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介護予防事業に必要なのは非専門職だと思う〜お節介おばちゃんを運営に入れてみた〜

介護予防ってなに?

7月からシンクハピネスで介護予防・日常生活支援総合事業のうちの介護予防・生活支援サービス事業を府中市から委託を受けて実施しています。すでにややこしい名前が出てきているので、ここで離脱してしまいそうな人が出てきそうですが、最後まで読んでくれるとかすやは喜びます。

まずは介護予防について話をしますね。

2015年の介護保険法改正により、高齢者が要介護状態にならないように総合的に支援する「介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)」が創設され、2017年から全国のすべての市区町村で様々なサービスが開始されています。

今までの介護予防事業というのは、介護認定の申請をしたけれど「非該当(自立)」となった高齢者を対象に行われていましたが、2015年の法改正によって、要介護認定の申請を行わなくても介護予防のサービスを利用できるようになりました。

もう少し具体的な話をしましょう。要介護認定は要介護1~5、要支援1,2という7種類に区分けをされます。2017年までは、すべての要介護認定者に対し、介護保険制度においてサービスの提供がされていましたが、法改正以降は要支援1,2は切り離されます。切り離された要支援1,2の人たちは、市区町村が行っていた介護予防事業の中に組み込まれることになったのです。

言い換えると、「国の予算がなくなったから市区町村が責任を持って、それぞれの特徴を活かして事業を行ってね」とも言える法改正でした。

介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)について

総合事業は大きく分けて介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業があります。このうちの介護予防・生活支援サービス事業の業務委託をシンクハピネスが受けることになりました。介護予防・生活支援サービス事業はさらに細かく分けられ、要支援者の訪問介護と通所介護(デイサービス)と、介護予防や生活支援を必要とする高齢者のための訪問型と通所型のサービスがあります。私たちは、生活支援を必要とする高齢者のための通所型のサービスを7月から運営しています。

出典:厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000088276.pdf)

みなさん付いてきていますか?
すっごく分かりづらいですよね。僕自身、説明する機会が良くあるのですが、うまく説明できません。さらに分かりにくい話をしますのでもうちょっと付き合ってね。

生活支援を必要とする高齢者のための通所型のサービスを運営していると言いましたが、上の図では黄色で示されている通所サービスというところになります。右を見るとさらに①〜④に枝分かれしているのですが、僕らがやっているのは④通所型サービスC(短期集中予防サービス)になります。

通所型サービスC(短期集中予防サービス)って何?

通所型サービスCの説明は公益財団法人長寿科学振興財団のHPより引用します。

通所型サービスCとは、市町村の保健師等が公民館等で生活機能を改善するための運動器の機能向上や栄養改善等のプログラムを3~6か月の短期間で行われるサービスです。事業内容は、日常生活に支障のある生活行為を改善するために、利用者の個別性に応じて、プログラムを複合的に実施していきます。プログラムには以下のものがあります。
1.栄養改善プログラム
2.口腔機能の向上プログラム
3.認知機能の低下予防・支援
4.運動器の機能向上
5.膝痛・腰痛対策
6.閉じこもり予防・支援
7.うつ予防・支援
8.ADL/IADLの改善

出典:公益財団法人長寿科学振興財団「通所型サービス(第1号通所事業)とは」https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/chiiki-shien/houmon-kaigo-yobou.html

基本的に求められているのは上記の内容ですが、方法や手段はなんでも良いというところが僕らがサービスCを受けた一番の理由です。今まで府中市内では様々な事業体でサービスCを実施してきましたが、なんかうまくいっていないなというのが正直な感想です。

これに関しては、サービスCの事業内容が分かりにくい、サービス提供側の負荷が大きい、その割には報酬が少ないなど様々な要因があると思っています。そして、個人的にはほとんどの事業所が介護保険制度における通所サービスと同じような体制でサービス提供をしているところに注目をしていました。サービスCは介護保険制度よりも、その人の暮らしを見る必要があると感じています。

ここを考えた時に専門職の関わりだけでは目的は達成されないと思っていて、施設で利用者をお迎えしているだけの専門職ではなく、施設から飛び出てまちと関わり、どのような人がどのような課題を抱えて暮らしているのかを経験しているような専門職が必要です。もっと言うと、専門的知識を持っていない、同じまちで暮らす地域住民の関わりは、すごく重要になると思います。

もし、自分で通所をやるなら専門職だけではなく、地域の人たちと一緒にやりたいなーという妄想があったので、府中市からお話をいただいた時は、「ついに来た」という感じでした。

お節介おばちゃん(通称お節介ババア)

今日までに5回を終えましたが、お陰様で府中市や地域包括支援センターの職員からは好評をいただいております。あと7回あるので、僕らの活動から介護予防に対する空気を変えられるように、みんなでがんばっていきまーす!

では、また。




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