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フッティー イズ バック!:AFL

こんにちは、いかがお過ごしですか?世界各国でスポーツ再開のニュースが出始めましたね。オーストラリアではNRLに続き、オーストラリアン・ルールズ・フットボール(AFL)が今週末-6月11日に帰って来ます。今回はこのスポーツについて語ります!オージールールと呼ばれるこのスポーツ、通称フッティー(*注1)は個人的にハマってしまったスポーツの一つ!なので、今回の書き方はちょっと個人的になります。ご了承下さい😉

オーストラリアで最も人気のスポーツ🏉

オーストラリアの冬のスポーツ:と言ったら、まずこのスポーツです。「えっ?ラグビーじゃないの?」と疑問を持たれる方もいると思いますが、ラグビーが盛んなのはニューサウスウェールズ州とクィーンズランド州です。他の州(と言っても、残りは4州と1準州のみですが)ではこのスポーツが盛んに行われてきました。どのぐらい盛んなのか、簡単ですが下の表をご覧ください。

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AFLとNRL(ラグビーリーグ)を比べてみました。両方とも人気の冬のスポーツで週末の新聞・ニュースで大きく話題にあがります。どちらのシーズンも冬に行われます。特に目を引くのがAFLの1試合平均の観客数です。約3万6千人が試合を見にスタジアムに行くんですよね。観客数が多いのも凄いですが、3万人が入るスタジアムが多くあるという事実も凄いですよね。一応オーストラリアの人口は2千5百2十万人程です。グランドファイナルという優勝決定戦は一大イベントとしてオーストラリアのカレンダーに記載されてます。この試合は9月の最終土曜日の午後と決まっています。その前日の金曜日はヴィクトリア州では「グランドファイナル・フライディ」という祝日になっていますし、その日(オーストラリアの選挙は土曜日)は全国的に選挙は行われない事になっています。*この土曜日に結婚式をしても誰も参加しないという都市伝説もあります。

そのユニークな歴史

ルールを先に作る:このスポーツは元々クリケット(夏のスポーツ)選手の冬のトレーニング用に作られました。その条件の一つがクリケットと同じフィールドを使う事。1851年にヴィクトリア州として独立しニューサウスウエールズ州の統治下から離れた当時、メルボルンの入植者達がそれぞれの祖国のスポーツルールを持ち寄りこのスポーツを作ったと言われています。1858年、「制作された試合ルールに則り二つの学校の生徒達によって初試合が行われた」と言う記録が残っています。そのユニークさに興味を持った人々が翌年メルボルン市とメルボルンの西に位置するジロング市にそれぞれクラブを作りました。それ以後毎年のようにメルボルンの郊外にクラブが創立され、試合数も増えていきました。初めての試合が行われた1958年から数年の内に多くのクラブが設立され、また、ルール改正を行う事でトレーニング性よりも競技性が増し、観客数も増えていきました。それだけこのゲームに夢中になるメルボルン人が多くいた事なのでしょう。1896年にはヴィクトリアン・フットボール・リークが設立され、毎冬リーグ戦が行われるようになりました。ちなみに、オーストラリアの独立は1901年です。近年になって各州のリーグのトップチームが集結し1990年オーストラリアン・フットボール・リーグを結成し今日に至ります。現在、5州18チームが所属しています。

独特なルール

クリケットフィールド:クリケット、それ自体が日本には馴染みがないですよね。楕円形のグランドでどのスポーツより広いフィールドを使います。下のフィールドに各チーム18人ずつにフィールドアンパイヤ3人、楕円のラインの外にバウンダリーアンパイヤ4人、各ゴールポストの後ろにゴールポストアンパイヤ1人ずつの計45人でゲームが行われます。

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楕円形のボール:ラグビーと同じように楕円形のボールを使用します。大きさはラグビーボールよりも一回り小さく、色は2種類。赤茶色をデイゲームで、黄色をナイトゲームで使います。

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ゲームの始まり:センターサークルにラックと呼ばれるポジションの二人(高身長)が入り、フィールドアンパイヤの一人が楕円形のボールを横にして地面に叩きつけます。バウンドして空中にあがったボールをラックが手でヒットしてボールを味方に渡します。他の選手はセンタースクエアの外で待機します。スクエア内へはセンターサークルのボールがバウンドするまで入れません。この方法、バスケットのジャンプボールに似てませんか?でもですね、アンパイヤが叩きつけたボールが真上に跳ね返るとは限らないのです。あまりにも遠くにボールが跳ね返るともう一度やり直し。2回まで許されますが、3回目はバスケット同様に真上に投げるジャンプボールから始まります。その時のアンパイヤの表情は微妙です。(笑えます)

