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「アドテック東京」公式モデレーターの裏側を公開!オファーから打ち上げパーティまでの全て!

今回も「アドテック東京」公式スピーカーに選んでもらった。
しかし、今回は公式モデレーターという役割だ。

モデレーターとは、パネルセッションを回す人のことだ。
公式モデレーターはどんなふうに準備しているのか、どんなふうに当日を過ごすのか質問があったので答えていきたい。

アドテック事務局が選ぶ公式モデレーター

アドテックは、モデレーターとスピーカーによるパネルディスカッションがメインのカンファレンスだ。

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モデレーターは、2~4人のスピーカー達の話を引き出す役割の人だ。

アドテック事務局によると、3回以上アドテックに出場したことがある人は、事務局から打診があるそうだ。

アドテック公式モデレーターをやるメリットとは?

後述するが、公式モデレーターは公式スピーカーよりも大変だ。それゆえに、遠慮する人が多いという。
しかもモデレーターは話を回す立場なので、自社のことはほとんど話ができない。
大変なのに、自社のアピールがまったくできない?
だとしたら公式モデレーターのメリットとはいったい何なのだろうか。

毎年、名モデレーターとしてアドテックで活躍して、ぼくも尊敬してる二人に聞いてみた。

何よりも毎年出れるし事務局側から求められるというところに尽きる。テレビの番組でも、ずっと出てる人っていうのは派手な人じゃなくて制作側の意図をくみ取ったうえで回す人だよね。
アドテックでもその年フューチャーされた人は出てくる。でも来年もまた話せるようなネタがあるかっていうと難しいし、毎年ってなると超一流の経営者ぐらいなんじゃないかな。
これだけ超有名な人が毎年出ている国際的なカンファレンスに毎年横並びに名前を出せるって言うのは、相当な価値があることなんだよ。

アジャイルメディア・ネットワーク CMO ブロガー 徳力 基彦さん
何よりも人脈だよね。モデレーターができるっていうのは、自分が会いたい・仲良くなりたい人を選ぶことができるだよ。
しかも、一回合うだけじゃなくて、何回もミーティングを重ねられる。
上場企業の経営者、旬な経営者、最先端のテクノロジーの研究者、日本の最高の知能をもった教授。
そんな人たちと深くつながる機会なんてそうあるものじゃないよ。

アビームコンサルティング 本間充さん

ぼくも去年これを聞いて、アドテック事務局の古市さんに「来年はモデレーターをやりたいです!」と伝えたのだった。

開催半年前:オファーのメールが来る

スピーカーは約3ヵ月前に公募やオファーが来るが、セッションの核となるモデレーターは半年前からスタートする。
アドテック事務局から以下のようなオファーがあった。

平素より大変お世話になっております。
昨年はアドテック東京にてありがとうございました。

今年のアドテック東京が9/20-21に開催されます。
ぜひ今年もエントリーいただきたく、
ご連絡させていただきました。

これに答える形で出場が決まる。
ぼくはもちろんOKですと答え、返信した。

平素より大変お世話になっております、アドテック事務局です。
このたびは、アドテック東京2016公式スピーカーへのご応募誠にありがとうございます。

厳正に審査させていただいた結果、公式スピーカーとしてのご登壇をお願い致したく連絡しました。
ご登壇の決定については、近々にアドテック東京の公式ウェブサイトにて発表させていただきます。

また、登壇セッションについては、なるべくご希望に添えるように調整いたします。
詳細は追ってご連絡させていただきます。

まだこの段階では、どんなセッションを行うかも、誰とセッションを行うかも決まっていない。
ただこの段階で、自分がしたいセッション、どんな人とセッションしたいのかを伝えることができる。

開催3ヵ月前:アドテック事務局とスカイプで打ち合わせ

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アドテック側がある程度モデレーターやスピーカー、そしてセッションの選定が整ったのち、アドテック事務局とスカイプ面談を行う。

ここでは、自分がどんなセッションを誰とするのか最終的な詰めの段階だ。
このときに自分がしたいセッションやスピーカーを熱烈にアピールするのがいいだろう。

この段階ではまだアドテック側も2/3ほどしかスピーカーが決まってない。
なので、こういう人をいれるとこんなに面白いセッションになる!ということをアピールすることは事務局側としても助かる提案なのだ。

開催2ヵ月前:セッションメンバーとメールで自己紹介&セッションの紹介分を提出

2か月前になるとアドテック事務局から以下のようなメールが送られてくる

平素より大変お世話になっております。
アドテック事務局です。

いよいよ2ヶ月近くに迫りました、
アドテック東京、公式セッションのご登壇につきましてご案内です。

1.5万人が来場するアジアNo.1のマーケティングカンファレンスです。
本番までどうぞよろしくお願いいたします。

1)自己紹介
すでに面識をお持ちかもしれませんが、
改めてぜひ、こちらのメールにて自己紹介をしていただければと思います。
セッションを通じて伝えたいメッセージを教えてください。

