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復讐の夢

 とあるホテルで紳士が悪人に殺され、運び出されていたことを後に知り、それぞれ復讐のために犯人を殺しにいく若い女性や老婆の物語。

 軽犯罪で収容されていた若い女性は、監獄から脱出する。その際、それに巻き込まれる形で(手違いで)高温の檻に閉じ込められた囚人が二人。彼女たちは身体が内側から溶けて苦しみながら死んでいった。
 障害があって耳が聞こえない女性だが、なぞの方向感知能力があるらしく、大海原を泳ぎ続けて自力で他国までたどり着き、悪人を殺そうとした。衝動的で短絡的なそれは失敗し、怒った悪人の恋人がハングライダーを操って波間をひたすら追いかける。女性は深く潜って逃げおおせた。
 悪人の恋人は悔しがり、探偵を使って女の住処を探し出して執念深く仕返しをしようと企んでいた。

 そんななか、悪人の表向きの職業は順調で、メキシコ?の大使館パーティーに、世話になっている宿の婦人たちを招待した。正装し、華やかな民族衣装に身を包み、続々と庭に集まる婦人たち。賑やかに楽しんでいたのも束の間、そこで発掘された腐乱死体の異臭は凄まじく……会場は阿鼻叫喚の渦に包まれることとなった。


 またしても危機一髪で助かった悪人がいた。
 彼は外に出て、恋人の不手際を責めようとするが、恋人は己の黒い車の前で絶命していた。後頭部が割れて脳みそが露出している。なにかを言いかけたまま固まったような表情が、一瞬の出来事であったことを物語る。
 それを静かに見下ろして、あっさりと身を翻す男はやはり骨の髄まで悪人なのだろうか。

 ついに老婆は紳士の研究成果である原理を利用して、非力ながらも大の男2人(悪人と、悪人の警備をしていた男)を縛り首にして殺す。
 ようやく達成した喜びから歌いながら、いつもの仲間とすぐ近くの田んぼで朗らかに畑仕事に取り組む。その姿はまったくもって疑われない、日常に溶け込む風景。
 なんて愚かな人々なのだろう。それが楽しくて楽しくて、笑いが止まらない老婆だった。


 ひどく残酷な夢を見てしまった。。

 ラストで、壊れたように笑う老婆の姿が痛々しくもあり、全体的に目を背けたくなるような光景ばかりだった。

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