー:90点、前田:83点)も高いものとなりました。
(前田氏の83点はこの点数を基準としていきたいと話されていました)。
②グラマラスグランマ
2組目は、一橋大と慶応義塾大の高学歴の2人がタッグを組んだ「グラマラスグランマ」で、一橋大学お笑いサークル IOKの山本雅久(3年)、慶應義塾大学お笑い道場 o-keisの鈴木喬士(3年)の2人。
聞きやすいテンポで、「いままで秘密にしてたんやけど、、実は●●で」のスタイルで、漫才するスタイル。つかみの話が、あの芸能人の逸話というところのセンスも良いと思いました。
山本は、夜勤明けのバイトでこの大会に臨んだ。得点が出て「緊張の糸が切れました」と話していました。漫才後のトーク部分も高校時代の部活を交えて、笑いを取ったりしていて、平場でのトーク力が高そうな印象がありました。
審査員の得点(353点、原:92点、小谷野:89点、ラリー:86点、前田:86点)
③パスタ扇風機
3組目は、同志社大学喜劇研究会の「パスタ扇風機」。竹田彩乃(ボケ/3年)、橘周生(ツッコミ/3年)。竹田の昭和のバブル期を思わせる派手な黄色の洋服で強いインパクトがありましたが、それに負けないぐらいのお互いの個性があり、好きな漫才でした。こてこての関西弁で、会場に笑いを起こしてくれました。
元々は、お互いピン芸人として活動していたという。トーク部分では「この1本で2年ぐらいやっていて、もし決勝に進んだら新ネタで挑みたい」と話していたのが印象的でした。
審査員の得点(364点、原:91点、小谷野:93点、ラリー:92点、前田:88点)。ラリーさんは「派手な衣装で、ハードルを上げておいて、ちゃんと期待を裏切らない。普通の人が見ていて笑えるような漫才だったと思います」と話されていました。
④天下茶屋
4組目は、予選1位で通過した関⻄大学お笑いサークル関大ストラットの「天下茶屋」。野村敬介(ボケ/3年)、小松立希(ツッコミ/3年)。
名探偵コナンを題材したコントで、コナンの特徴を短い間にこんなに詰め込んで畳みかける実力がすごかったです。終わり間際に、コナンであるCM前の扉の閉まる演出を再現していたのは、すごく好きで、個人的には一番面白いコンビでした。
いずれプロの芸人として、活躍しそうな勢いを感じました。
審査員の得点(364点、原:92点、小谷野:90点、ラリー:94点、前田:88点)。
⑤ノコノコみさき
5組目は、日本大学経商法落語研究会の「ノコノコみさき」。桂木力登(ボケ/3年)、千明大河(ツッコミ/3年)。2年連続予選敗退で、3年目にして初の決勝進出という。
結婚式を題材にしたコントで、桂木の容姿を十分に生かしたボケで多くの笑いが起きていました。
トーク部分では、桂木がホームステイに行ったときに現地の人に「thirty-two?」と尋ねられたエピソードを披露していました。
審査員の得点(364点、原:91点、小谷野:93点、ラリー:95点、前田:85点)。3組が364点とハイレベルな戦いで、予選の順位で1~3位が決まると、会場内もざわざわとしておりました(笑)。
⑥ナユタ
6組目は、東大生と早大生のこれまた高学歴コンビ「ナユタ」。早稲田大学お笑い工房 LUDOに所属し、オノハラ(ボケ/東大3年)、ホリコシ(ツッコミ/早稲田大3年)の2人。M-1でも準々決勝に進んだ実力者。
2人の日常の会話から、言葉のセンスが高く、ずっと聞いていたくなる癖になるような漫才が繰り広げられる。M-1優勝者「令和ロマン」に通じる”賢さ”を言葉のセンスから感じました。
いまでも抜きんでた実力者であることは間違いなく、M-1の決勝にいずれ出てくるのではないかと思います。
審査員の得点(373点、原:94点、小谷野:92点、ラリー:97点、前田:90点)で、トップで決勝進出となりました。
最終決戦(天下茶屋×ナユタ)
関西 VS 関東 のコンビ対決となった決勝戦は、審査員票4票に会場票(googleフォーム投票)を加えた計5票で、勝敗を決める方式でした。
最初に天下茶屋、ナユタの順番で、それぞれ披露しました。
最終決戦の審査の結果は……
個人的には、2本目でアメコミのネタでいった天下茶屋が勢いがあって好きでしたが、アウェイということもあって、会場票はナユタに軍配があがっていました。
大学生M-1グランプリを見たい方へ
大学生M-1グランプリはユーチューブで配信されていますので、ぜひご覧ください。