秋ノ月げんのライトノベル書けるかな(Idol Side)11.賢さん心の闇

 11.賢さん心の闇

「いくらなんでもあれはないよね。あのミヤビさん、ちょっと自意識過剰なんじゃないの?」
「うん。」
「そういえばさ、あの後変なカメラマン来ちゃってさ、背景布の裏側で、体育座りしてくれなんて言うんだよ! 露骨にパンチラ狙ってるよねぇ~。」
「うん。」
 イベント撤収後に二人で食事に入ったサイゼリヤで、あたしがしきりに話しかけても、賢さんはずっと上の空だった。
「そんなに気を落とさないでさ、来月のイベントで、あたしもミヤビやるから。」
「うん。」
 だめだこりゃ。
「愛してる。」
 よっぽどこれを言おうかと思ったが、やめた。これに対してまで生返事で返されたりしては、今度はあたしが死にたくなる。
「そろそろ、帰ろうか。」
 やっとまともに発してくれたのが、この一言だった。

 その晩から、賢さんのツイッターでの発言が荒れだした。


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