見出し画像

「君の人生に勇気はいらない」を読んで

 青空を眺める表紙の絵が気に入って、メンタリストDaiGo著「君の人生に勇気はいらない」(発行所:SBクリエイティブ㈱)を買ってしまった。 青空はイイ。

 著者の本は、初めて読んだ。結構、やらかしてしまったからなのか、この頃TVで見ることは、めっきり減った。 確かに、言い過ぎ、言い方が良くないな、とは思ったけど、間違っているわけではない。たぶん、生真面目で正論を直言してたのだろう。人付き合いが下手なだけなんじゃないか、と邪推してる。力の余ってる人ほど、若い頃は尖ってしまうもの。擁護してるわけじゃないけど。 それでも経験を重ね、世間で磨かれ、丸くなっていく。

 著者がどんな人なのか、本書を読んだくらいじゃ分からないけど、ともかく、本書は面白かった。

心に響いた言葉だけ覚えておけばいい

 本を読んでもすぐ忘れてしまう。でも、次々と本を読んでないと落ち着かない。そんな毎日なので、本を丸ごと覚えていようなんて思わない。
 本書だって、「心配が“暴走している”」とか、言い得て妙。
 「本当は時間があるのに、ないと感じているのではないか?」とかも、スッと胸に落ちる言葉で、スッキリした。
 もちろん、「唯一無二」というフレーズではない。日常的に、似たようなフレーズに出会っているので、特別感はない。けど、心に響けばイイ。

 どんな本だって、著者の思い入れや主義主張、本の構成上の理由で、文章が紡ぎ出されている。ので、公正無私とか、平等なんかとはかけ離れているし、余分に付け足したこともあるはず。著作全てを鵜呑みにするのは、ちょっと無理。

 だから、この手の教訓モノでは、何となく心に残った言葉だけをピックアップして、意識するようにしてる。

 そんなフレーズをいくつかピックアップしてみて、あぁ、確かにそうやって生きてきたな、と思うことばかりだったので、仕事をする時の心持ちを再確認した感じだ。

メンター・・・私にとっては不可欠な存在

 本書で主人公自身の行動描写はあるけど、メンターD(仙人野郎)は神の声の如く、主人公の心の内に寄り添って発言する。ちょっと面白い形式。 たぶん、著者の代わりなんだろうな。

 ともかくも、社会に出たら、何もかもを自ら学ばなければならない。もう、「教育」の時代ではない。何を学ぶかは個々人の自由で、学んで得するのも、学ばなくて損するのも自己責任。 とはいえ、学ぶべき事は広く深く混沌としてる。できれば、ちょっとしたガイドが必要。それがメンターの始まり。

 働くようになって直ぐに気付いたけど、実際、自分にとって、誰がメンター足りうるのは、見極めるのは難しい。そもそも、何処にいるのか、わからない。 

 メンターの重要性は知っていても、メンターを見つけるのは大変だ。

 私なんか、何もかも勉強不足だったので、周囲にいる人を「勝手にメンター」として私淑することにした。つまり、とりあえずメンターだと思った人の言葉を何度もリフレインして、考え直し、学び直していった。もちろん、違うな、自分とは合わないな、と思ったら、学びの部分を捨て、仕事上のお付き合いだけに戻す。なにせ自分勝手にメンターにしてるだけだから、どうとでもなる。

 それでも振り返って、今でもメンターだな、と思える先達は3人いる。 多いのか少ないのか分からないけど、今で意見されたら素直に受け止めるようにしている。 まぁ、もう滅多に会わないけど。

 誰にでもメンターが必要、とは思わないけど、社長なんて役割をやっていた頃は、周囲には持ち上げてくれる人ばかり。自分が見えなくなってしまうので、批判や非難するというよりも、公正無私で苦言、直言してくれるメンターの一言一言は、ホントに有難かった。まぁ、いつも痛いことを言われるので、メンターに会った後はちょっと気落ちしたけど、少し経つとジワっと心に沁みてくる。 学校に通ってた頃に、相応のメンターに出会えていたら、人生違ってただろうな、と思う。

                             (敬称略)

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?