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組織の役割と時間軸について考える

「リーダーが何を言っているか分からない。」
「リーダーに話が通じない。」「いくら話しても分かってもらえない。」

「いまいちメンバーに話が伝わっていないかんじがする。」
「メンバーの目線が上がらない。」

なんか話がかみ合わない。

これらの会話を注意深く聞いていると、役割と時間軸の違いから発生していることが分かる。

役割によって考える時間軸(目線)が当然に違うわけで、その上で、「目の前で起きているコミュニケーション齟齬は、当然に発生する現象だよね」と互いに分かれば、その違いを吸収するための工夫が生まれることも感じている。

役割によって目線が違うことは、あたり前のことのように思えるかもしれない。しかし、特に、少人数で事業活動を行っているチームにおいては、このあたりの整理がないまま奮闘していることがあり、そういった状況から考えたことをまとめます。

そもそも役割によって目線は違う

たった数人で始まったチームが、社会により大きな価値提供していくためには、組織に進化する必要があるわけだが、関わる人数が増えるにつれ、それぞれの役割は細分化されていく。

誰もが何でもやっていた小人数フェーズから、複数人が役割分担しながら進めていく必要がある。当然、役割の細分化に伴って、時間軸も複雑化していく。

たとえばRole1は、日々の仕事に一番多くの時間を使う。目の前のお客様やチームとの約束を守り続けることで、信頼関係を築いていく。もちろん、ミッションに共感しているし、会社が目指している方向性も理解しているのが望ましい。その上で3カ月先くらいを見通しながら、日々の仕事を実行していく状態を目指したい。とは言え、どうしたって目の前の現実の比重が高い。

一方、たとえばRole4は、成果が1年先に出るような仕事をする。今期やることを見通すために、ミッションや中期経営計画を考える時間が長くなる。抽象度が高くなるのも特徴だ。

どちらが良い悪いではなく、役割と時間軸の話だ。

なんか話がかみ合わない、その理由

役割が少ないと、なかなか時間軸の違いによる役割分担ができず、往々にして、時間軸が混ざったまま会話がされることになる。

少人数の組織では、たとえば、Role1とRole4が直接会話する機会が多い。Role1は日々の目線に多くの時間を使っている。日々の視点から、Role4が話す抽象的な議題を理解しようとする。

一方、Role4は中期的な目線から考える役割だ。少人数の場合、Role4も日々の仕事をやりまくっていることが多いが、少なくとも、長い時間軸のことを考える時間がRole1よりは長い。

この状況で、Role4が自分と同じことをRole1に期待した(その逆も)場合、話がかみ合わなくなる。

例えば、日々の目線で決断していかなければいけない時間軸であるにも関わらず、リーダーが「そもそも目指すところは~」などと言って、ただただ話をややこしくしかねない。

リーダーからすれば、メンバーが、表面上の対応ばかりしているように見えるかもしれない。

役割による時間軸の違いを認識しないまま話を合わせようとすると、話しても話しても、どこかもやもやするような、しんどい状況が続くのだ。

時間軸の重なりを持つことが大切

冒頭に戻る。

会話ができる距離が近かったとしても、時間軸が離れていれば、メンバーは、「リーダーが何を言っているか分からない。」「リーダーに話が通じない。」「いくら話しても分かってもらえない。」となる。

仮に、会話が出来ているように思えても、時間軸が違うと、リーダーと同じようにはメンバーが認識していないことがある。その場合、リーダーは、「いまいちメンバーに話が伝わっていないかんじがする。」「メンバーの目線が上がらない。」と言う。

もし、いまいち会話がかみ合わないなと感じたら、

  • どの目線から話をしているのか

  • どの時間軸で話をしたいのか

を俯瞰して確認したい。これだけでも、状況が改善することが多い。そして、足りない目線があるのであれば、互いに積極的に時間を持ちにいきたい。

目線が重なるまでの時間差を許容する

さて、私が作成したイメージは、時間軸と役割がキレイに整列しているが、実際は、こんなにキレイに整理がつく話ではない。もっとガタガタしている。会社のフェーズ、ひとりひとりの特性や成熟度にもよる。

しかし、どのような状況でも、どんな人でも、ミッション、ビジョン、バリューやクレド、事業のありたい姿と、それを自分の仕事と結びつけて捉えられるようになるには時間がかかる。

具体と抽象を行ったり来たりしながら、感情が動く体験を共にしながら、徐々に、ようやく重なりを積み上げていくものだ。

時間がかかるものであるから、人を変えようと勝手に期待したり、分かり合えないと失望したり、早く改善しなければと無駄に焦らないことが大切ではないかと思う。

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円の重なりをどう設計していくかについては、また別の機会にまとめてみようと思います。


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