よもやま料理帖 〜イクラの醤油漬け〜
北海道の秋の特産物といえば
秋鮭(あきあじ)です
鮭の遡上
鮭は川の上流で産卵し
かえった稚魚は大洋に向かいます
大洋に出た鮭の稚魚は
3年から5年で成魚となり
再び生まれた川に
産卵するために戻ってくるのです
神秘的だと思いませんか
成魚になる期間
鮭はアラスカ沖を回遊しているんです
北海道にある無数の大小様々な川へ
どうやって自分が生まれた川だと
見つけることができるのでしょう
そして、鮭の命は次の世代へ
バトンタッチされてゆくわけです
その時期が
毎年、8月の終わりから10月の中頃
北海道の沖合いに鮭が戻ってくるのです
北海道における
いくらの醤油漬けは
最もポピュラーな郷土料理です
シーズン初めの頃は
タマゴは小さく皮が柔らかくて
徐々に大きくなり皮が固くなってゆきます
なので
粒が大きくて
プチプチな食感が好きな人は
9月中旬頃がおすすめです
◯作り方
今回はシーズン初めということもあり
小さめの生筋子2腹(これで鮭1匹分)
350gを使います
この量(350g)で
どんぶり飯でイクラ丼にする場合なら
2杯分
お茶碗で盛り付けるなら
だいたい4人前の量になります
【用意するもの】
・生筋子 350g
・日本酒 2カップ(300ml)
・醤油 1カップ弱 (130ml)
【注意 その1】
醤油をめんつゆで代用するのも
味わい深くなります
めんつゆにする場合は希釈タイプなら
希釈して、130mlにしてください
【注意 その2】
みりんを使ってコクを出したい場合は
日本酒を200ml
みりんを100mlで
計300mlにしましょう
ではさっそく、作ってゆきます
まずは小鍋を用意してください
小鍋に日本酒を入れて
火にかけます
沸騰させてアルコールを飛ばすと同時に
約半分になるまで煮詰めましょう
◯ポイントその1
旨み酒を作る
→日本酒を沸騰させ半分くらいにすると
旨みが凝縮される
次は、ザルを用意して水をはります
生筋子を水の中で
バラしてゆきましょう
親指の腹と人差し指の側面で
生筋子を擦りあわせて
皮から粒を外してゆきます
全部バラしたら
何度か水洗いします
この時、筋のカスや
潰れたタマゴの皮が
無性に気になりますが
◯ポイント その2
根性のある人は
カスや潰れたタマゴの皮をとった方が
仕上がりはより美しくなります
がしかし
取らなくても
味は変わりません
小鍋の旨み酒の粗熱が冷めたら
醤油と合わせておきましょう
大きすぎないタッパーに
バラした生筋子と
漬けダレを入れて
冷蔵庫でひと晩漬けたら
出来上がりです
お好みで
シソなんぞをちらすと
見た目に確変が起きます
◯ポイント その3
シソでイタリアンカラーを演出
美味しく、鮮やかに見せるには
発色の良い赤系統のオレンジには
マッドな緑のコンビが最強です
最後に
◯ポイント その4
食べ切り、とする
いくらの醤油漬けは
食べ切りがマストです
冷凍すると
せっかくのプチプチ感は失われ
台無しになってしまいます
俺が地方に送る時は
発泡スチロールの箱に
冷凍の魚や肉を入れ
冷凍しないままの
いくらの醤油漬けを入れて
チルドで郵送しますと
プチプチ食感を損なうことなく
食べてもらうことができるのです
それくらい、いくらは
冷凍すると不味くなる
ですから美味しい時に
いっぱい食べてしまいましょう
そのためにも
極力、しょっぱさを抑えるのが
大切になってきます
醤油を減らすと
色味も美しくなります
その比率が
旨み酒:醤油=6(3):4(2)
もしくは半分半分
もっと薄い方がよければ
旨み酒の分量を増やしてみてください
この旨み酒は
しゃぶしゃぶのタレや
煮付けなど
色んな料理に使えるので
知っておくと超便利です
それでは、たらふく
いっただっき、まぁぁぁぁああああす!
1分半の動画に編集してあります
ご興味のある方は
ご覧になってみてください