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実は楽しいチップ、ありがとうチケットとしてのお金

欧米では、食事をしたときなどにチップを払います。具体的なパーセンテージは特に決まっていないと思うのですが、大体10-15%できれいな金額にまるめています。まわりもそんなで、今まで何か言われたことはないので多分大丈夫です。

たとえば、13ユーロだったら15ユーロにします。カード払いですでに金額が提示されているような場合はカードで払って、手持ちの小銭を机に残したり、レジ近くにおいてあることの多いチップ用の入れ物に入れたりします。

チップを嫌う人は少なくないと思います。特にチップ文化のない日本で暮らしていると、違和感がありますよね。私もヨーロッパで暮らし始めた頃はなんだかなあと思っていました。だって、書いてあるよりも1割、2割高くなって、お財布からお金がなくなるのですから。

でも、ドイツで自分で直接お客さんに物を売るようになってチップが何なのかわかってきたような気がします。最初は「いえいえいえいえ、そんな受け取れません!」ともらうのが下手くそなのもいいところでした。続けていると「ありがとうございます😊」と喜んでもらえるようになり、チップを払うのにも抵抗がなくなってきました。最近では、喜んでチップを払います(いいサービスには)。マーケットでも顔馴染みのお店だと数セント、数十セントを切り上げることもあります。

なんでチップに対する考え方がかわったのか考えてみると、お金を「ありがとうチケット」と見るようになったのだと思います。商売をしているうちに「おもしろい・おいしい食べ物を提供してくれてありがとう」「がんばってね」とお客さんがお金を渡してくれる気がしてきました。

私は幸い、いい仕事に巡り合ってきたのですが、自分で商売を始める前は、世間的な「仕事は時間と労力を使って頑張るもの」で、「お金はその対価として得るチケット」という見方をしていたのだと思います。でも楽しい仕事もあって、ありがとうって渡すお金ももらうお金もあるんですよね。

そんなふうに考えると、チップのやりとりもいやではなくて、むしろ楽しいものになるような気がするのでした。コミュニケーションの手段といってもいいのかもしれません。

そんなことを考える土曜の朝でした。


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