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サービスデザインゼミ 卒業研究制作の紹介(2021年度)

昨年に続き今年も紹介します。2021年度 多摩美術大学情報デザインコース 卒業研究制作よりサービスデザインゼミ4年生の卒業制作です。2021年度は学部4年生1名と大学院生2名(M1,M2それぞれ1名ずつ)のゼミでした。ゼミでは、幅広くサービスやUIUXに関するテーマを研究しています。では今年度の学生作品を紹介していきます。(写真は作品の一部です)

▶︎KASIKA 音声記録を可視化した動画を思い出として振り返るサービス,河井 あかり

その場限りだった感動、興奮を、思い出としてふりかえる

KASIKAは、オンラインライブを複数人で鑑賞し、盛り上がった体験をパッケージ化された動画記録(切り抜きムービー)とともに振り返ることができるサービスを提案しました。
オンラインライブを友人たちと一緒に見た時に、ライブ映像と同時に鑑賞者の音声と音声認識による「文字起こし」が記録され、鑑賞していたライブ画面に自動的に配置されて、パッケージ化された動画が生成されます。ライブ翌日には、ライブ鑑賞での盛り上がりを記録した「切り抜きムービー」が届き、友人と共有しつつ、ライブ鑑賞の思い出としてふりかえることができます。

パッケージ化されて届く切り抜きムービー:お約束のコールなどでは表示が強調される
掛け声や盛り上がりが共有され映像とともに記録される

オンライン上の体験をよりよいものに(制作の動機)

長く続く自粛や対面でのリアルな経験が制限される一方で、オンラインで友人たちと楽しむ機会も増えました。リアルな対面での楽しい経験は、記念のグッズおみやげ、友人と撮った写真やSNSへの投稿など様々な「かたち」で残りますが、オンラインでの経験はその場限りで接続が切れてしまえば目に見えるものは何も残りません。積み重ねている時間は同じでも、リアルとオンラインでは体験としての質の差ができてしまいます。その差をどうにかできないか?オンラインでの経験をなにかのかたちで残せないか?と考えたのがこのサービスの発想のきっかけになっています。

サービスのしくみとUXのデザイン

サービスのしくみとUX

最終作品では、サービスのしくみユーザーがどのように利用するか(UX)のシナリオ友人とのオンラインライブ鑑賞の経験がパッケージ化された映像(切り抜きムービー)のデモを発表しました。音声の認識や映像の自動編集、切り取りムービーの生成などは、AIほかすでに世の中にあるテクノロージーの利用を想定しています。(技術的な実現可能性の精密な見積もり、コスト計算、ビジネスモデルの構築はおこなっていません。)

サービス展開の可能性

デザイン提案はオンラインライブでの利用を想定したものですが、オンライン上で盛り上がる様々な経験をパッケージ化できるため、これ以外にも複数人でのオンラインゲーム、友人との映画鑑賞(ウォッチパーティー)など多くのプラットフォーム上での可能性が広がるサービスとなりました。

クレジット表記:
写真素材(コンサート):ピクスタ
teksomolika / PIXTA
動画素材(女性アーティスト):ピクスタ
polkadot / PIXTA


●卒業制作展のお知らせ

情報デザインコース有志による卒業制作展
多摩美術大学情報デザイン学科情報デザイン学科コース卒業研究制作展2022
「𝖫𝖤𝖳 𝖤𝖭𝖤𝖱𝖦𝖸 𝖥𝖫𝖮𝖶」
2022年3月4日(金)〜3月6日(日)
東京デザインセンター ガレリアホール

注:有志による展覧会のため、事情により本記事で紹介した卒制作品は出展されません。会場で配布する図録には掲載予定です。

●教員からのメッセージ

(3月4日以降に公開予定。卒業研究制作展2022「𝖫𝖤𝖳 𝖤𝖭𝖤𝖱𝖦𝖸 𝖥𝖫𝖮𝖶」 図録より転載)


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