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「100万円」稼いだ月に、何文字書いたか数えた話

 誤解のないように先に言っておきますが、この有料コラムは読んだら月100万円が稼げるようになるとか、そういうお手軽()な情報商材じゃありません。現役フリーライターのリアルな数字を、分析してみたという話です。「専業で働いているフリーライターの生活・仕事ってどんな感じなの?」って気になる人ならば、面白く読んでいただけるかもしれません。

 例えば、これからライターを目指す人とか、いまいち外部ライターの生態がイメージできない編集者とか、ライターと接点が多い企業の広報さんとか、同業種さんとか……。

 あと、普段のマガジンみたいにしっかりした文章で整える手間をかけていません。ゆる〜〜くラジオのように口語調で語っていくので、よかったら気構えずに聴いていってください(文体が受け付けなかったら、そっと閉じてください)。

 一応途中までは無料で読めます。でも、最後の方にある情報は、僕にとってもセンシティブかつリスキーな話題なので、変な人にまで見られたくないと思っています。なので、もし聞きたかった100円で買ってもらう形にしました。

 もし何人かに買ってもらえたら、近所のコーヒー屋さんで美味しいカプチーノをテイクアウトしたいと思っています。そこのカプチーノ、本当に美味しいんです。

 では、本編をどうぞ。>>>


1日20000文字……本気ですか?

 文章で食っていきたい——。幸か不幸かはわかりませんが、そんなこと思ってしまった場合、それはまぁたくさん文字を書かなければなりません。来る日も来る日もキーボードを叩きます。

 そうなると、「え……、どのくらい書けるようになれば良いんだろう?」って気になりますよね。……気になりませんか? 僕はライターを目指したときに調べたことがありました。

 僕がライターを目指した当時(●★年前くらいですね)、Google先生に聞いたら「ライターになるには、1日に2万字は書けないといけません!」的なすごい謳い文句が出てきたわけですよ。マジかぁぁぁ……と絶望しました。ライター目指した頃だと、確か頑張って1万字がやっとだった気がします。でも、これは多分、小説家とかエッセイストの方々が目指す数字なんだろうな、と段々やっているうちに気づくわけです。「おいっ、1日2万字とか無理だろ!」って今では思います。

 おそらく小説家とかエッセイストだと、一冊 or 1作品で何文字というゴールが見えているので、1〜2万字書ければ良いとか、具体的な目標が設定しやすいのかもしれません(※想像ですけどね)。

 一方、僕が属している世界は、雑誌とかWebメディアに対して、クライアントワークで記事を寄稿する市場です。自分で名乗ったりはしませんが、世間では商業ライターなんて言ったりするようです。まぁ流行り言葉で言えば「Webライター」の延長線上にある職業だと思っていただいて問題ありません。紙媒体にも書くっていう違いはありませんけれどね。

 で、ちょっと気になったので、現代(2021年)のインターネットでも調べてみました。Oh ……「Webライターは、1日1万文字書かないといけない」とか、やっぱり出てきますね。

 でも、それこそWebライター的な働き方を目指す場合、こういった「1日何文字」的な明確な目標がどうも立てづらい……。「1日何記事」で目標を立てる方が一般的だと思います。


1日2〜3本かけたら十分優秀だと思う

 さて、僕の感覚だと、記事にかかる負担かどうかによって、1日に何本記事を書けるかなんてバラッバラです。超簡単な記事で、MAX6本/日くらいじゃないでしょうかね。

 ただし、そんな書き方するときって記事の品質は保証できないですよ。プレスリリース(企業がメディア向けに発表した情報)を元に、記事の体裁に整えた記事とか、それに一言加えたとか、そんなレベルだと思います(もちろん、すごい爆速で高クオリティの記事を6〜7本書き上げられる人いますけどね。そういう人って業界トップクラスの存在なので、真似してはいけません。凡人がやると身体壊します)。

 僕の場合、専業としてまともな単価をいただけるならば、1日2〜3本とかを仕上げられるかどうか、ぐらいが“普通”という感覚です。

 ちなみに、Webライティングでも、企業案件の記事だったら早くて1営業日、普通2営業日かかります。コピーライターに似た部分があるかもしれませんね。「量より質」の世界です(そして、それだけ手間暇かけても、さらなる手直しはいっぱい入ります)。


…っていう話をされた時に、信用できない性格です。

 でも、こういう話って定量的じゃないですよね。僕は、まさにこういう情報こそ、いかにも信頼できないって思います。「〜な感覚・印象です」って。人間の感覚って不正確ですからね。Web検索してトップ画面に出てくる情報と同じですよ。「なんとでも言えるじゃん」って。お前、本当に継続的にそのペースで仕事してんのか?と。

 じゃあ、どうしたらまともなデータにできるかって考えたんですけど、結局自分の経験から捻り出すしかないという結論に至りました。

 というわけで、実際に21年に100万円超を売り上げた1ヶ月のデータをピックアップして、Webと雑誌に記事を書いているフリーライターが一体何文字書いていたのか、を数えてみたという話です。

 表計算ソフトでずらっと、働いた時間とか、それぞれの原稿の文字数を入力して分析してみたんですよ。

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 いや、結構大変でしたよ——。作業自体は納品管理に使っているスプレッドシートからコピペしつつ、テキストデータの文字数を数えるだけなので、1〜2時間で終わったんですけれど、これやると自分のダメなところを直視せざるを得ないんですよね……。「お主、サービスで原稿長く書きすぎだ」って、ビジネスセンスのなさに気付かされました。

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 まぁ、実際の記事単価とかも使いつつ、いろいろグラフにして分析してみると、割とよくできたところもありつつ、反省点もありつつですね。

 ちなみに、「100万円」ってのはキリが良いから選んだだけです。多分このくらいの額に夢を抱く人がいるんじゃないか、と思って——。まぁ、確かに若手から中堅に足を踏み出したくらいのライターがベストコンディションで限界まで働いて叩き出した月の数字です。ライターを目指すうえで、一つの目標にはしても良い数値だとは思います(改善の余地はまだまだあると思いますけれど)。

 た・だ・し、後半でその点の現実についても解説しますが、結論から言っておくと、こんな額毎月売り上げていないですし、税金とか手取りを考えると「なんだそんなもんか」ってなると思います。ボーナスもらえる会社員の方がよっぽど額面的には多いですよ。あらかじめ、ご了承ください(フリーライターのメリットは、嫌な仕事に「嫌です」って言える自由にあると思っています)。

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 実際計算していると、「どのくらい働いたらこの額が達成できたのか」「僕の文字単価が平均でどのくらいなのか」「1ヶ月の執筆時間はどのくらいなのか」「何文字書いたのか」「普通の会社員で換算すると週休何日くらいなのか」といった情報も具体的にわかってきました。結構面白かったです。

 もし、「僕/私、将来フリーライターになりたいんです」とか、「編集者/広報担当者ですがフリーライターの感覚が知りたいです」みたいな人がいたら、一つの事例として面白がってもらえるんじゃないだろうか、と思います。

 以降は、カプチーノ代を少しだけカンパしてくれたら話します。


まず、100万円稼いだ月にフリーライターは実際何時間稼働したのか?


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