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死にかける大事故で学んだ保険の話 ~第51話 パラグライダーで墜落 そして入院~

パラグライダーの大会での墜落事故。
そこで学んだ「保険の話」をしていきます。

踵、骨盤、腰、右肘を骨折して3ヶ月の入院。入院生活の中で実体験として得た学びです。身を持って体験したので余計感じることですが、保険はめちゃめちゃ大切です。
この記事を読んで、皆さんが自分の保険を一度見直す機会になればと思っています。

先に最も良いたいことを言ってしまうと、
・今はネット保険など、安い保険もあるが重要な保険は少しコストが高くなったとしても、担当者のいる保険に入ったほうがいいです。
・担当者さんと契約している保険の中で大切な部分や注意点を聞き、自分でもちゃんと勉強したほうがいい。

ということです。

色々あったんですよ。事故後の保険。。。
まず、結果的に一番頼りにしていた保険がおりませんでした。これはちゃんとしていなかった自分が原因です。
そしてもう一つ。ちゃんとおりた方の保険も保険に提出する診断書に間違いがあり、保険料が120万円減らされるところでした。

120万円。めちゃめちゃ大きいですよね。なぜそんな事態になってしまったのか。自分の保険で失敗したところ、良かったところなども含めて赤裸々に話していきます。


入っていた2つの保険

まずは大前提の話を。私が入っていた保険は大きく分けて2つありました。
・パラグライダー保険
・医療保険
この2つです。

2つの保険の概要

<パラグライダー保険>
パラグライダーを始めた頃に入った保険です。所属していたパラグライダーのクラブを経由して入りました。保証がおりなかった保険というのは、このパラグイラダー保険です。おりなかった理由は「団体保険」だったからです。詳しくは後で詳しく書いていきます。

<医療保険>
フォトグラファーとして独立したばかりの頃に住んでいたシェアハウスの同居人に保険の営業をしているNさんという人がいました。その人がきっかけで入った保険です。
「フォトグラファーとしてフリーランスになったなら保険はしっかり見直すべき。そしてパラグライダーをしているなら、なおさら入ったほうがいい。」
とNさんに言われました。
私自身、フリーランスになって保険のことはちゃんとしなきゃと丁度思っていた時でした。そして何より、一緒に生活をしていく中でその人のことは信頼していました。
保険に入りたいことを伝えると、Nさんはフリーランスとパラグライダー、両方を考慮し、私に合ったプランを作ってくれました。結果的にNさんの勧めてくれた保険に入ったことで、今回の事故での保険がおりて、救われました。今の自分の生活があるのはNさんのおかげといっても過言ではありません。

それぞれの保険の詳細

パラグライダー保険がおりなかった理由

ざっくり言うと、私が入っていたパラグライダー保険が降りなかったのは団体保険だったからです。

自分の認識不足が招いたミスです。事故したときに保険がおりる条件というのをちゃんと把握せずに、「パラグライダーの保険には入っているから大丈夫」と甘い認識のままでした。

この保険に入ったのはパラグライダーを始めた頃です。その頃はまだ練習生でインストラクターが必ずいましたし、スクーリングでみんなと一緒に飛ぶことしかありませんでした。だから、団体保険でよかったのです。しかし、パイロットライセンスを取得した後は自由に飛べるようになります。スクールで飛ぶ以外にも、一人で何処か天気や風のいいエリアにいって飛ぶこともあります。そうなると「団体保険」では適用範囲から外れます。自分はここの認識が甘すぎました。この時に保険を団体保険から個人保険に変えなければいけなかったのにしていませんでした。

事故した大会はクラブのメンバーで選手として参加していたのは私のみ。当然、団体行動とはみなされなかったため、保険適用範囲外となってしまったのです。このミスは自分の基礎的な認識不足によるもので、かなり初歩的なミスです。完全に自分が悪いです。

一つ大きな学びとして、

保険はこういった条項の違いで保険がおりる、おりないが変わってきます。おりたとしても、補償額が大きく変わることもあります。なので、自分に合った保険、保険のプランに入っているかどうかは自分の状況が変わる度に見直し、更新していく必要がある。

