見出し画像

毒づきドクコのエンターショー4

『さぁーてと!リコ、どこからいく?』
と、ドクコはルンルン気分で色んなドアを見渡した。

『え?行くってどこに?』

『あなたの恋愛遍歴の旅に決まってるじゃないの!!』

『恋愛遍歴の旅?』

『もぉ!飲み込みの悪い子ね!
あなたの恋愛はどこから形成されているのかルーツを辿るのよ。元から男に騙されるような子だったの?違うでしょ⁉️どこかでそうなったきっかけがあるってこと!』

ドクコは飲み込みの悪いリコに早口で説明をした。

リコは自分の恋愛が形成されたきっかけがあるなんてと思わず、ドクコの話を聞いてまたポカーンとなっていた。

ただドクコの話を聞いて、自分の恋愛観がどこから生まれたのかが気になるリコは『わかりました。行きます、行けばいいんでしょー!』と思わず言ってしまった。

『そうこなくちゃ!』ドクコはニヤリとしてリコに聞き直した。

『さぁ、どこからいく?』
『じゃ、じゃあ、あの水色のドアから』
『水色ね!準備はいい?行くわよ!』
ドクコはまた大きな薄汚い布を出し、その上にリコを乗せて魔法の絨毯のように一直線に水色ドアの中へ飛び込んだ。
『わぁぁぁぁぁぁーーー!!』とリコとまた叫び始めたので、ドクコは『だからうるさい!』と注意しながら、水色のドアの中に消えていった。

ものすごいスピードで駆け抜けるドクコとリコ。
駆け抜ける空間の左右にはリコが小さかった頃や学生時代など数々の写真が思い出アルバムのように映像が流れていく。

『振り落とされないでね!リコ。
落ちたら探しにいくの大変なんだから!』とドクコはリコの手を掴み、自分の腰にしがみつかせた。

リコは猛スピードの中でふと思った。
『あれ?あたしいつからこんなに恋に後ろ向きになったんだっけ。。。?』と。

人は過去を色んな形で心に収める。
良いことも悪いことも。
自分の都合の良いように記憶する人もいれば、悪いように捉えすぎて自分で足枷をつけてしまう人、自分をコントロールできない人,ただひたすら我慢する人など。

それによって自信を無くす人、人を嫌いになってしまう人など、様々な原因が生まれ、記憶として残り、人のコンプレックスが生まれる。

リコは恋愛への怖さや不安を
取り除けるのだろうか。。

さぁ、ここからリコの恋の旅が始まる。


つづく。。。

この記事が参加している募集

私の作品紹介

眠れない夜に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?