「行為の観察」の練習。
twitterに投稿したまとめです。
止まっているモノの観察だけではなく、人の「行為」を観察する練習をすると、ユーザーや顧客の観察に役に立つのでおすすめです。
以下は、連続tweetをコピペして整えました。
「観察」が流行ってるようなので、昔やった「行為の観察」の練習課題を紹介。
誰かひとりが「鉛筆を削る」、周りの人は見る(観察)。
質問や会話はせずにひたすら見る、メモは取らない。
2回目、同じ行為をしてもらいメモを取りながら観察。何も気づかない場合は数回行い、終わったら気づきを参加者でシェア。
スケッチは描かない。
文字でメモを取って、「日常の行為」についてどのくらい観察眼が働くか、些細なクセやパターン、行為の独自性に気付くか、というトレーニングです。
(もちろん正解はありません)
観察対象の行為のバリエーションとしては、
折り鶴を折る、
インスタントコーヒーを作る(粉、ポット、カップを用意)など、
短時間で終わり、それなりにステップ数のある「行為」であれば何でも観察対象になります。#行為の観察
トレーニングとしての効果を出すには、「行為の観察」に特化して、観察した後に改善提案とかのオマケを付けないがポイントですね。
(そういうワークショップは別の目的で別途やる方が良いです)
追加(2018.4.26)
(行為について後で、行為者に質問しても良いのですが)質問にウェイトを置きすぎると観察の「答え合わせ」みたいになってしまうので、学生に教えるときはあくまでも自分に何が見えたか?を中心にしていました。同じ理由で行為の「分析」もしませんでした。(それがトレーニングの目的ではないので)
ここからは補足です(ネタバレ注意)。
例えば、鉛筆を削る行為を観察すると、初めは何も気づかないかもしれません。「え?それで?(鉛筆削っただけでしょ?)」という感じです。
何回か見るうちに、鉛筆の回し方とか、右手と左手の分担作業のコンビネーションとか、削る時にリズムがあるとか、削り初めの木の軸を削る時と後半の芯を削る時、終盤の芯を整える時で作業が変わること、削っている人の変化など、様々な行為の細部が「見えて」きます。
行為者を交代したり、見えたものや見方(視点)をシェアすることで、観察が深まります。
このような観察のトレーニングをして身に付けた「観察眼」を持って、ユーザーのいるフィールドや顧客が経験する場に立ち合うと、インサイトに通じるような「行為」を見逃さず、しっかり「観察」できるようになる、というわけです。
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