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Joy, Inc.と社内Podcast配信で「楽しい」を完全に理解した

私が追求したいことは、チームが「楽しい」と感じてもらえること。
そして、私は最近「楽しい」のために必要なことを知った。
当たり前のことに気づいただけかもしれない話だけど、私自身がこの思いを忘れないために、この話を書きたい。

楽しい仕事の原体験

2016年頃、JTCに勤めていた頃、私の原点となるものに出会った。
スクラム開発だ。エンジニアとして当時の年齢にしては未熟だった私は、スクラム開発を通じて、周囲からスキルを吸収し、日々学ぶことばかり。大変なことがあったとしても、全てが成長につながって、楽しくて仕方がなかったのだ。チームはやりたい放題、とにかく好き勝手に仕事してた。誰からも制約を受けず、全てが自由だった。会社から与えられた通常の業務スペースにいる時間はほぼ0。ワンフロアの半分を有する広大なスペースの実験室にこもりきり。最高に充実していて、最高に楽しい日々だった。

実際の写真じゃないけど、こんな感じの部屋

私が求めた「楽しい」はこれじゃない

2022年、現職でスクラム開発を始めた時、メンバーにこう伝えた。
「スクラム開発は楽しい」
当時の私は、スクラム開発をすれば「楽しい」を当たり前に得られると思っていた。確かに、それ以前に個人商店で作業していた頃とは明確に異なる、チームとして働く楽しさが広がり、新しい風が社内に流れた。それは間違いなかった。でも何かが違っていた。
「私が求めた『楽しい』はこれじゃない。」
そう明確に感じていたのだ。チームに「楽しい」を伝えたい、そう思って始めたスクラム開発は、明らかに私が知っているスクラム開発とは異なるものだったのだ。
しかし、私は1年間この正体が分からず、ずっと見て見ぬフリをしてきた。あまりにも正体が分からないために、恐怖に目をふさいでていたのだろう。

マネージャとして楽しくない日々

このところ、楽しくない日々が続いていた。何かに追われるように仕事をし、気づけば一日が終わる。自分の仕事が何のためになっているか分からない。だけど、やらなきゃいけない。だから仕事をする。そんな日々が1ヶ月ほど続いた。
「楽しい」なんて追い求めようとすらしていなかったかもしれない。だってやらなきゃいけないから。
でも、本当にこれで良いのだろうか。自分が楽しまないでメンバーを楽しませたいなんて、自己犠牲に見返りを求めてるんじゃないだろうか。

最近の私

クリエーションライン安田さんの講演とJoy,Inc.との出会い

そんな折、「人にやさしいマネジメントフェスタ#01」に参加した。そこでクリエーションライン株式会社の安田さんの講演を聞いた。
「あなたは 喜びに満ちた職場で働きたいですか?」
そう、問われた。1年間私の求めた「楽しい」にたどり着けない見えない恐怖から逃げていた私には電撃が走るような、そんな感覚に陥った。
そして安田さんはその講演の中でこうも言った。
「リーダーには笑いものにされる覚悟が必要」
私は自分が楽しんでいない。そう、私にはまだ覚悟が足りていなかったんだ。

あの頃の私はメンローニアンだった!

その後、Joy,Inc.をポチリ。すぐに読み始めた。
そして、それはすぐにはっきりした。私がなぜJTCでスクラム開発をして働いていたあの頃、私が楽しかったのか。自分たちの振る舞いはまさにメンローニアンであり、我々はまさにJoy,Inc.の社員そのものだったのだ。そう、私は喜びの満ちた組織で仕事をしていたのだ。

社内Podcast配信で得た「楽しさ」とそのパワー

そんな折、少し前から計画していた社内Podcastの収録があった。その日、私は収録後、すぐに編集に望んだ。その日の私はワクワクが止まらなかった。ただただ楽しかった。そして、その勢いのままに、下書きで放置していたnoteを2本書き上げた。その日はあっという間に時間が過ぎた。Podcast収録・編集で得られた「楽しさ」がそのまま他のこともやり切るほど大きなパワーになったのだ。
これだ。この楽しさが私が求めていた楽しさなんだよ。

本当の内発的動機付けによって起こされた行動

「人にやさしいマネジメントフェスタ#01」でウィングアーク1stの山﨑さんがお話ししていましたが、自己決定の6段階によれば、内発的動機付けは「楽しいから」「興味があるから」「好きだから」という本当に根底にある感情から動機づけされた行動だけ。「自分にとって必要だから」とか「やりたいと思うから」などは外発的動機づけに分類される。
私のPodcast配信はシンプルな「興味」から生まれたもので、明らかに「内発的動機付けによって起こされた行動」だった。

「楽しさ」の正体は「自らの欲求による行動」の対価

そして、今、私は「楽しさ」の正体を知った。誰に縛られることもなく、自らの欲求からのみで選択した行動。そこにしか与えられないものが「楽しさ」なんだ。社内Podcast配信は、誰の提案でもなく、私自身が決めて、私が勝手に始めたもの。そして、そこには報酬も何もない。だけど、そこには大きな「楽しさ」「喜び」があり、他の行動を加速するほどの強いパワーが確かにあった。

チームが本当の「楽しい」を感じられる環境を提供していきたい

今まで私は「楽しい」を言語化して説明できなかった。しかし「楽しい」を知った今、チームが「自らの欲求による行動」を起こせるように、エンジニアリングマネージャとして、チームに環境を提供していかなければいけない。今までのチームには外発的な動機付けで行動させてしまっていたんだろう。それには色々な要因があるだろう。変えていけるとしても、少しずつかもしれない。変えていけないこともあるかもしれない。でも、「楽しい」が分かったから、それを追求していきたい。

険しい道のりが待っているだろう。
でも、その先に見えるのは間違いなく、素晴らしい組織文化だ。

そこにたどり着くまで、私は笑いものになったっていい。自らが「楽しい」を追い求めて行くことで、みんなが「楽しい」と感じられる組織文化を作っていきたい。

参考資料

社内Podcast配信に関する私のnote

人やさフェスタではないのですが、クリエーションラインの安田さんの別の発表資料があったので、貼っておきます

自己決定の6段階を説明した記事


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