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デリゲーションポーカーが権限の曖昧さを壊して行動力を生み出した

こんにちは、スタートアップでマネージャーをしてます、おーのAです。
少し前になるのですが、2023年5月にマネジメント3.0のツールであるデリゲーションポーカーを実施しました。その後、権限委譲したBさんの行動力が超自律的に変化していった様子を見てきました。この体験について、まとめていきたいと思います。

デリゲーションポーカーとは?

マネジメント3.0のプラクティスで権限委譲の状態を明らかにしたり、期待値合わせをするためのプラクティスです。下記の記事を参照ください

元はマネージング・フォー・ハピネスで紹介されています。

背景:Bさんとの関係

スクラムチームにPОとしてジョインしてもらうまで

Bさんはもともと営業チームの一員で昨年の初め頃から実証実験で先方との調整役などをしてくれていました。
その後、私はスクラムを始めたのですが、私は当初プロダクトオーナー兼任でスクラムマスターを担当していました。数ヶ月経った頃に私が別のチームのサポートに入り始めた頃、私が忙しくなりました。そもそもプロダクトオーナーという役割をマネージャーの私が担うことで、彼らのWHATとHOWに責任を負う事自体もあまり健全ではありませんでした。
そこで、業務を誰かに渡していかなければならない、という1つの選択肢として、「BさんにPOをお願いする」という考えが浮かびました。
その後、Bさんに相談したところ、彼から「ぜひやりたい」との快諾を頂き、チームにジョインしてもらう運びとなりました。これが2022年の9月頃のことでした。

PОになってからの伴走

もちろん彼もPOは初めての挑戦。突然何かをすぐにできるようになるわけではありません。初期はバックログも私が管理し、彼にはサポートに入ってもらうような体制でした。ある時からバックログの管理も含めて委譲していき、半年経過した頃にはBさんに完全に管理をお願いした状態になりました。しかし、週次で2人でバックログのリファインメントを実施するということを継続していました。
チームの方向性を決定するマネージャーの立場の私が優先順位の最終決定をする状態でした。BさんはWHATの項目の作成係、私が優先順位の決定係、といった役割分担が曖昧な形でできあがっていました。

なかなか進まない優先順位の権限委譲

この状況のまま、数ヶ月過ごしていたのですが、
おもったようにこの関係性が進展のない状況が続いていました。全て任せたい私はなかなか自律的に動いてもらえない状況を何とか打破しようと、「Bさんの方で決めてくださいー」と半分投げやりにお願いするものの、Bさんはご自身の思い通りに動けていない様子でした。

デリゲーションポーカーやってみようぜ!

そこで、デリゲーションポーカーを実施してみませんか?とBさんに相談し、
下記のmiroのテンプレートを使用してデリゲーションポーカーを実施しました。

やってみた感想

実際作成したmiroボード

項目数は10件もありませんでしたが、2時間程度じっくり話をしました。お互いの認識のズレと期待値合わせをでき、かなり良い時間となりました。ちなみに、画像の左はmiroのテンプレートですが、右は自作しました。

デリゲーションポーカーを実施した後のBさんの行動力

バックログの優先順位付けまでをBさんが1人でできるように変化

デリゲーションポーカーを実施した後、Bさんの行動が変わって行きました。当初はバックログの優先順位付けなど、チーム内に関連する業務でした。前述の通り、以前は私が優先順位付けをしているような状況でした。
現在では、バックログの優先順位や項目の追加に関する相談は主に開発チームと実施してくれるようになっています。また、2人で実施しているリファインメントは2週に1回になり、30分かからずに終了することも多くなりました。

チーム外へのアクションが増えた

以前はチーム外との相談など、私が「YYの件、XXさんに相談してください」と声かけしていました。今ではご自身の判断で行動するようになり、私の判断を介入させることがなくなりました。

社外のお客様へのヒアリングまで!

お客様へのヒアリングに関しては、デリゲーションポーカーを実施する前までは実施もしていなかったことでした。念のため補足すると、研究開発のチームであり、開発フェーズがヒアリングが必要ではなかったという話はあります。
社外のお客様へヒアリングしましょう、と私が勧めたことは一度もなく、Bさん自身の自発的な活動として社外のお客様へのヒアリングに向かうという素晴らしい行動力で活動しています。

まとめ:Bさんの行動力が結果としてスクラムチームを加速

スクラムチームとしてのスピードが加速しています。

また、以前よりも自己組織化が進んでいると言う実感があります。それまでマネージャーである私のサポートが結果的に介入しているような状態だったのかと思います。

デリゲーションポーカー、おすすめです!!!

最後までお読みいただきありがとうございました。


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