ワクチン戦略(1)

AKIRAです。
本日はいつもとは違うコンセプトの記事を書きます。


結局mRNAワクチンとは何だったのか

mRNA技術は私が思うに、中途半端な技術運用だったと考えています。しかし、そうせざるを得ない状況であれば、中途半端なものでも運用に利用してしまうことはあるかもしれない。
そう思ったことをきっかけに、「何をどうしてこんなものを使ってしまったのか」を考察していこうと思います。

少々長くなることが予想されますので、記事は分割して書きたいと思います。

製薬業界の戦略

基本的に、今回のコロナ騒動は一つの侵略行為だったのではないかと私は考えています。
その根拠を示すためには、製薬業界の限界について語らなければなりません。

製薬会社がこれまで行ってきた戦略は以下の通り。

  1. タンパク質をターゲットとした低分子化合物のシード探索

  2. 抗体などの高分子タンパクを始めとした医療製剤の開発

  3. 細胞製剤などの生体資料を用いた再生医療等製品の開発

1や2は、これまで製薬企業が行ってきたものであり、特に1は第一類医薬品として病院で処方されるような医療品として開発されてきています。これらは新薬をはじめ、製薬における幹となる戦略だったのですが、新薬開発は開発コストが大きいことがネックとなりました。さらに候補となった新薬を治験で検証した場合、治験を通過する候補分子は非常に少なく、その数10万分の1だと言われています。
また、2についてはそもそも抗体自体が開発コストが高く、サンクコストの観点から初期投資に掛ける開発路線が狭くなる傾向にあり、バリエーション多く開発が進まない傾向になります。

こうした事情から、1と2についてはほぼオワコンと言える程の手詰まり感を企業は覚えていたのです。もちろん、全ての事業がその対象ではなく、開発することで満たせる需要はそれなりにあるはずなのですが、製薬企業はどうも満足が行かないようです。それゆえの3の戦略でした。

しかし、この3ですらそれなりにリスクは存在しており、再生医療等製品は細胞を扱うので社会に対する倫理的な障壁があります。
これを私は障壁ではなくセーフティととらえており、3の事業を進めるための最低限のブレーキ役であるととらえていたのですが、そこで出てくるのが例のワクチン戦略と言うものです。

ワクチン

ワクチンを開発すること自体はそこまで物珍しいことではなく、様々な企業がタンパクや弱毒化、あるいは不活化したウイルスのワクチンを開発していました。

しかし、これらのワクチンには抗原としての性能が弱く、接種したとしても抗原提示がうまく行かないという事情がありました。
ゆえに、アジュバントという免疫を誘発する分子をワクチン内の有効成分にくっつけたり、免疫原性が高い部位の探索をしてみたりなどの戦略が行われていました。それでもなかなかうまくは行かないものです。

そんななか、動物相手に何年も続けられてきた研究がありました。それが、核酸を利用したワクチンです。

利益を出すためには前述の1や2の戦略はコスパが悪く、3はそれなりの成果が出るまでに長い期間を要します。
ある意味、金の亡者にとっては渡りに船の戦略だったといえるのです。

→ワクチン戦略(2)に続く。

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