のだと改めて痛感しました。

医療保険のほうはちゃんと給付された

続いてもう一つの保険、医療保険の方です。こちらはちゃんと保険金が出ました。やはり担当の人がいるというのは大きいです。

少し話を戻すと、パラグライダー保険は担当営業のつかない団体保険でした。「何かあれば自分で調べてね。そして保険を使うことになった時のサポートも最低限です。その分人件費がかからないので、安いですよ。」というタイプの保険でした。

一方で医療保険の方はフリーランスになったのを機に引っ越した先のシェアハウス同居人Nさんから勧められて入った大手保険会社(A社)の保険です。なので、フリーランスが怪我で無収入なった時に必要な保証だったり、パラグライダーで怪我をしたときに必要になる保証など、私に合わせたプランを提示してもらい入った保険です。

さらに、その保険に入った何年か後、Nさんは引き抜かれて別の保険会社に転職しました。それでNさんは扱う保険が増えたました。

「A社の保険のこの部分を抜けてB社の保険に入ると、ほんのちょっと月々の料金は上がるけど、より手厚くなるからすごくオススメだよ。よかったら会って説明しましょうか?」と連絡をくれました。詳細は省きますが、自分でも納得できるものだったので、Nさんの提案してくれたプランに変更しました。

事故にあったのはその数ヶ月後です。本当に助かりました。

担当者のいる保険のススメ

担当者のいる保険に入ったほうがいいというのはこれが理由です。
今はネット保険など、なるべくコストを抑えられる保険もどんどん出てきています。なるべく月々の支払いも抑えたいという気持ちもありますし、魅力的に見えますよね。「最低限の保証があればいい」「とりあえず入っておきたい」といった保険であれば安い保険でいいのかなと思います。

一方、大きな怪我などの危険を伴う仕事、趣味をしている人にとって、その分野を担う保険は非常に重要なものとなります。そういった重要な保険は担当者いる保険に入ることを私は強く勧めます。

自分のニーズにあった保険のプランを提示してくれます。単に自分にあった良いプランというだけでなく、その保証が対象になるかならないかといった細かい部分も考慮してくますし、もしそこに注意点があれば、その事もきちんと説明してくれます。
そしてなにより、何かあった時には親身になって対応してくれます。

自分にあったプランの保険に入れること。そしてその後のサポートがしっかりあること。これいざって時に本当に大きいです。死にかけて病室にいて自分は何も出来ない時、、、。自分がピンチの時にこそ、そういったサポートがあることの重みを痛感しました。

Nさんが東京から愛知の病院まで来てくれた!

Nさんは本当にありがたいことに東京から私が入院している病院まで面会に来てくれました。そして保険のことを色々と教えてくれました。どれくらいの保険金が降りる見込みなのか。どういう条件で、どういう注意点があるのか。そしてどうやって申請すればいいのか。すごくわかりやすく丁寧に教えてくれました。

こうやって保険の営業の人が丁寧に説明すること自体は普通のことなのかもしれません。でも想像してみてください。死にかけて、仕事がなくなり、収入がほとんどなくなり、体もまだまだボロボロ、、、。将来に対しては不安だらけ。。。そんな状態の時に、保険がこれくらい出る見込みですよ、という話を優しく丁寧にしてもらえるわけです。どれだけ安心できたことか。本当に救われました。

さらに踏み込むで説明の話をすると、Nさんが伝えたことでその後の展開に大きな影響というか差になった、2つの情報があります。
まず1つ目は保険で降りるであろう保証がどういったものかです。また、その保険が降りる条件などの注意点をしっかり教えてくれました。
そして2つ目に、病院から出してもらう診断書が本当に合っているか必ず確認することです。

いくらNさんがしっかりとサポートをしてくれるといっても、すべてにおいてNさんが動けるわけではありません。病院の診断書をもらったり、申請書への記入などの動きは自分でやらなければいけません。

このアドバイスのお陰で本当に本当に助かりました。Nさんから説明を受けた後、更に自分でも資料を見て改めて勉強したんです。お陰で診断書の不備に気づくことができ、危うく保険金が120万円も減らされるところを回避できました。

