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でき太くん三澤のひとりごと その145

◇ エノキと経験値


つい先日のこと。
私は買い物を頼まれ、スーパーに行きました。
その頼まれたものの品目に、エノキがありました。

私は東京に住んでいたころ、このエノキがあまり好きではありませんでした。

「白いエノキは人間が食感を味わうために人工的に作るアホな食べ物」

そういう認識しか持っていませんでした。

秋になると友人が居酒屋などで「旬のキノコと鮭のホイル包み焼き」なるものを注文し、その中に入っている白いエノキを美味しそうに食べている姿を見るたびに、「そのキノコ、ぜんぶ天然ものじゃないよ。人工物だよ。何が秋の味覚、旬だよ」と思っていたものです。東京にいた頃の私は、かなり荒んでいましたね。

でも、信州で食べるエノキは、何か違う。
人工的に作られた白いエノキでも、味わいといいますか、風味がいい。
東京で食べていたものとちょっと違うような感じがします。
信州にきてからというもの、私はエノキがとても好きになっていきました。
人間というのは、本当に自分勝手な生き物です。

さて、その買い物を頼まれたエノキですが、封を切ってみるとちょっと嫌な匂いがしました。なんと、軸のほうからちょっと腐っていたのです。

「うわ、なんてことだ、、、」

欧米などでは、こういうものは即返品できるのかもしれませんが、私のような小心者の日本人ではなかなか返品できないものです。
もう封もきっていますし、これをそのまま持っていっても、本当にそのスーパーで買ったものなのかを立証するのも手間です。いつもよく使っているスーパーで、たちの悪いクレーマーだと思われるのも嫌ですし、、、
そんなやるせない気持ちをおさえながら、そのエノキくんは庭の隅に安置させていただきました。

おそらく経験豊富なお母さま方であれば、スーパーでエノキを手に取る瞬間に「色がいつもと違う。何か変かも」と、すぐ違いに気づくのだと思います。
しかし、あまり普段食材を吟味して購入していない私のようなものが買い物に行けば、こんなものです。まさに「経験値」の違いです。

経験値といえば、私はこの仕事を初めて20年以上たちますので、かなり経験値は高いほうだと思います。
本当に数多くのお子さんの学習をサポートさせていただきました。
数多くの失敗も経験してきました。
その経験の中で、学習、教育面で成功されるご家庭の共通点のようなものもわかってきました。

すぐに思いつく共通点は「継続性」です。

成功されているご家庭の多くは、一度始めたらなかなかやめません。
数年単位で継続していきます。

昨年度も難関校受験を成功されたご家庭の多くは、幼稚園のころから「でき太くん」の学習をスタートし、受験本番のその日まで学習を進めておりました。数年間、学習リズムを崩すことなく、淡々と学習を継続しておりました。

ここで誤解していただきたくないのは、私は継続できないことを責めるつもりはないということです。私がこれまでサポートをさせていただいたご家庭の共通点として、継続性があるということをいいたいだけです。
成功しているお子さんを見ていると、いつもそう感じてしまうのです。

たとえば、仲良し3人組で入塾してきたお子さんたちがいたとします。
もしそのうちの2人がやめてしまったとしたら、残りの1人はどうするでしょう。
もしあなたのお子さんが、この残りの1人になったら、どうされますか。

成功されるご家庭のお子さんは、もしその塾の理念、指導方針に心から賛同するところがあれば、2人がやめても継続します。
逆に、成功しないご家庭は、仲のよいお友達2人がやめたという、学習とは本来関係のないような事象に流され、わが子もやめるという決断をしてしまうことがあります。

この「違い」はなんで生まれるのか。

このことをしっかり考えておくことが、成功に欠かせない「継続性」を自分のものとするポイントだと思います。

私がこれまでの経験で感じることは、成功されているご家庭では、入塾前は本当によく吟味されています。
塾の方針、指導方法、講師の質。
そういったところをじっくり検討されています。
私もそれは痛感します。

本当にわが子の教育の一端を任せてもよいものなのか。それに応えられる人物なのか。
そこに納得できなければ、入塾しません。

もし、いくら吟味してもわからない場合は、それがわかるまでは通塾させ「これはダメだ」と思った瞬間に、他の仲良し2人が継続していようと退塾します。
わが子の大切な時間を預けるだけの価値があるのか、継続するだけの価値があるのかを常に主体的に考えているのです。

私は、この主体性がとても重要なのだと思います。

自分が主体となって「これだ!」と思ったものを、大切にしていく。
そして、その大切なものについては優先順位の高いものとして家庭で位置付けていく。
そうすることで「継続性」というものが生まれてくるのではないかと思います。

多くのお子さんが、歯磨きを習慣化させることができているのはなぜか。
それは、各ご家庭が永久歯の大切さを主体的に認識し、歯磨きの優先順位を高めているからだと思います。

「でき太くん」が、みなさんにとって優先順位の高いものとして位置付けていただけるように、また信頼にたる学習材となるように、これからも精進していきたいと考えております。

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