2)紹介文のご提出: >モデレータ中村さま
カンファレンス参加者向けのセッションの紹介文を提出ください。
WEBに掲載いたします。(英&日、150-250字程度)

ここでメール上で、自己紹介が始まる。
またメールでやりとりをしながら、セッションの紹介文をモデレーターの人が考えていく。

この段階ではタイトルだけが決まっているので、それに合わせた紹介文をモデレーターが考える必要。

ただ、このセッションの紹介文はメールが送られて1週間後の提出なので、ほぼモデレーターがひとりで考えて
「これでいきます!いいですよね!」とメンバーにごり押しをする必要がある。(笑)

開催1か月前:全体ミーティング&個別ミーティング

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全体ミーティングの様子

開催1か月までになると、それぞれと顔合わせ&全体ミーティングを行う必要がある。
ここはモデレーターの性質にもよる。
全体ミーティングを何度も重ねるモデレーターもいれば、メールでやりとりするモデレーターもいる。
ただし全体ミーティングは1度はやらなければならない。

この時にモデレーターとして特に大変なのが、打ち合わせのアポ決めである。
セッションに出る人は、一流の方々ばかりでまったく時間がとれない人ばかりだ。
特に4人全体となると1か月前でも難しい場合がある。
まず初めにやることは、全体ミーティングの日程決めをやることだ。

ぼくの場合は、個別のオフィスに訪問しての個別ミーティングが1回ずつ、全体のミーティングが1回だった。
やはりセッションは話す内容や資料も重要だが、キャラクターという要素もかなり重要だ。
この人が言うと盛り上がる、この人が言うと場が落ち着くなどというものがある。

それを理解したうえで、セッションに望まないとお客さんに伝わるということは難しい。

全体ミーティング

全体ミーティングでは、セッションメンバーが集まったときの空気感をつかむことが大事だ。
個別のキャラクターによって、すごく長く話す人と、言葉が短い人がいる。

そういった話の仕方の特徴や、全体の雰囲気を掴んだうえで、セッションの流れを考えたほうがいいだろう。

また全体ミーティングではアドテック事務局の古市さんも参加してくれるので、
話す内容が観客にどうウケるかなども聞くことができる。アドテックは、大企業や広告会社の人が多いので、そっちの人たちが満足する内容に組み立てるのがいいだろう。

開催1週間前:セッションスライドをアドテック事務局に提出

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実際に当日に表示されるスライド

開催一週間前までに、セッション本番で使うスライドを提出しなければならない。
全体ミーティングで話す内容が決まったら、それを裏付けしたり、お客さんに分かりやすく表示するスライドを用意したほうがいい。

スライドをつくることにおいて大事なポイントは、その会社しか出せない数値データを用意することだ。
実際にセッションの場に行ってみればわかるが、お客さんはスライドの写真を撮りまくる。

特に大企業の方は、社費でセッションに来てる分、レポートなどを会社に提出することを義務付けられてる場合が多い。お客さんが第三者に提出しても喜ばれるスライドというのが大事であり、ここでしか見れない資料をつくることが人気セッションになる秘訣でもある。

本番当日:公式モデレーターはすべてのセッションを自由に参加できるVIPパス

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アドテック東京2016開幕!

アドテック東京本番の2日間は、モデレーター・スピーカー専用のVIPパスが渡される。
このパスは、2日間15万円もするアドテックのすべてのカンファレンスに参加可能だ。

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自分のセッションが来るまでは、自由にアドテック東京を楽しもう。
アドテック東京2016は、サッカーの中田英寿とGMO熊谷正寿さんのキーノートセッションは特に面白かった。

スピーカーラウンジ

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公式スピーカー控えブース

公式スピーカー・モデレーターには、スピーカーラウンジという場所で待っていることができる。
ここは完全に一般のお客さんからは隔離されていて、ここの場所にいるということは公式スピーカーであるということがわかるようになっている。

アドテックの交流において、この公式スピーカーブースでの交流が一番いい会話ができる場所だった。
セッション前の人は、話すことは難しいが、セッションが終わった後の人はここでゆっくりとリラックスしている。

そこでお互い公式スピーカー同士なので、ある程度「信頼」がある位置で、初めましてのあいさつができるのだ。

ぼくは今年2回目だが、1回目に仲良くなった人がいるとその人づてに新しい接点が生まれる。
何度も出場するということは、ビジネスのチャンスをさらに大きくする効果もあると感じたね。

