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【読書】ハンス・ロスリング/FACT FULNESS

いつもとは少し毛色の違った本を読みました。ちょっと夏休み前から仕事でマーケティング関係の本を読んだりしているのですが、これは随分前に家人に読ませるべく買ってあげて、読み終わるのを待っていたらいつまでも回ってこないので、痺れを切らせて今回先に読むことにしました。

最初は「世間で誤解されているようなニュースなどについて異なる見方を紹介していて、真実はこうです」と伝えているだけの本かな、と思ったのですが、そこに止まらず、もっと突っ込んだ内容でした。

単なるデータを示して間違いを正しているだけではこんな分厚くならないし、売れないだろうから何か売れる理由があるはず、そう思って読み始めました。

実際著者(訳者)の文章は非常に読みやすく、語りかけるような感じで結構あっさりと読み終えることができました。後書きを読んで知ったのですが、著者はTEDに出て話をしていた方。となると話が上手いのも納得。共著の息子さん夫婦はこの本の内容で重要な位置を占めるグラフやデータを元々TEDなどのために作成していたそうです。

どんなにすごく賢い人でも間違った物の見方をする。ニュースやメディアは決していいニュースを報道しない。だからつい人は悲観的な物の見方、ドラマチックなことばかりを覚えているので悪い方へ悪い方へと考えてしまう。重要な、たいへんなことになる、と慌てて判断して動くととんでもない間違いを起こしてしまう。そういうことを身をもって示してくれていて大変面白かったです。

世の中の何事もを斜に構えてみる必要はないかもしれませんが、この本で提示されている物の見方を身につけると世の中が違って見えてくるかもしれません。多くの人に是非読んでもらいたいと思いましたし、こうした考え方が普及してくると社会やメディアのあり方も変わってくるのかもしれません。

最後に、急な書き出しで著者が亡くなっていることを知ってなぜかちょっと泣いてしまいました。こんな素敵な家族に恵まれた彼は志半ばだったかもしれませんがとても幸せだったでしょう。

おすすめ度:★★★★(少し大人向けかな、ということで)

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