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でき太くん三沢のひとりごと その12

投稿 その12

今回は、以前お話した「かけ違い」について、さらにちょっと深堀してみたいと思います。

私は父と、とても長い間「かけ違い」がありました。

自分の記憶が正しければ、小学校高学年くらいからずっと父が嫌いでした。

私の立居振る舞い、学習の仕方、箸の使い方から、食事の仕方、物事との向き合い方など。
私といるときには、何かしら小言をいう感じでした。

褒められたという記憶はほとんどありません。
毎日父と顔を合わせるのが苦痛でたまりませんでした。


今、振り返ってみれば、きっと父には、父が理想とする人間像や価値観があり、その理想にわが子を近づけようと一生懸命だったのだと思います。

自分が理想とすること、自分が信じていること。

これはきっと正しいもので、それをしっかりとわが子に伝えていけば、子育ては成功すると考えていたのではないかと思います。
父も若かったのだと思います。


ただ、当時の私には父のその一生懸命な思いは、伝わってはきていません。

まさに「かけ違い」です。

私は小言をいわれるたびに「私は否定されている。なんで否定ばかりするんだろう。いつか家出してやる」と思っていました。


いくら正しい価値観でも、いくらすばらしい人間像だとしても、わが子の現状を「否定」から入ると、こういうかけ違いが生じやすくなると思います。
もし父が、私の存在そのものを受けていれて、まず私自身を肯定した上で価値観や人間像を伝えてくれていたら、きっと私は素直にその話を聞けたのではないかと思います。


そう考えると、私たちがこれから子どもと向き合っていくときに覚えておかなければいけないことは、「否定」は、かけ違いを生むスペシャルソースということです。
子どもを「否定」した気持ちで小言をいい、ただ自分の正しさ、自分の気持ちだけを押し付けていけば、必ず「かけ違い」が生まれる。


冷静に考えてみれば当たり前のことですよね。

子どもは否定されて、聞く耳を持っていないところに、いくらすばらしい価値観や人間像の話をしても、それは「押し付け」としか感じられない。

そういう単純な方程式です。


子どもに何かを伝えようとするとき。

まず子どもを否定するのではなく、子どものありのままの姿をよく見て、何を考え行動しているのかをじっくり話を聞いてみる。
そして、もし必要であれば自分の価値観を伝えてみる。

まず子どもの個性、存在を受け入れていく気持ちを忘れないことが、かけ違いを生じさせないコツのように思います。


よくこういう話をすると「どうしたら子どもを否定しなくなるのでしょうか?」という質問がありますが、その答えは簡単です。


あなたのお子さんが生まれたときのことを思い出してください。

きっと多くの方が「生まれてきてくれてありがとう」と思ったはずです。

それが、否定していない状態だと思います。

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