メンバーとの信頼関係の始まり「はじめましての1on1」について
「プロジェクトがスタートするとき、メンバーとの1on1で意識していることはありますか?」という質問をもらった。
新しいプロジェクトを率いる。すでにあるチームに後から参画する。チームの立て直しに入る。いろいろなタイミングがあるだろう。
いずれにせよ、リーダーを任せてもらうとき、メンバーに1on1の時間をもらうようにしている。
はじめましての1on1でどんなことを大切にしているか。
どんな人なんだろう
メンバーとの初めての1on1は、純粋にメンバーのことを知りたいという思いで臨んでいる。
なぜここで働いているか・このプロジェクトに関わっているか
何をしてきたか
何を大切にして働いているのか
何をしたいか
何に困っているのか
こんな質問をしながら、いったいどんな人なんだろうと対話に集中している。
いまここにいる人と前に進むために
何のためにメンバーの人となりを知ろうとしているかと言うと、それが私がメンバーと一緒に働く原動力になるからだ。
特に私は、チームの立て直しに入ることが多かった。数人が辞めるタイミングだったり、私が加入したことを区切りとして去る人もいる。それがどうこうではなく、立て直す必要があるだけの事が起きているから当たり前である。
メンバーは上司を選べない。上司もメンバーを選べない。
それでも、何らかの理由で残ろうと決めてくれたメンバーだ。感謝するとともに、残ってくれたメンバーと精一杯頑張りたい。その人が「なぜ働いているか」「何を大事にしているか」を聞くことが、私にとっては、メンバーと一緒にやっていく原動力となる。
心の中で小さな約束をする
その上で、メンバーと小さな約束をするようにしている。心の中で。
例えばこんな具合だ。ある団体で、3人のメンバーでプロジェクトを進行することになった。プロジェクトを始める前に、それぞれと1on1の時間をもらったときの話だ。
Aさんは、「関係性を大事にしたい」「楽しくやりたい」と共有してくれた。プロジェクトは、限られたリソースの中で進行していく必要があるけれど、Aさんには「チームビルディングの時間を作ること」「毎回の会議でも時間を確保すること」を約束した。
Bさんは、プロジェクトに関わる中で得られる学びを大切にしているようだった。新たに学べることがないと分かったらプロジェクトを離れるだろう。あえて私のスタイル全開でチームをリードすることで、それがBさんにとって学びになったらいいなと思った。Bさんには「私のスタイルでプロジェクトを進行すること」を約束した。
Cさん。Cさんは、「はっきりした目的があってプロジェクトに参加したわけではない」と率直だった。一方で「困っているようだったから」と言っていた。プロジェクトが具体的な実行フェーズに入ったら、Cさんは力を貸してくれるだろう。Cさんには「実行フェーズに入るまで誠実にプロセスを見せること」を約束した。
これらは、もちろん本人には伝えていない。私が心の中でした、一方的で個人的な約束だ。これらの約束は、メンバーとの継続的な1on1や関係性の中に反映させながら、信頼関係の積み上げに努めた。
信頼感とは、大事にした小さな約束の積み重ね
これは、アディッシュを設立したときに掲げられたバリューのひとつだ(現在はアップデートされている)。
インターンで働き始めてからずっと、「小さな約束を大切にしなさい」と言われてきた。ベンチャーな環境で仕事をしてきたため、粒感問わず、何らかを任せてもらうことが多かったが、経験が十分にない自分にできることは約束を守ることだけだということを痛感させられてきた。
小さな約束という意味では、具体的な内容もある。解決したほうがいい課題や、ボトルネックになっているような内容だ。これらは、心の中に留めるのではなく、リストに一覧化してメンバー全員が見れるようにする。すぐには解決できないタスクもあるが、それも含めて見える化しておくことが重要だ。進捗を記載してひとつずつ対応していく。
具体的な内容はそれはそれでガシガシ取り組んでいくとして、はじめましての1on1では、「人となりを知る」ことが私がチームでやっていく原動力になり、「心の中で小さな約束をする」ことでメンバーとの継続的な関係性をより良いものにしようと努めている。
ひとつのケースとして、何か参考になったら嬉しい。
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