診断書不備の詳細

私が加入してした保険の保証の中に「一定の介護状態が30日続いたら60万円保証されます。また、次の30日も介護状態が続けばさらにもう60万円保証金がでます。」というものがありました。
この「介護状態」というのは保険会社が決めた条件にあてはまっているかどうかで判断されます。

うる覚えですがざっくり言うと、
A)歩行器や杖などの補助がないと歩行ができない状態であること
そのうえで
1)入浴するのにサポートが必要である
2)食事をするのにサポートが必要である
3)着替えにサポートが必要である
とった条件が10個くらいあり、その中の2つか3つ以上が当てはまる状態が30日続いたら保証される、という条件でした。

キーポイントになったのは「着替えにサポートが必要になる」という部分です。

↑にもすこし書いているのですが、自分は看護師さんの仕事を減らす、つまりなるべくナースコールする回数を減らそうを色々工夫しながら入院生活を送っていました。

工夫していることの一つに着替えがありました。入院中、ずっとコルセットをしていいたこともあり、腰が全然曲げられませんでした。また、右肘も怪我の影響で真っ直ぐに伸ばすことができません。なので足まで手が届かないので、自分でズボンを履くことができませんでした。

でも私、病室にマジックハンドを置いていたんです。身動きが取りづらいため、ものを取ったりが大変だったため、アマゾンで購入し、親に持ってきてもらったんです。

手が届かなくてズボンが履けないだけなので、マジックハンドを使えば問題なく履くことができます。これによって着替える度にナースコールをする必要がなくなりました。

問題はこれによって私のカルテには「着替えは自分で可能」と書かれてしまっていたようです。 誰がどう診断書を書いたのか詳しくはわからないのですが、私の場合は医師だけでも、踵と骨盤を手術した医師、腰を手術した医師、リハビリを担当した医師と3人の医師が関わっています。なので、担当から外れた細かい情報などは共有されづらい側面もあるのでしょう。とにかく診断書の情報は大きく間違っていました。

3ヶ月入院していたのですが、1ヶ月経ったくらいからマジックハンドを使えば自分で着替えれるようになっていたのです。なのでカルテ上では私は入院2ヶ月目から「着替えのサポート必要なし」となっていたようです。実際には退院して2ヶ月経ったくらいでやっとコルセットを外してよくなり、腰をちょっと曲げれるようになったことでマジックハンドなしで着替えれるようになりました。(この時でも靴下まで履くのは大変でした。)

入院生活が終わり、退院した後、保険を申請するために診断書を書いてもらうわけことになります。診断書は同然カルテの情報も見ながら書かれているのだろうと思います。

最初もらった診断書を確認したところ、「入院二ヶ月目から着替えはサポートは必要なくなった」と記載されているわけです。自分からしたら、「いや、今でもマジックハンドがないと着替えられないよ。」となるわけです。つまり実質的には未だに一人で着替えられない体なわけです。診断書の内容が事実と大きく異なっています。

これは大問題です。
というのも、保険会社が出している「介護状態」の条件に当てはまっている状態が実際には90日以上続いているはずなのに、診断書では30日ちょっとしか続いていないことになってしまっているのです!!
30日続くと60万円です。60日分なら保険料が120万円も変わってしまいます。

Nさんから「介護状態の部分はしっかり把握しておいて。診断書はもらったら必ず一度自分で確認してね」と言われていた私はすぐに診断書の間違いに気づくことが出来ました。これはまずいと、間違っている部分に付箋を貼って、「事実はこうだからこう書き直してほしい」と書いたものを病院へ持っていき、再度診断書を作ってもらいました。(ちなみに着替えの部分以外でも間違っている部分が他に2箇所ありました。。。。)

