でき太くん三澤のひとりごと その153
◇ コーチ
このコラムを以前から読んでおられる方はご存知かと思いますが、私は昨年から「インディアカ」というスポーツを始めました。
私の仕事は、朝から夕方までずっと机での作業が中心となりますから、意識して体を動かすようにしないと、運動不足となってしまいます。インディアカは、それほど激しい動きを必要とはしませんので、運動不足解消にはちょうど良いスポーツです。
インディアカでは、バトミントンの羽のようなものを使います。
バトミントンは、羽の先にゴムのようなものがついていますが、インディアカではそのゴムの部分がスポンジになっています。
ルールはバレーボールと似ており、高齢者でも楽しめるスポーツです。
先だって、他のインディアカチームの練習風景を見学してきました。
そのチームは、在籍されている方の年齢層が幅広く、若い人もいれば、60代、70代の方も在籍しておりました。
その見学の際に気になったのは、そのチームで中心となっている方の言動でした。
おそらくその方がコーチのようなものも兼任されているのだと思いますが、その方は「無理」、「できない」というような言葉をよく使うのです。
「今のあなたでは、その動きはできないからやめたほうがいい」
「今のあなたのレベルだと、それは無理」
というように、チームに在籍しているメンバーに指示を与えるとき「無理、できない」という言葉をよく使うのです。
確かにその方が出す指示はまちがってはいないとは思いますが、そういうマイナスのイメージを含んだような指示を出されたとき、相手がどのように感じるのかということを想像できない人だと思いました。
マイナスのイメージを含んだ指示を与え続けると、チーム全体の雰囲気がどうなるのか。
目には見えない雰囲気というものをイメージできない人のように思いました。
「今のあなたのレベルだと、それは無理」
「今のあなたでは、その動きはできないからやめたほうがいい」
というような声かけをされて、やる気になる人は少ないと思います。
そういう声かけをされても、
「もっと上手くなって、見返してやろう!」
「あなたはすごい!」と言わせてやろう!
というように、前向きに取り組める人は、おそらくこれまで運動面で劣等感を抱いたことがない人です。
運動神経も良く、学校の体育でも部活動でもそこそこやれた人でしょう。
しかし、みんながみんなそういう人ではありません。
運動面では苦手意識や劣等感を抱いている人もいます。
人に指示を与える立場にいる人は、一人ひとりの状況をしっかりと認識し、その人にあったアドバイスを与え、指導をするべきだと私は思っています。そして、みんなが前向きに練習に取り組み、全体の雰囲気が向上していく指導をするべきだと思っています。
ここからは私の勝手な想像ですが、おそらく今回見学したチームは、今以上の成長はないと思っています。
みなさん上達することを目標に練習していますが、否定の連続ではモチベーションも上がりません。
雰囲気は次第に悪くなってきます。
みなさん口にはしませんが、「そんな言い方しなくても、、、」と、心の中では思っているはずです。
そういう不満から、次第に脱落者も出てくるかもしれません。
全体の雰囲気がなかなか良くならず、脱落者も出てくるという現実を見て、おそらく今回のチームのコーチは、自分が原因だとは想像できないでしょう。
「やる気のない人たちだった」
「気があわない人だちだった」
「向上心のない人たちだった」
「そもそも運動が苦手な人に指導するのには限界がある」
というように、相手に問題があると考えるのではないかと思います。
今回見学をして、改めてコーチの役割は大きいと思いました。
子どもの成長を見守る私たちも、子どもからすれば、ある意味人生におけるコーチであるわけですから、自分の言動が子どもにどのように伝わっていくのかを想像できる感性を磨いていきたいですね。
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