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『子鬼のつぶやき』

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「クラブBA」会員、にぎた/BAがお届けする短編ミステリー小説。中学3年生の主人公、半田圭司が進める”推理”の行方は—
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#まだ何も起こりません

『子鬼のつぶやき』 第一話

(→あらすじ)

発見
 
 半田圭司がお化けを見たのは、実は2度目のことであった。

 1度目は彼が小学五年生のとき。苦手な社会の時間中、ふと――本当にたまたま窓の外に目を向けると、反対の校舎の屋上に立つ、1人の人影を見つけたのだ。

 ドキリとした。その人影は、フェンスを乗り越えて飛び降りたのだから。気がつけば立ち上がり、授業もお構いなしに教室を飛び出していた。「戻りなさい!」という先生の声も

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