再度作ってもらった診断書は正しい内容となっていたので、Nさんに最終確認をしてもらい保険会社に申請しました。そして正しい金額の保険金を受け取ることができました。

まとめ

ということで、私が今回の事故で学んだ保険のことをまとめると、

~重要な部分の保証のための保険は担当の人がつく保険に入ったほうがいい~

私のようにリスクあるスポーツをしている人だったり、そういったリスクのある仕事や趣味をしている人にとって保険が大切なのはいうまでもありません。
そして自分に合ったプランの保険を担当の人が提案してくれるのはすごくメリットがあると思います。ネット保険などでコストを抑えたい気持ちはわかるはわかります。でも保険というものは条件のちょっとした違いで保険が降りる降りないといった差がうまれてしまうこともあります。そういった条件なども考慮して、貴方にあったプランを提案してくれるので、担当のいる保険にはいることを強く進めます。いざという時にちゃんと保証がおりること。そして相談できるというのは本当にありがたいです。ちょっとコストが高くなったとしても、それ以上の価値があるものだと私は思います。

~それでも任せきりにするのではなく、自分でも勉強して、把握するようにしよう~

いくら担当の人が手厚いサポートをしてくたとしても、すべてをサポートできるわけではありません。自分で対応しなければいけないこともあるし、自分で書類を記入して申請しなければいけません。申請内容に関して、自分は知っていて、担当の人が知らないこともあるはずです。だからこそ、担当の人に色々聞いたり、教えてもらいながら自分でも保険のことを学んでおくことは重要です。場合によっては補償額が大きく変わってしまう、なんてこともあるかもしれません。

最後に

余談となりますが、保険金のことでいうと、「大きな事故をした時、保険に入っているとむしろ儲かる」なんてことをどこかで聞いたことがあるのですが、、、、。自分の場合は全然そんなことなかったです。
「死にかけたのに、これだけのしかもらえないんだ。。。。」というくらいの金額でした。

入院費自体、結構かかります。国の健康保険で多くが帰ってくるといっても、一旦は自分で支払わなければいけないですし、健康保険の対象にならない入院中の出費もけっこう色々とあります。また、入院中も税金やいろいろな支払いなどは毎月やってきます。なのでお金はすごい勢いでなくなっていきます。(無収入でなくなっていくお金のペースは恐ろしいです。マジで。)

そういった入院中にかかったお金で保険金の半分近くはなくなりました。

そして退院してすぐに働けるわけではありません。自分の入院していた病院は急性期と回復期の両方の機能を備えた病院な分、退院するタイミングもどうやらかなり早めだったようです。

そういったこともあり、療法士からは「退院後、最低1ヶ月間は休んでほしい。その間に働くのはおすすめできない。」と言われていました。ちなみにこれ、座ってのオフィスワークなどの話だったみたいです。フォトグラファーという仕事は思っている以上に体を使う仕事です。なんとか仕事復帰できたのは退院して約3ヶ月後でした。この時点で事故から半年たっていました。

フリーランスだと、その間収入は途絶えるわけです。多くの仕事がなくなり、更に自分の場合は拠点が変わってしまいました。(まだもう一度手術があるので拠点を東京に戻すのは現実的ではありません。)

新たに仕事をつくっていかなければ、、、どうにもなりません。なので必死に種まきしている状況です。まぁ、フリーランスのフォトグラファーという自分の仕事故の要素もあるとは思いますが、「大きな事故にあうと儲かる」なんてのは全然嘘だな、、、と思っています。

正直に、、、赤裸々に話してしまうと、保険の残りのお金がなくなっていくペースに対して、いつ自分の収入が上回るかが大きなテーマになっている状況です。

でも見方を変えると、どうやって仕事を作っていくかといったことを落ち着いて考えられるのは、まとまったお金を保険でもらえたからです。そのお金がなかったら、身動きの取れない、どうしようもない状況になっていたかと思います。

儲かることはないにしても、そんな状況でまとまったお金をもらうことができる保険はめちゃめちゃ重要です。そういった意味では本当にNさんに救われました。Nさんの存在がなければ今頃自分の生活はどうなっていただろうと想像するだけで恐ろしいです。

Nさん、本当に本当にありがとうございます。


さて、ここまで読んでくれてありがとうございます。

保険はいざという時、、、マジで重要です。
これを機に自分の保険を見直してみては如何でしょうか?



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