秋ノ月げんのライトノベル書けるかな(Idol Side)5~6.野外音楽フェスティバル
5. 野外音楽フェスティバル
兵庫を朝の五時に出発して福井まで、石川社長の運転で高速道路に乗り、途中休憩を挟んで六時間、十一時に福井駅前に着き、駅構内のお蕎麦屋さんでおろし蕎麦を食べてから中央公園に行った。
お天気に恵まれ、下がショートパンツでも上がブルゾンだと暑いくらいだった。
あたしと石川社長、それとMオフィスの営業係である永井さんが野外ステージ裏に着いた時、ステージ上ではギターを持ったおじさんが、ジョン・レノンの“イマジン”を、この地方の方言なのか独特のなまりが入った日本語で歌っていた。事前にもらっていたタイムレコードを確認すると“大谷楽団(射水市)、曲目:いまずん、くりから峠”とある。
「桜ちゃん、お疲れ様。」
声をかけてきたのはあたしの追っかけをしているMASAさん、今日もビデオカメラを片手に登場だ。
動画共有サイトに上がっているあたしのライブやトークショーなどの映像は、ほとんどがMASAさんの撮ったものだ。
「すいません、Mオフィスの方でしょうか?」
大谷楽団の2曲目が始まった頃、もう一人声をかけてきた人がいる。
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