アプリ開発に行き詰まったので使われない機能を削除してみた
はじめに
こんにちは!「Feelyou(フィールユー)」というC向けアプリの開発をしている多田といいます。
今回の記事では、プロダクトづくり初心者の筆者が、この一年でもっとも悩んだこととその転機について書きます。
筆者について and なぜ書くのか?
私は会社で唯一のビジネスメンバーであり、プロダクトの成功のために開発以外のこと(オフィスの清掃からピッチまで)をなんでもやるという立場の者です。プロダクトづくりにおいて特に強い分野はありません。強いて言えば熱量くらいです。
プロダクトマネージャーという観点ではピヨピヨのため、記事を書くのはお恥ずかしいのですが、いつも勉強させていただいているプロダクト筋トレコミュニティになにか貢献したかったのと、プロダクトづくりという観点で私と同じような状況の方に少しでも経験を共有できれば、と思い書くことにしました!
アプリ機能開発の行き詰まり
私たちが作っているアプリ「Feelyou」は、簡単に言うと「日記をみんなに公開する」アプリです。「天気が良くてうれしいな😄」とか「仕事で失敗して悲しい😢」など、なんでもない毎日を世界中のみんなで共有するものです。(コンセプト自体はまだ試行錯誤の段階で、リリースから今まで色々試している最中です)
コロナ禍の2020年4月に開発を始め、7月に英語圏向けにリリース。そこから日本でGoogle Play ベスト オブ 2020の部門別大賞をいただいたり、今年の5月にはNHKテレビに特集いただいたりしました。
そうして基本コンセプトは注目いただく機会が多少あったものの、この2021年、開発の方向としてはかなり悩んでいました。
詳細は省きますが、アプリ内のユーザーの活動をより活発にするために試行錯誤しており、以下のような状況が数ヶ月間続いていました。
その結果、「やってみたいことはたくさんあるが、きっとまた同じことになるだろう」という気持ちになってしまい、動けなくなってしまいました。チームとして、なにか施策をやってみようと思っても、やる前から同じ結果を想像してしまう雰囲気になっていました。
プロダクトづくりに関する知識は本や動画でたくさん吸収してきたし、いろんな方の記事や資料も読み漁った。みんな、知識としてはいろいろ知っているつもり。だけどどんなフレームワークに当てはめても突破できる気がしない。
この状況をどうにもできず、しかしなんとかせねばならず、数ヶ月、苦悩の日々を過ごしていました。
「使われない機能は消してみたらどうですか?」
そんなとき、とあるスタートアップのPMの方に相談できる機会を獲得しました。
結論としては、このときもらった一言が転機になりました。
「使われない機能を思い切って消してみたらどうですか?」
自分には、「使われない機能を消す」という発想が今までありませんでした!使われない機能はあってもなくても変化がないので消す必要もないだろうという理由と、せっかくエンジニアに作ってもらったのにという申し訳ない気持ちも勝っていたためです。
「そうか、消すというアクションもあるのか」と興奮し、深夜に急いでslackでチームに共有したのを覚えています。
それからすぐに、「使われない機能を消して、機能過多になってしまったアプリをシンプルにしてみよう」プロジェクトを開始。
分析ツールで、ユーザー数と機能の使用頻度のマトリクスを作成し、コア機能、一部の人に愛されている機能、多くの人が低頻度使用している機能、使われない機能の4種類に分類。チームで何度も何度も議論を重ね、ざっくり言うと「一部の人だけ、またはほぼ使われていない」いくつかの機能をリストアップし、年内かけて消してみることに決めました。
それらには、私たちがコンセプトとして大事にしたい機能も含まれていましたが、ユーザーの大半に価値を感じてもらえていないならやむなしと判断。
そして大半に使われない機能といっても、それらを集めるとアプリにとってはかなり大きな変更になるため、ユーザーには1-2ヶ月前から告知をしていきました。
使われない機能を削除した結果
いざ削除してみた結果、なんと、ユーザーの方々からこれまでにもらったことがない数の悲しみのフィードバックが届きました。
9割が海外のユーザーからでしたが、ほとんどが長文で「削除された機能がいかに好きだったか」が記されていました。一度もその機能を使っていないユーザーからもなぜか「前のバージョンに戻して欲しい」という声が届きました。
これまでアプリにどんな変更を加えてもほぼ反応がなかったため、今回も同じかと予想していましたが、本当に驚きました。
そして、表面的な数字や、ユーザーの声として現れてこない中にも、深く分析してみれば私たちのプロダクトを熱狂的に愛してくれているユーザーがいることを知り、止まっている場合ではないと改めて認識できました。(情けないことに、暗闇にいると気づかない)
今回のアクションがプロダクトづくりにおいて正解だったかはわかりません。ですが、今回のことがきっかけで、行き詰まっていたチームの雰囲気も徐々に変わり、また改善に向き合っていくことができ始めているように感じています!
それで、これからどうするのか
多くのフィードバックから、私たちが提供したかった価値と、ユーザーが感じている価値に、ズレがあることに気付きました。そのため、プロダクトの方向性をチームで再度見直しているところです。
先日開催されたプロ筋Confでも多くの学びと発見があったので、プロダクトづくりの基本を改めて勉強しようと意気込んでいます。
「行き詰まり」の段落で書いた悩みついては、また報告したいと思いますし、同じような場面に直面したことがある方ともお話ししてみたいです!🙋♀️
有益なまとめもなく恐縮ですが、最後までお読みいただきありがとうございました〜!
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