ゲームの進行:ボールが動き始めたら後は敵のゴールポストの間にボールをキックして入れるだけです。ラグビーボールを使いますが、ラグビーの様に「後ろにしかパスが出来ない」とか、フットボールと名は付いてますが、「オフサイド」もありません。とにかく相手チームのゴールを目指してボールを運んでいきます。ですが、一人でボールを持って走るのは15m以内、それ以上の距離を移動する場合はボールを最低一回ボールを手離さなければならないルールがあります。15m以内に走りながらボールを味方にキックする、ボールを片手で持ちもう片方の手をげんこつにして打つ(ハンドボールと言います。バレーボールのアンダーサーブを想像してください)、バスケットのドリブルするなどの方法があります。---気が付きました?ドリブルするんです。そう、楕円形のボールで。そう、走りながら。ドリブルされたボールはちゃんと選手の手元に帰って来るんです!すごい技です。見どことの一つです。キックされたボールを直接取る(マークと呼ばれます)とその場でフリーキックが与えられます。50mラインの内側でマークした場合は得点に結びつく可能性が高くなります。ですから、高く上がったボールの落下地点にはたくさんの選手が集まります。直接ボールを取る為に他の選手の背を踏み台にしてジャンプする事(これは必見です!)も可能です。ボールの進行を止める場合はボールを持った選手の肩から両腿にかけてのタックルが認められています。また、そのタックルでボールを持った選手の動きを完全に止めた場合(ボールをリリース出来ない状態)はホールディングボール(通称ボール)と言いその場でフリーキックが与えられます。その他、もろもろのファウルを取られた場合、ほとんどがフリーキックになります。サッカーのイエローカードやレッドカード、ラグビーのシンビン、バスケットボールの5ファウル退場もありません。ベンチ要員は4人選手交代は90回まで認められています。時々試合が一旦止まります(と言っても30秒ほどですが)その瞬間、すかさずトレーナー(水分補強係)が各チーム6名、フィールド内に入り自軍の選手に水分補給を行います。試合の最中にビブスをつけた伝令係が各チーム一人ずつ監督の伝言を選手に伝える為にフィールド内に入る事も許されています。総計するとフィールド内の最高人数(ゴールポストアンパイヤとバウンダリーアンパイヤを含む)が59人となります。それでも広く感じるフィールドなのですよ。

得点:フィールドの両側の2本のゴールポスト内にボールをキックして入れれば6点、ゴールポストにボールが当たったり、ゴールポストとその脇のビハインドポストの間に入ったり、または手でタッチされたボールがゴールポストの間に入った場合は1点となります。ゴールが決まったかどうかを判断するのはゴールポストアンパイヤです。6点の場合、ポストアンパイヤは両手で指差しのポーズを取り(ダンディ板野さんのあの’ゲッツ’のポーズです) 白い小旗を2本頭上でクルクル回します。1点の場合は片手でゲッツのポーズを取り、1本の小旗を回します。-笑わないで下さい!このルールで100年以上行っているのですか!(って言っても、最初見た時、笑わずにはいられませんでした) ちょっと古い動画ですが貼り付けます。

試合時間と試合結果:1試合は4クォーターに分かれ1クォーターが20分+アディショナルタイムです。スコアボードの表示は下記の通り。赤字がファイナルスコアです。見た目、複雑そうですが、ゴール数x6+ビハインド数=得点の計算式です。ゴール数、ビハインド数、得点は1クォーター毎に加算され表示されます。クォーター毎のインターバルの特徴として、第1クォーターと第2クォーター、第3クォーターとファイナルクォーターのインターバル時は監督・コーチがフィールドに入り、選手に指示や作戦を直接与えます。第2クォーターと第3クォーターのインターバルは長めなので選手はロッカールームに戻ります。

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百聞は一見如かず:

説明が何とも長くなってしまいましたね。見た方が早いと思うので、この動画(英語ですが)をどうぞ。

いかがでしたか?えっ?ユニフォームがダサい?そうなんですよ、私もそう思いました。特にピチピチのショーツが、まるで昭和の小学生ですよね。ですが、見続けると何も思わなくなってきました。習慣って怖い。今では「素朴でかっこいい」とまで思えるようになってしまいました。(;^_^A (余談ですね)

オージールールをどうぞよろしく

もっともっと、語りたい事が尽きないのですが、今回はここまでにします。でないと、長すぎて読むのに時間がかかりすぎるでしょうから😅😅チーム紹介は会を改めて。

このスポーツの特徴・醍醐味はとにかく早い、強い、高い、高得点とエンターテイメント性が強い事だと思います。もし興味が湧きまきましたら毎週明けにYouTubeで「AFL」と検索してください。ダイジェスト版が試合ごとにアップされます。生で見たい方は有料ですが、下記のウェブサイトから申し込みが出来るようです。

https://www.watchafl.com.au/

この週末から再開されるAFLから昨晩発表がありました。6月13日(土)のナイトゲーム、アデレード対ポート・アデレード戦は無観客でなく観客2000人をスタジアムに入れて行う事が発表されました。勿論密にならないように座席の指定があるようですが。これ、アフターコロナで初めてのケースになります。世界中のプロスポーツ関係者から注目される事でしょう。無事に試合が行えますように、祈っております。

では、また、お会いしましょう。それまで、どうぞ、ご自愛ください。

(*注1):オーストラリアでフッティーと呼ばれるスポーツが4種あります。このオージールール、ラグビー・ユニオン、ラグビー・リーグ、そしてサッカー。それぞれのサポーターがそれぞれフッティーと呼んで譲りませんので😅会話の際にはちょっと注意が必要です。ヴィクトリア州、西オーストラリア州、南オーストラリア州、タスマニア州、北部準州ではオージールールをフッティーと呼ぶのが一般的です。

#スポーツ #オーストラリア #オージールール #AFL

#アフターコロナ

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