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神さまのせい

日出ずる国、にっぽん
はるか昔、この世はどろどろとし
形があるようでないような世界だった頃

二柱の男神と女神が現れました
男神と女神は力を合わせ
大きな矛をそのどろどろとした世界に刺し
ゴロゴロと回しはじめました

イザナギさんとイザナミさん


すると、どうしたことでしょう
淡路島が出来上がったのです

それでもなお、男神と女神は
ゴロゴロゴロゴロ続けました

その度に本州だとか九州だとか
島が次から次へと作り出されたのでした

がしかし、北海道ができる前に
飽きてしまいました

淡路島に降り立った男神と女神は
やることがないので
ちちくりあいました

ちちくりあって、ちちくりあって
お互い初めのことだったので
手探りでちちくりあったのです

想定外だったのは
女神が相当エロかったということです
男神よりも先にちちくりあってきたため
目も耳も口もないヒルのような
赤ん坊が生まれてしまいました

男神と女神は問いました
男から先にちちくりあうべきだ
と、宇宙の神さまフォトンが言うのです

これが日本初の男尊女卑となりました

その子は、ヒルのような子だったので
ヒルコと名付けました

ただのぶよった玉


名付けたまではいいけれど
やはり目も鼻も耳もない我が子を
冷静になって見てみたら
やっぱり気持ち悪くって

男神と女神は、あろうことか
葦をあんで作った船にその子を乗せて
遠くへ流してしまったのです

さようなら

ヒルコを乗せた葦の船は
思いのほか早く
向かいにあった神戸の浜に漂着しました
何だかわからないヒルみたいなものが
見つかったと村のものたちが騒ぎました

生温かく、ぷにぷにしている
がしかし、生命とは言い難い

見たことのない謎の物体を
村人たちは1400年ほど眺め
海の神様えびす神だとこじつけて
その日を境に大切に崇め祀ったのでした

その場所はのちに
福男で有名な神戸の西宮神社になるのです

ヒルコの神がお坐すため
早くから国際貿易都市へと発展したそうな

走れ走れ
ヒルコが走れなかった分
走るんだ
何だか、悲しい話ですね


日本には、八百万の神々がいて
それぞれにユニークなエピソードがあります
ヒルコの神については
イザナギとイザナミの
初めての人型の子であるにも関わらず
葦の船で流してしまう
という行為に少々無理を感じますが
(それでも二柱の神は大切に育てました
の方が株が上がるはずですよね)

イザナギとイザナミは
誘(いざな)う若い男女という意味ですから
まだ脳みその発達が未熟で
倫理観に欠けていたのかもしれない

とも、理解することができます

ギリシア神話にも倫理観に欠けた
面白いエピソードがありました

太陽神アポロとヒュアキントスは
男同士で愛し合ってました
西風の神ゼピュロスもまた
ヒュアキントスを愛してましたが
ヒュアキントスに拒まれてしまったのです

まるで、おっさんずラブの世界

アポロとヒュアキントスが
フリスビーで遊んでいた時
フリスビーが円を描いて戻ってくる途中
妬みに駆られた西風の神ゼピュロスが
息をフーッと吐いたのです

西風の神 ゼピュロス

さすが風の神さまです

そのひと吹きで、フリスビーの流れは変わり
ヒュアキントスの脳天に突き刺さり
死んでしまいました

ヒュアキントスの足もとに
ちゃんとフリスビーがあるのが
ウケる
アレが当たって、ソコに落ちたというワケか


アポロはヒュアキントスの亡骸を抱え
悲しみに暮れるのでした

そのヒュアキントスの亡骸は
ヒヤシンスとなり
可憐な花をつけました

なので、ヒヤシンスの花言葉は
悲しみ、と言われているのです

神話が先か、それとも
ヒヤシンスの花言葉を悲しみにするために
作り上げたのが神話だったのか
その辺はよく分かりませんが

ゼピュロスの嘆き、妬み嫉み
ヒルコの嘆き、悲しみ

葦の船で生まれたばかりの
我が子を流してしまったり
風向きを変えて愛する者の命を奪ったり

公の場であるのにも関わらず
神さまはしばしば倫理に欠ける
行動を起こします

このことからも
各地の禍々しいニュースを眺めていると
そんな神々が我々人間を
作り出したのですから
我々だって同じことを
繰り返すのは当たり前だと分かります

教師だから、握っちゃダメなの?
ダメよダメダメ

警察だから、もんじゃダメなの?
ダメよダメダメ

議員だから
焼肉屋で脱糞しても許されるの?
(今すぐ、名古屋 焼肉 議員で検索!)
ダメよ!そんなこと絶対ダメダメ!

こんな風にすったもんだになるのも
すべて、神のせいだったのです

議員が一律知りませんでしたって
どう考えてもおかしいでしょう?

絶対おかしいのに
なぜか人はやっちゃうんです

すべては、神のせい

我々のすったもんだなんて
宇宙から見下げたら
小さすぎて見えませんから
神さま老眼が過ぎて見えてないんです

札幌市東区で昨年から頻回に目撃される
素っ裸の男が3丁先まで
猛突進しているという事件

怪奇現象としか思えないこの事件

冬の間はさすがに寒かったのでしょう
このところ、ちょっと春めいて
そろそろアパートから出てもいいかな
くらいに思ったのですね

今朝、見事にニュースを飾ってました

同一人物に違いありません
福寿草みたいなもんです

でもね

素っ裸になってしまう
そんな彼の行為だって

神さまのせいなんです

タイの国王
このファッションも神さまのせい
どうですか、この堂々たる姿!
完全に、神さまのせいです

じゃーねー

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