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何もわかりませんし決めません

 日記を書くのが流行っている気がする。
 流行っているかどうかは知らないけど、私のツイ友(Twitter友だち)で、カクヨムやnoteで日記を書く人が増えたのは確かです。
 きっかけは、昨年末からTwitterがぐちゃぐちゃになったことがそのひとつだと思っています。友だちのツイートが表示されないとか検索できないとか不便が続いて、ツイッタラーたちが真剣に「次のSNSを探さなきゃ」となったのは記憶に新しい。
 また、それ以前からTwitterがすっかりやるかやられるかの鉄火場になってしまい、迂闊なことを言えない雰囲気になっていました。
 自分の思っていることをもっと落ち着いて書きたいし、読んでもらいたいという気持ちが高まっていたところだったんじゃないか。

「私も日記、書いてみようかなぁ」となったのは、上記の理由のほかにもうひとつあって、「脳直」で文章を書く練習をしたいと思ったんです。
 私は小説を書いているんですけど、とにかく書くのが遅い。
 まず書き出すまでに時間がかかり、ようやく書き始められても内容を考えながら書くので時間がかかり、ある程度書き進めても言葉を直したり消したりするので時間がかかり、もうとにかく時間がかかるんです。簡単な文章なのにね。不思議ですね。別に不思議ではなくそれを「才能がない」というのかもしれないけど今はそういう悲しい話はやめましょう。
 私を応援してくれる人は「そうやって研ぎ澄まされた文章だから美しいんじゃないですか?」とか言ってくれるんですけど、そんなお褒めの言葉を「へへ……そっすか……」と真に受けるにしたって、遅い。遅すぎる。
 頭で考えたことをそのまま出力すれば、饒舌で論理的で読みやすい文章が出力されるタイプの書き手が羨ましい。
 ただ羨んでいても仕方ないので、少し長めの文章を、こういうふうに気楽に書く癖をつけたら小説を書くのも少しは早くならないかな。なってほしいな。なるように皆さんも祈って「スキ」を押したりしていただけるとたいへん励みになります。

 というわけで「ほろよい日記」を始めます。
 更新は毎日ではなく、2、3日に1回になりそうです。とりあえず7月いっぱいはがんばって書こうと思っています。その後はもっと不定期になるかもしれません。何もわかりませんし決めません。気楽にやりますので、気楽におつき合いください。よろしくお願いします。

2023/07/01

 今日も蒸し暑い。
 というと本州の人たちに「この程度で」と思われそうだけど、道民は湿気に弱いんです。すぐ「蒸し蒸しする」とひとりごちてしまう。
(この「ひとりごつ」という表現、ちいかわのおかげでずいぶん広まったんじゃないだろうか……)

 蒸し蒸しする空気を掻き分けて、本屋に行った。
 どういう内容かよくわからないまま、表紙や帯に惹きつけられて、デイジー・ジョンソン(市田泉/訳)『九月と七月の姉妹』を買う。

 姉さんはブラックホール、
 姉さんは倒れてくる木、
 姉さんは海。
 彼女がいなかったら、わたしはひとりの人間ではない。

『九月と七月の姉妹』

 姉妹が複雑な愛憎を抱きつつ依存して離れられない、美しく禍々しく切ないお話なんだと思う。そして、本来は私のような読者を必要としない本なのだとも。私は私なりに好きなんだけど……たぶん、私は「違う」のだ。ひっそりと読ませていただきます。

 昼寝して夕方に起きたら、すっかり涼しくなっていた。夏の終わりみたいな空気だ。まだ始まってないのに。
 札幌はときどき「始まってないのに終わるような日」がある。
 そんなことを思いながら外で晩酌してきました。

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