自分以外のセッション

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ぼくが大好きな西井 敏恭さんのセッション

自分以外のセッションは、特におすすめだ。
他人のセッションを見ていると、すごくタメになるセッションもあり、キャラクターの個性を最大限発揮しているセッションなどモデレーターとして勉強になることがたくさんだ。

また、誰か近づきになりたい人がいたらぜひその人のセッションを見ておくことをおすすめする。
スピーカーラウンジで名刺交換をするときに、「セッション見ました!」っていうのは絶対に初対面でも話の盛り上がり方が全く違うからだ。ぜひモデレーターになったら、そういう目線でも他人のセッションに参加してみよう。

本番一時間前:スライドのチェックと最終打ち合わせ

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セッションメンバーと最終打ち合わせの様子

本番が始まる前にスライドがきちんと写るか、スクリーン機器の使い方などスタッフから伝えられる。
ちなみにぼくは緊張しまくりだった。

セッションスタート!何百名のお客さんと分刻みの流れ

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10分前に会場入りして、分刻みのスケジュールで時間が流れていく。
会場には何百名というお客さんがいる。

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セッションメンバーの前にはモニターが二つ用意され、一つはスライドの画像、もう一つは残り時間が刻まれている。「30min」「10min」「fin」という順番で時間が出ていく。

50分という時間である程度、それぞれがお客さんのためになることを伝え、かつテーマを消化していかないといけない。まさに時間との戦い。モデレーターは常にタイムマネジメントしないといけない。

セッションメンバーのみなさんからすると、話したいことはいっぱいある。ただ、1人の人が話し続けても会場はつまらないし、すぐ時間だけが過ぎていってしまう。
お客さんに伝えるべきギフトポイントを用意して、時間内にすべてを伝えることがモデレーターの仕事だ。

セッションにおいて大事なポイントは、公式スピーカーの裏側全てを公開!でも語っているので必ず見ておこう。

【ここもチェック!】
セッションで実際に話した内容はこちら
・「アドテック東京2016(ad:tech tokyo)」に登壇まとめ!「大企業とスタートアップはどのように組めばいいのか?」

本番終了後:スピーカーパーティ

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セッションが終わると、スピーカーやスポンサー関係者だけのパーティが開催される。
ここでは、セッションを聞いた段階で気になった人やさらに仲良くなりたい人に声をかけよう。

もっと深くビジネスにつながる話ができるはずだ。

本番終了後:スタートアップワールドカップ

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最終日には、スタートアップワールドカップが開催される。
ここで今日本で伸びている旬なスタートアップと知りあったり、彼らの講演を聞いたりすることができる。

投資家も集まるので、自分のサービスをアピールするチャンスだ。
ぼくもぜひ来年は出たい!

アドテック東京終了:セッション打ち上げ!

スピーカー同士で仲良くなった人達の個別に打ち上げ飲み会が行われている。
もし誰かいなくても、セッションメンバーに連絡をとってみるといいだろう。

絶対にどこかの居酒屋で打ち上げが行われてるはずだ。

またモデレーターとしてセッションメンバーとの打ち上げも大切だ。
これもセッション前に事前に全体打ち上げのアポを取っておく必要がある。

そこでは、もっとこうすればよかったとか、ぶっちゃけフィードバックがたくさん飛び交っている。

お酒を飲みながらこそできるフィードバックだろう。
また仲良くなりたい、ビジネスチャンスをさらに深めたい人はこの打ち上げに参加するべしだ。

飲みにケーションは、深く仲良くなるための最終兵器であり、切り札だ。
ぜひ健闘を祈る!

あなたも公式モデレーターに立候補して、自分だけの熱狂的なセッションを創り出そう!

今回、ぼくが公式モデレーターをやって感じたことは、自分だけのセッションを生み出すことができるという点だ。
パネルディスカッションであるセッションは、どんな内容であれ、モデレーターの創り出したいものがそこに現れてくる。

今まで紹介したモデレーターのメリット以上に、この達成感はほかのスピーカーよりも大きい。

来年は、もっと最先端なセッションを取り扱ってみたいと感じた。
もっと日本にシリコンバレーの事例や海外の最先端のテクノロジーを紹介したい。

そう言った意味でも、今回はじめてモデレーターをやってみて、もっとやりたいことが増えたのだ。
もっともっと影響力をもった自分になることで、日本をもっと豊かにしたい。

もちろん反省点もいっぱいあるが、まだまだ自分にできることがあるということを分からせてもらったのが、今回のアドテックがぼくにくれた最大のギフトだ。

アドテック事務局のみなさま、またしても素晴らしい機会をありがとうございました!
来年は、スタートアップワールドカップ出場したいです!それまで、プロダクトを成長させます!

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