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1on1をする側として大切にしている7つの役割

12年前、インターンで働き始めたときから、1on1の時間があった。

初めて1on1をしてもらったとき、当時の上司に「人生相談の場だよ」と言われた。
職場では仕事のことを扱うはずなのに、人生相談の場と言われましても、はて?と衝撃を受けた覚えがある。

そもそも、ありたい方向性の認識が一致していて、タスクがスケジュールどおりリスクなく進んでいれば、わざわざ時間を設ける必要などない。

では、なぜ1on1の時間を持つのか。

1on1をする側として、私が大切にしていることをまとめたい。

1.関係性構築家

どのメンバーの1on1も、チェックインから始める。チェックインは、私が1on1をする上で最も大切にしている時間だ。チェックインだけでもいいくらい。

・いまの気分
・仕事で感じたこと
・最近気になっていること
・週末の出来事やプライベートで起きたこと

特にテーマを決めず、思い思いに話をしてもらっている。

新メンバーを迎えた際は、最初はぎこちなく、引き継ぎの状況など仕事の内容が多いが、関係性が出来てくると、プライベートや趣味の話などをしてくれるようになる。(密かにガッツポーズをする瞬間!)

仕事とは直接関係のないことを話す関係性を築くことは、チームビルディングの要だ。特に悲しいことやしんどいことを共有してくれたとき、決してそれを他言することはないけれど、少しでもその状況を知っている存在(その状況を話してやってもいいかなと思える存在)でいることが、いざとなったときにチームとして助け合える動きにつながると考えている。

2.ボトルネックサポーター

私自身、インターンの頃から1on1の時間をもらってきたのだが、1on1を受ける側として、「目標達成するために上司を活用させていただく場」という意識が強い。(人生相談どこいった…笑)

1on1を受ける側として
・目標未達成の可能性があるものを助けてもらう
・上司の課題感を共有してもらう
・それに対して少しでも行動する
・課題感や挑戦してみたいことを共有する

そうであるから、1on1をする側としても、メンバーが目標を実現するために時間を使う、という意識を強く持っている。

目標を実現するために、
・タスクのありたい姿は何で、
・誰を巻き込んで、
・どんなスケジュールで、
・何がボトルネックになっているか。

行き詰っている場合は、ボトルネックをサポートすることに力を注ぐ。

ボトルネックに対して、
・別のやり方はないか議論する
・他部署との関係性を円滑にするよう動く
・ヒトモノカネのリソースを調整する
・経営会議にメンバーに参加してもらって直接意見をもらう場を設定する

3.一緒に実現を目指す壁打ち相手

もちろん、ボトルネックの解消だけを扱うのではない。せっかく仕事をするからには、メンバーと一緒に、より良いモノにすべく頭を絞りたい。

メンバーの壁打ち相手として、
・ミッションをストレッチさせる
・選択肢を広げる
・突飛なアイディアを出す

役に立たない内容も多いだろうが、直面している現実から少し離れた思考になってもらう場となればいいなと思っている。

4.社内外をつなぐコネクター

私の場合、私のほうが、チームメンバーよりも専門分野における経験が浅いことが多い。私にできることと言えば、機会を提供することだと思っている。

メンバーのキャリア開発プランの内容に沿って、
・刺激を与えてくれそうな社内メンバーとつなぐ
・他社の方との情報交換の場をつくる
・注目している書籍やセミナー情報を提供する

それから、新メンバーについては、人間関係のオンボーディングに気を配っている。

5.仕事から少し離れたところを刺激する

時間が余ったときは、特に若手メンバーに対して、仕事とキャリアの間にあるような質問をするようにしている。

・もやもやしていることはありますか?
・本当はやりたいことはなんですか?
・何にワクワクしていますか?
・最近面白かった本はなんですか? など

コーチングとまでは言わないが、1on1が、仕事のことだけでなく、物事や自分について考える時間になるといいなと思っている。

6.ときに相談者

1on1では、私が考えていることを共有したり、相談することがある。

・普通に分からないこと
・個人的に構想していること
・これから起きるであろうこと

影響範囲の大きい施策や議題になるほど、メンバーの力が必要だ。構想段階で意見やアドバイスがほしい。キレイな事だけでなく、これから起きるであろうことの予告編のような内容を扱うことも多いが、私なりに何をどう解釈して何に悩んでいるかを表現し、そして相談したい。

7.エネルギースポットでありたい

メンバーとの1on1は、なるべく良い精神状態で臨みたいと思っている。あまりにも疲れていたり、自分の状態がネガティブなときは、直前でも1on1をリスケする。

1on1は、メンバーの時間だ。鬱陶しいほどの元気玉でいる必要はないが、少なくとも、ネガティブな雰囲気に引きずり込むことはしたくない。嬉しいことを一緒に喜べるようにスタンバイしておきたいし、仕事をより良く議論するのだから、自分もそういう状態でいたい。

最近、『一兆ドルコーチ』を読み直した。

スティーブ・ジョブズやエリック・シュミットといったシリコンバレーの名だたる人たちのコーチだったというビル・キャンベルの生き様を描いた本だ。

ビル・キャンベルは、コーチとしてに留まらず、友人として、可能性を信じる者として、悲しみを共有する者として、時間を共にした人そのものを丸ごと受け入れるような人であったことが分かる。

1on1は人生相談の場。

私も、そう言える人でありたい。

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